週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

2025年こそは災害に備える! ポタ電でいざというときのために電源を確保するワザ!

2025年01月02日 13時15分更新

本記事は週刊アスキー10月8日発売号(No.1512)からの転載です。価格などの情報はすべて当時のものとなります。

情報や冷暖房など災害時に必要な電力の確保を

 2024年は能登半島地震に始まり、夏には各地でゲリラ豪雨による被害が頻発。さらに大型台風による被害も深刻だった。自然災害に遭遇した時、いかに自分たちの生活が電気に頼っているかを知らされる。

電力確保

 明かり、冷暖房、食事、風呂、そして情報。身の回りのものの多くが電気によって稼働している。特に、災害発生時に正確な情報を迅速に得ることは、自身および家族を身を守るのに必要なことだ。

 そのため、スマートフォンのバッテリー切れを防いだり、停電時にテレビを観られるようにする電源は常に用意していたい。非常時に利用できる電源があれば、情報入手だけでなく、暖を取ったり調理をしたりと、生命維持活動にも活躍できる。今すぐ、非常用の電源を確保しよう。

スマホ以外にも必要だから複数の電源があれば安心

 近年注目されているポータブル電源だが、定格出力や容量などがニーズを満たしているか、充電(蓄電)の手段を用意しているかなど注意点もある。目的に合った使い方ができるか、機能・性能を確認しよう。

Jackery Solar Generator 3000 Pro
ポータブル電源 ソーラーパネル セット 49万9000円

 3024Whの大容量に加えて、3000W(瞬間最大6000W)の高出力を実現する三元系のポータブル電源と200Wのソーラーパネル(1枚)のセット。ソーラーパネルだけでフル充電するにはパネルの追加が必要だ。電源のサイズが473×359×373mmと容量の割に省スペースで軽量(約29kg)なので、キャンプなどのレジャーで使う時以外は保管しておき、必要な時に持ち出すという使い方に適している。EPS機能を搭載。

電力確保

Jackery Solar Generator 1000 New
100W ポータブル電源 ソーラーパネル 17万4600円

 4000回の充放電サイクルを実現するリン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載で、1500Wの出力、1070Whの容量と、普段使いから防災用まで幅広く使えるコストパフォーマンスのよいポータブル電源。

 セットの100Wソーラーパネル1枚で満充電までは約15時間。防災用途を考えると、ソーラーパネルをもう1枚買い足しておくと安心。電源のサイズは327×224×247mmで重量は約10.8kg。UPS&パススルー機能搭載。

電力確保

Jackery Solar Generator 600 Plus
100W ポータブル電源 ソーラーパネル 11万9800円

 定格出力800W、容量632Wh、重さ約7.3kgと軽量コンパクトなポータブル電源。ソーラーパネルは100W出力で約4kgと女性でも持ち運べるレベルに収まっており、サブ用途のポータブル電源として適している。

 高出力のポータブル電源は、高出力が必要な機器のために使用して、それ以外の機器をコンパクトなモデルで補うことで、効率よい電源管理が実現できる。LEDライトなど、便利な機能も備わっている。

電力確保

使用目的に応じて出力・容量を選ぼう

 災害に伴う停電などで電力の重要性が増し、ポータブル電源など備えのニーズが高まっている。しかし、価格やサイズだけで選んだことで、いざ使おうと思ったら想定していた機器が動かないということもある。目的に応じて定格出力やバッテリー容量がニーズを満たしているか確認するようにしたい。

 ソーラーパネルのセットもあるが、ソーラーでどのくらい充電できるか事前に確認が必要だ。必ずしも晴天が続くとは限らないので、ソーラーだけで満充電を目指すなら、3~6時間で満充電になるレベルのソーラーパネルを用意する必要がある。

 一方で、騒音には注意が必要だが、発電機を組み合わせると、天気が悪い日や夜間でも発電・充電ができる。発電機の定格出力が低くても、ポータブル電源の充電には十分なことが多い。ポータブル電源を非常用電源として、ソーラーと発電機で使用した分を充電するという構成が良いだろう。

 また、モバイルバッテリーで充電、動作できる機器は、高出力のポータブル電源には極力つながない運用にしたい。高出力のポータブル電源は、エアコンや電子レンジなどパワーを必要とする機器に使用するためだ。

コンパクトだけど大容量 モバイル機器の充電に最適
アイリスオーヤマ「バッテリーステーション IBT-A60100-W」

 コンパクトなサイズながら、60000mAhの大容量バッテリー。約1.36kgの重量は持ち運ぶのも苦にならないレベル。合計100Wの最大出力に対応し、スマホからタブレット、ノートパソコンまで充電が可能。ソーラー充電にも対応し、3段階に調節できるLEDライトを搭載するなど、非常時に役立つ。直販価格2万2260円。

電力確保

ジャンプスターター付きで車載に最適
ゴールゼロ「Venture Jump」

 車のエンジン始動に対応するジャンプスターター機能搭載の大容量モバイルバッテリー。10000mAhの容量で、スマートフォンなら3回の充電が可能。

 LEDライトを内蔵し、IP67準拠の防塵性、防水性を備える。万一の時のためにガレージに備えておきたい。実売価格2万2000円前後。

電力確保

 3500Kの温白色でリラックス効果も得られる。USB出力を備え、モバイルバッテリーとしても使える。実売価格1万3000円前後。

単3形電池が使えてLEDも搭載
パナソニック「乾電池式モバイルバッテリー BH-BZ40K」

 単3形で同一種類であれば、アルカリ乾電池のほかニッケル水素充電池も使用可能なUSB出力付きモバイルバッテリー。0.5~0.7回分のスマホ充電に対応する。LEDライトを備えているので避難バッグにあると重宝する。実売価格2000円前後。

電力確保

元祖カセットガス式発電機
ホンダ「EU9iGB(エネポ)」

 カセットボンベ2本で定格出力900VAを1.1時間出力する。19.5kgの重量はやや重いものの、キャリングハンドルと大型の車輪を装備しており移動は容易。理論値では1000Whクラスのポータブル電源を7割程度充電できることになる。排気ガスが出るので屋内での使用は厳禁だ。実売価格11万4600円前後。

電力確保

カセットボンベ1本で700Wを40分発電
ニチネン「G-cubic G700クレマ(KG-071)」

 約10kgと比較的軽量な発電機。カセットボンベ1本で動作し、最大700Wの出力で約40分間運転できる。USB端子とAC100Vコンセントを備える。外付けボンベユニットを使えば最大6時間の運転が可能。700Wの出力は少なめだが、ポータブル電源の充電用としては十分。直販価格16万2800円。

電力確保

命を守る情報と体温維持 非常時に電源が必要な理由

 2011年に発生した東日本大震災では、家族の安否確認や避難所、支援物資などの情報入手にSNSが使われた。停電でテレビが観られず、ラジオを備える家庭が少ない中で、情報ツールとしてスマートフォンの重要性が際立った出来事だった。これをきっかけに、通信キャリアは災害時にも通信を途切れさせないよう、様々な手段を講じている。

 各キャリアは、基地局の維持のために可搬型発電機や移動電源車なども準備しており、主要基地局に2日間の給電が可能としている。過去には避難所に無料の携帯充電サービスを提供したり、Wi−Fiルーターの無償提供をした例もある。

 災害発生時に気象庁や行政、メディアが発する情報は、時に命を守る重要なものだ。次にどう行動すべきか、その判断をするための正確な情報を入手すべく、スマホをいつでも使えるよう電源を確保しておきたい。

キャリアは様々な手段で通信を確保

 主要通信キャリアは、重要な基地局では24時間以上、それ以外の基地局では3時間以上維持できる非常電源設備を備えるほか、人力や車両での移動基地局に加え、船舶や気球、ドローンを活用した基地局など、通信を確保するため様々な方法を研究中で、一部は既に災害時に活用されている。

電力確保

大規模災害時の通信障害対応する
00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)とは

 東日本大地震の教訓をもとに整備された、災害時に無料開放される公衆無線LANサービスが00000JAPAN。災害用の統一 SSID「00000JAPAN」にて提供され、Wi-Fi接続のパスワードなどは求められない。

 自治体や学校など100団体以上の企業や団体が認定されており、「熊本地震」にて初めて運用された。現在は、災害だけでなく通信事業者のネットワーク障害の際にも発動が可能となっている。

電力確保

夏の熱中症・冬の低体温 身体を守る電源も必要

 スマホの充電だけでなく、体調を維持するための電源確保も重要だ。自宅が長期間停電した場合、エアコンによる冷暖房は使えなくなる。夏は熱中症を防ぐために扇風機、冬は低体温症を防ぐために電気毛布など、比較的少ない電力で涼・暖をとれる備えもしておきたい。

電力確保

 モバイルバッテリーで動く小型の扇風機や、電気を使わないハクキンカイロなど、電力を必要としない、少なくて済むアイテムなど、 複数の備えも併せて用意しておくとよいだろう。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります