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日産のEV「リーフ」のバッテリーを再利用したポータブル電源が車中泊にピッタリだった

2024年12月31日 12時00分更新

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日産自動車/ポータブルバッテリー from LEAF(17万500円)

 アウトドアシーンで大活躍するポータブル電源。各社から様々なモデルが登場する中、日産自動車が昨年9月よりポータブル電源「ポータブルバッテリー from LEAF」(17万500円)を発売していることをご存じでしょうか? どのような製品なのかを紹介します。

電気自動車のバッテリーを再利用したポータブル電源
若干割高だが、マイナス20~60度の過酷な環境で利用可能

 「ポータブルバッテリー from LEAF」は、日産自動車、JVCケンウッド、フォーアールエナジーが3社で共同開発したポータブル電源。その名のとおり日産のEV「リーフ」の再生バッテリーを利用しているのが特徴で、製造時の二酸化炭素の発生を抑えて、持続可能な脱炭素社会の実現に貢献するという、実にSDGsなプロダクトです。

 「SDGs系の商品は高額」が昨今のトレンド。残念ながら「ポータブルバッテリー from LEAF」も、その例に漏れません。というのも、充電池容量633Whに対して、価格は17万500円だから。事実、JVC/KENWOODは、ほぼ同じ充電池容量の商品「BN-RM62-C」を7万9860円で販売しています。

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JVC/KENWOODポータブル電源スペック表(同社のウェブサイトより)

 さらに付け加えると、ほぼ同じ充電池容量のモデルよりも一回り大きく、重量にいたっては倍以上。充電池容量1534Whモデルのフラグシップモデル「BN-RB15-C」(28万500円)とほぼ同じ大きさだったりします。いくらSDGs系の商品は高額になりがちとはいえ「重たい上に電力容量が少なくて、中古のバッテリーなのに値段が高いとは……」と、誰もが思うことでしょう。

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動作温度範囲がマイナス20~60度というのが本気のポイント

 ですが「動作温度範囲マイナス20~60度」と、過酷な環境に耐えられるのが本機最大のポイント。安価で新品バッテリーを搭載した製品の動作温度はマイナス10~40度と、夏場は高温になりがちな車内の環境に耐えられないのです。

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JAFユーザーテスト「春の車内温度」より

 JAFが2007年4月26日に行なったユーザーテストによると、最高気温23.3度の環境下でも車内温度は48.7度にまで上昇したのだとか。つまり一般的なポータブル電源は冬以外、車内に放置できないのです。その冬とて、降雪地帯では動作温度範囲から外れるでしょう。

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製品に使用されるリーフの再生バッテリーセル(左)と開発中の製品イメージ(右)

 「ポータブルバッテリー from LEAF」に使われるバッテリーは、本来はクルマを動かすためのもの。同程度出力の他製品より重たいのも、自動車用として堅牢に作られたためで、それが幅広い動作温度につながっているというわけです。日産によると60度は夏場で直射日光があたらない荷室、マイナス20度は冬場の寒冷地の車内を想定しているとのこと。

 もっともクルマのバッテリーなのですから、車載環境で安心安全に使えるのは当然といえば当然の話なのですが、それでもすごいといえばすごい話です。

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1年後でも84%の電力が残っているという

 さらに自己放電が少なく、長期保管が可能というのも美質。満充電した後、しばらく時間を置いて使おうとしたら容量が減っていた、なんてことはありがちです。ですが「ポータブルバッテリー from LEAF」は満充電から1年放置しても84%は残っているのだそう。たとえば普段は非常時の備蓄として倉庫に保管し、いざという時に使えるというわけです。

 日産自動車、JVCケンウッド、フォーアールエナジーが3社で共同開発した本製品ですが、それぞれどのような立ち位置なのでしょうか?

 まず、日産自動車は本製品の企画立案と自動車開発で培った車載環境での使用を実現するためのノウハウを提供。JVCケンウッドは、カーナビゲーションやドライブレコーダーなどの車載機器やポータブル電源の開発で培った技術と知見を活かし、安全性はもちろん、使用済みバッテリーの再利用に最適化した設計と製品開発。フォーアールエナジーは、電気自動車・リーフの再生バッテリーを取り扱っていることから、使用後でも高い残存性能と安全性を持ち、製造時にCO2の発生がないバッテリーを、ポータブル電源で二次利用するための開発を行なったとのこと。

 消費者として気になるのは、再生バッテリーって大丈夫なの? ということ。使われているバッテリーは、回収した電気自動車のバッテリーの中から、ポータブル電源として十分な電力を持ちうる最適なものを選別しているのだとか。さらに、JVC/KENWOODのポータブル電源は保証期間2年であるのに対し、「ポータブルバッテリー from LEAF」は3年保証。自信があるという証左ではないでしょうか。

ちょっと大きいけれど、目立たないデザインがイイ!

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横幅は370mm

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奥行き282mm

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高さは205mm

 本体のサイズはW370×H205×D282mmで、重さは14.4kg。持ちあげるときに、思わず「よいしょ」と声が漏れてしまいます。

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利用シーンの例

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利用シーンの例

 ちょっと大きいかなと思ったのですが、助手席または足元に設置できる大きさです。走行中、よほどの急ブレーキを踏まない限り、バッテリーがすっ飛んでいくことはないでしょう。

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天板には模様がありオシャレ

 ポータブル電源の中には、アウトドアを意識した色使いや派手なカラーの製品がありますが、「ポータブルバッテリー from LEAF」はブラックでビジネスライク。ですが天板には模様がありオシャレなところも。キャリングハンドルをたためば天板はフラットになるので、ノートPCを置くのに好適です。

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