当たり前の話なのだけど、地域猫や保護猫ってほぼミックス。黒猫だけど、よく見るとトラが混じってたり少し茶色だったりするし、白と黒の間に縞が混じってる猫もいるし。
なので、たまに純血種? って猫を見るとびっくりする。その一匹がこれ。木の椅子にちょこんと座ってた猫。よく見ると、アメリカンショートヘアっぽい。
人懐こくて、しゃがんで呼んでみると、こちらへやってくる。何があったかはわからないが、左目は怪我でつぶれてしまってる。
駐車場みたいなところにいるのだが、どうも椅子の右手にあるおうちのおじいさんが世話をしているっぽい。耳もカットされてないし首輪もしてないけど、昭和の頃の猫ってそんな感じだったし。
飼ってるのか、世話してるだけなのかは何とも言えないので、一度おじいさんに尋ねてみようと思っていたのだが、いつのまにか姿が見えなくなり、このおうち自体が最近取り壊されてしまったので、願いがかなわなかった。残念。
と、そんな古い写真の話から始めたのは、先日、「保護猫シェルター QUEUE」に珍しく純血種の猫がいたからなのだ。
床で気持ちよさそうにごろごろ転がっている冒頭の猫がそう。種はベンガル。実にきりっとした立派なベンガルだ。
保護猫シェルターにベンガル? 「これは保護猫ですか」と尋ねてみると、もともと飼われていたが飼い主が亡くなってしまい、残された親族も猫は飼えないということで保護されたのだそうな。
ああ、それは確かに保護猫だ。飼い主が……例えば、高齢でなくとも事故や病気で亡くなってしまうことはあるわけで、捨てられたりせず、きちんと保護されてよかった。たまにあるからね。うちも飼い主が亡くなった猫を、一時的に保護したことある。
このベンガルは3歳で、名前はルカリオだそうである。大事に育てられただけあって、実に人を怖がらなくてよい。指を差し出すと匂いを嗅ぎにやってくるし、コート掛けにコートを掛けると、知らない匂いだ、とチェックしに来る。
そして、なんと、面白いことに水が好きなのである。いや、好きってことはないか。水を怖がらないのである。
台所のシンクが大好きだそうで、蛇口から水を出すと、喜んで水を飲みに来るのだが、それを飲むのが下手なのだ。当猫は落ちてくる水を舌ですくってるつもりのようだが、位置がずれていて、思いきり顔にかかってるのである。
普通、猫は冷たい水がかかると、驚いたり嫌がったりするものだけど、ルカリオはまったく気にならないらしい。むしろ、水を浴びたいんじゃないか疑惑があるくらい。
と、保護猫シェルターの中では異質の美猫なわけであるが、心配なのはちょっと気が弱いこと。人は怖くないけど、猫は苦手らしい。
まだ幼い新参のミケ猫に敵意を向けられると(耳をたたんで戦闘態勢に入ってる)、びびってケージに逃げてしまったのだった。
ずっと1匹で飼われていたので、他の猫と一緒にいることに慣れてないのだろう。早く周りの猫たちとなじんで落ち着きますように。
なお、保護猫シェルターは猫カフェではなく、保護した猫の里親を探して譲渡するのが目的で開かれている場所であるから、猫を飼いたいなと思っている方はぜひ。
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筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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