第500回
612馬力の超弩級SUV「Mercedes-AMG GLE63 S 4MATIC+」はクルマのジキルとハイドだ!
2025年01月26日 12時00分更新
機能が豊富でボタンも多いので
使いこなすには慣れが必要
GLE63 S 4MATIC+は、左ハンドルのみの設定。重厚なインテリアデザインは、メルセデスらしい高級感。その中で、カーボン加飾パネルをおごるあたりはMercedes-AMGならではです。
モニターはトラックパッドで操作可能。使いやすいか? と聞かれると、正直操作しづらかったり……。直接画面を触った方がいいのですが、光沢液晶ゆえ画面が指紋で汚れます。これが実に悩ましい限りです。
運転席側のUSB端子もType-C。ワイヤレス充電対応のスマホホルダーも用意されています。
車両の機能面では、車高の上げ下げが可能であるほか、ステアリングホイール側でサスペンションセッティングをはじめ、各種ドライビング設定が変更できます。
それゆえか、ステアリングにボタンが多く、慣れるまで時間がかかりそうです。若い人にはいいけれど、オッサンには……などと思ってしまいました。
足周りは一般道では硬く、高速ではちょうどいい
Mercedes-AMGのエンブレムを見るたび身構える筆者ですが、それは値段ではなく、過去に何度も暴力的なパワーに肝を冷やしたから。それはGLEでも変わりません。アクセルを踏めば背中がシートに張り付き、思わずステアリングを握る手に力が入ります。
そしてもうひとつ、Mercedes-AMGで覚悟が必要なのが硬い足まわり。特に街乗りでは、衝撃の度に背骨が頭から突き出すかのような衝撃に閉口しました。ところが、高速道路では逆にこれがコンフォータブルで、むしろ「ホントにこれはAMGなのか?」と思うほどの穏やかさです。これならガソリンが尽きるまで走れそうです。
本機のライバルはBMWのXMでしょう。あちらの方がモーターパワーによってトルクはモリモリだし、乗り心地もハード。見た目も含め若さを感じさせます。自分が若くして成功したIT長者かYouTuberの30代ならBMWを選んでいたかもしれません。けれど年を重ねた今ならMercedes-AMGを選ぶでしょう。気持ちは若いのですが、ハードなクルマに体が付いていかないのです……。
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