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MSIのハイエンドモデル「MPG 271QRX QD-OLED」を徹底レビュー

液晶に戻れない!ゲーミングPCの性能を最大限引き出す360Hz、GTG0.03msのOLEDディスプレーが究極すぎた体験記

2025年01月21日 11時00分更新

文● 飯島範久 編集●三宅/ASCII
提供: エムエスアイコンピュータージャパン

 

ゲーミングPCに使うならOLEDパネル搭載ディスプレーを選びたい

 究極のゲーミングディスプレーを選ぶとしたら、液晶パネルより断然OLEDパネルだろう。液晶パネルもだいぶ改善されて応答速度が速くなってきているものの、OLEDの応答速度やキレの良さには遠く及ばない。応答速度が早ければ、駆動速度が稼げるだけでなく、残像感のない映像が手に入る。この残像感の有無は動きのある映像をくっきりと認識できるため、視界の片隅の動きであっても把握しやすい。また、ゲームに限らずWeb画面をスクロールしたときでもくっきり見えるため、目も疲れにくいメリットがある。

 そんなOLEDパネル搭載のディスプレーは、液晶パネルに比べて性能が良いぶん、価格も液晶パネルよりはるかに高い。そんなOLEDパネル搭載モデルとしてエムエスアイコンピュータージャパン(MSI)から2024年3月に発売された「MPG 271QRX QD-OLED」。実売価格は15万円前後だが、正直OLEDパネルを体験してしまうと、液晶パネルには戻りたくないレベルだけに、ちょっと奮発してゲーミング環境を整えようと考えてもおかしくはない。そこで今回はMPG 271QRX QD-OLEDの魅力をレビューしていこう。

0.03ms(GTG)360Hz駆動の実力

MSI「MPG 271QRX QD-OLED」。QD-OLEDパネルを採用し超高速応答速度と広色域を両立させた究極のディスプレー

 MPG 271QRX QD-OLEDは26.5インチで解像度はWQHD(2560×1440ドット)。MSIが採用するOLEDパネルは、量子ドット技術と融合したQD-OLEDで、RGBの各色を作るのに液晶と同様のカラーフィルターを用いるのではなく、OLEDで発光した光が量子ドット層を通過することでRGBを作り出している。こうすることで、フィルターを通過する際に輝度が低下することを防ぎ、色域のさらなる向上を実現している。

 搭載されているパネルは最新世代のもので、従来パネルより鮮明になるようサブピクセルの配置が見直されたされたもので、文字などもより見やすくなっている。最大発色は約10億7300万色で、色域はsRGBカバー率が100%、AdobeRGBカバー率が98%、DCI-P3カバー率が99%となっており、ゲーミングだけでなくクリエイティブな作業にも向いている。

左が今回採用している最新世代のQD-OLED、右が従来のQD-OLED。サブピクセルの配置が変更され、文字も見やすく改善されている

 輝度は250nitsだが、ピーク時は1000nitsで、コントラスト比は150万:1。OLEDパネルは液晶パネルと違い、素子そのものが発光するためバックライトが不要で、素子が発光しないことで黒を表現できる。そのため、液晶パネルの1500倍ほどのコントラスト比が得られるわけだ。VESAの「DisplayHDR True Black 400」の認証を取得しており、真の黒に近い表現ができる。

とにかく発色がいいので、とても鮮やかな映像になるだけでなく、斜めから見ても色味が変わらない

 そして、応答速度はなんと0.03ms(GTG)、リフレッシュレートは360Hzとなっている。応答速度は残像感、リフレッシュレートは動きの滑らかさに直結するので、この数値が応答速度では小さく、リフレッシュレートでは大きいほど見やすくなる。

 実際に「blurbusters」のサイトの「TestUFO 2.1」でチェックしてみたが、さすがにこの応答速度とリフレッシュレートだとヌルヌル動いて残像感はゼロ。カメラで撮影しても滲みなくくっきり写る。ディスプレーがどれだけクリアに描写できるかのVESAの規格「ClearMR」では、最高ランクの「13000」(2025年1月時点)が与えられており、残像感のなさが裏付けられている。

ブラーテスト「blurbusters」のサイトにある「Ghosting Test」。写真で撮影してもブレがない

 一方で、OLEDパネルは長時間同じ映像が表示されていると画面の焼き付きの心配があるため、その対策として「OLED CARE 2.0」が用意されている。特に壁紙やタスクバーは注意が必要なので、一定の時間が立つと輝度を軽減したり、ピクセルシフトやパネル保護などの設定ができる。

「OLED CARE 2.0」の機能の1つ「マルチロゴの検出」。同じ場所に表示されるロゴ部分を検出し、その部分の輝度を下げる

「OLED CARE 2.0」の設定はOSDの画面から行なえる

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