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【2024年自作まとめ】秋葉原PCパーツ街を振り返る

2024年12月31日 10時00分更新

10月
インテルが反撃開始! 「Core Ultra 200S」がデビュー

 Arrow Lakeことインテルの最新CPU「Core Ultra 200S」シリーズが25日午前0時に販売解禁となった。パソコン工房 秋葉原パーツ館では深夜販売が行なわれ、いち早くCPUを手に入れたい人が同店を訪れた。

パソコン工房 秋葉原パーツ館で深夜販売を実施。久々となる深夜販売だが、全額前払いで予約した人が午前0時に商品を受け取るのみで、わずか数分で深夜販売は終了した

 ラインナップは全部で5モデル。「Core Ultra 9 285K」(11万5800円)、「Core Ultra 7 265K」(7万8800円)、「Core Ultra 7 265KF」(7万5800円)、「Core Ultra 5 245K」」(5万9800円)、「Core Ultra 5 245KF」(5万6800円)。そのうち「Core Ultra 9 285K」は入荷数が少なくすでに完売。「Core Ultra 5 245KF」も在庫わずかという状況だ。なお、Core Ultra 200Sシリーズに対応するインテルZ890チップセット搭載マザーボードもCPUと同時に発売された。

販売がスタートしたインテル「Core Ultra 200S」シリーズ

11月
ゲーマー大本命CPU「Ryzen 7 9800X3D」が販売解禁

 AMDの最新CPU「Ryzen 7 9800X3D」の販売が11月15日11時よりスタート。多くのショップでは開店前に整理券を配布するなど、注目のCPUをいち早く手にしようと多くのユーザーが集まった。いずれのショップもある程度の在庫は用意していたものの想定を上回る売れ行きをみせ、初回入荷分はほぼ完売となった。12月末の現在も品薄状況が続いている。

「Ryzen 7 9800X3D」が販売解禁。一部店舗において抽選販売になったことからも人気の高さをうかがえる

 「Ryzen 7 9800X3D」は、Ryzen 7 7800X3Dと同じSocket AM5、物理8コアという非常に近い構成を備えているが、Zen 5アーキテクチャーと第2世代3D V-Cacheを採用している。価格は8万6800円(北米予想価格は479ドル)となり、昨今の厳しい為替事情を反映した価格設定となった。ただ2週間ほど前に解禁となったCore Ultra 200Sシリーズに比べるとマイルドなドル円レートで計算されているようだ。

12月
電源ユニットの販売競争が激化

 NoctuaとSeasonicがコラボレーションした電源ユニット「PRIME TX-1600 Noctua Edition」が24日に発売された。全世界1000台限定生産で、価格は9万9800円。老舗電源メーカーSeasonicの電源ユニットにNoctua製冷却ファンを組み合わせた、まさに「ボクが考えた最強の電源ユニット」を商品化したような夢のコラボ製品とあって、自作PCマニアを(価格面でも)唸らせた。

Seasonicの1600W電源ユニット「PRIME TX-1600」とNoctuaの人気120mm冷却ファン「NF-A12x25」を組み合わせたコラボモデル。筐体デザインにNoctuaカラーのブラウンを配色しているのも特徴だ

 一方、ASRockからは同社初の電源ユニットが登場した。上位モデルはCybeneticsのETA認証のPLATINUMを取得している高い電源効率が特徴で、100%日本メーカー製コンデンサーを採用する。+5V電圧を昇圧し最適なパフォーマンスを維持する「+5Vブーストモード」やビデオカード用12V-2×6ケーブルの“甘挿し”を防止するデュアルカラーデザイン、ケーブルの異常発熱を防止する「ケーブル過熱保護」などの機能を備える。

ASRock初の電源ユニットが発売。同社独自機能を備えているのがポイント

Ryzenの強さが際立った1年

 2024年は、Ryzenの新製品が数多く投入され、その性能の高さからAMD製CPUへの需要が高まった。しかし、Ryzen 9000シリーズのローンチは順風満帆とは言えるものではなかった。まず初期ロットの品質問題による発売延期、次にTDP 65Wで出荷されたRyzen 7 9700XおよびRyzen 5 9600Xのパフォーマンスが前世代に比して大きく伸びないという批判に端を発してTDP 105Wモードが実装された

 それからRyzen 9000シリーズの発売後にAMD公式発表の性能と市井のレビュアーによる性能が乖離していることが発覚、間もなく分岐予測改善のコードを含むアップデート(KB5041587)がWindows 11に実装された。

 そしてAGESA 1.2.0.2に準拠したBIOSでは、Ryzen 9 9950XおよびRyzen 9 9900Xのコア間レイテンシーが大幅に改善するなど、Ryzen 9000シリーズはわずか数ヵ月の間で性能が大きく向上した。

一方のインテルもCore Ultra 200Sを投入してRyzenに対抗するが、Raptor Lakeの故障問題が尾を引いているせいか、自作PC市場のシェア回復には至っていない。

 信用を落としたインテルと、信頼を得たAMDの行動により、メーカーに対する自作PCユーザーの見る目が変わった1年となった。ほかにも、白色だけでなくパステルカラーのPCパーツが出回ったこと、裏配線への新たなアプローチが始まったこと、ユニークなPCケースが数多く投入されたことなど、2024年は自作PCユーザーにとって、「変化」の年でもあった。

 2025年もワクワクするようなPCパーツが登場することを期待したい。

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