2024年の年末、レビュー記事用のモデル撮影をした場所の近くに、かつて猫だまり公園があったことを思い出したので、ちょっと足を伸ばしてみたのである。でも、かつて猫がひしめきあって昼寝していたベンチは新しくなり、全体にこぎれいになり、猫の気配はまったくなくなっていた。
まあそれはありがちな話なのだが、そのすぐ近くでも猫を見かけたなと10mほど歩くと、ちょこんと座ってるサビネコを発見。
おおまだ少しはいたかと思って撮っていると、今度は別のハチワレが、のそっと現れた。
2匹揃い踏みである。
ここでふと思い出した。以前訪れたときに撮った猫と同じではなかろうか。あのときも、警戒心が強くて近寄らせてくれなかった猫が2匹いたぞ。
ここがiPhoneのいいところ。その場で写真アプリを開いて地図から探してみると、同じ場所で同じ2匹を撮っていたのだ。2022年の2月である。
おお、あのときの2匹であったか。
帰宅して、もしやと思って同じ場所で撮った猫写真を探ってみると、撮ってたのである。2019年のことだ。
このときも、白いハチワレは近寄らせてくれなかったのだよな。
もしかして、もっと遡ることができるんじゃないか。と、さらに4年ほど遡ると、確かにいた。塀の上でくつろいでた(冒頭写真)。
ハチワレのほうも、こっちを向いてくれなかったけど、いた。
いやはや申し訳ない。2015年に、「近くに猫がいっぱいいる公園があるよ」と近所に住む知人に教えてもらってここに訪れたときは、それはもう「青空猫カフェ」かという猫天国状態で、みんな人懐こくて、膝猫までいたので、警戒心が強く近寄らせてくれない猫のことは忘れていたのだ。
はじめて訪れてから10年弱。あんなにいっぱいいた人懐こい猫たちの姿はいつのまにか消え、猫たちがくつろいでいたこのベンチも真新しいものに変わっていた。近所の人に世話され、かわいがられていたので、里親が見つかって引き取られたりしたのだと思おう。
でも、ひとつ隣のテリトリーにいた人慣れしてない2匹(こっちは別の人に世話されていたのだと思う)は、10年たっても元気にしていたのである。
外の猫は、寿命が短いもの。2匹揃って10年前と変わらず健在ってのは、なかなかうれしいのであった。これからもがんばれ。10年前に使っていたカメラは、とうに引退して現役じゃなくなってるけどな。
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筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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