ECサイトよりもクレカ系を騙るフィッシングが増加
まさか減るとは……。
フィッシング対策協議会は2024年11月の「フィッシング報告状況」を発表しました。「報告件数」は前月より2850件減少して17万8593件。減ったとはいえ、集計以来2番目に多い数字なのですが、多くのECサイトでブラックフライデーが開催されたことを考えると、「あれっ、意外と少なかった!?」とすら思えてしまう規模に収まったと言えるかもしれません。
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中身を見ていくと、先月に続きAmazonを騙るフィッシングが最も多く、報告数全体の約22.9%を占めています。これはおよそ4万1000件で、先月よりも7000件ほど減っています。
次いでJCB、マスターカード、えきねっと、PayPayを騙るフィッシングの報告がそれぞれ1万件以上あり、1000件以上の報告があったブランドは合計24におよびました。なお、それらを合算すると全体の約96.7%に達します。
分野別では、JCBをはじめとするクレジット・信販系が約39.9%、AmazonなどEC系が約25.9%、金融系約11.9%、えきねっとなど交通系が約6.9%、PayPayなど決済系が約6.3%となっています。クレジット・信販系の急増が目立ちました。また、SMSを使うフィッシング詐欺「スミッシング」は、クレカブランドや東京電力を騙るものが多かったようです。
11月はブラックフライデーを機にECサイトを騙るフィッシングが増えると予想しましたが、実際は直接金銭に関わるクレジットブランドを騙るケースが増加した模様です。
来月は長期休暇に入ることもあり、交通系ブランドを騙るケースが増えると思われます。年末年始はえきねっと、WESTERなどチケット予約サービスのユーザーは要注意です。
地方銀行を騙るフィッシング詐欺が増えた
フィッシングメール・SMSの誘導先(偽Webサイト)にあたる「URL件数」は、前月から5742増えて7万7109件でした。先月は集計開始以来、2番目にあたる数字でしたが、2ヵ月連続で記録が更新されました。
フィッシング詐欺に悪用された「ブランド件数」も前月から6ブランド増加して94件。右肩上がりが続いています。内訳は、金融系が23ブランド、クレジット・信販系が22ブランド、通信事業者・メールサービス系が11ブランド、配送系が7ブランド、EC系が6ブランドなど。11月は地方銀行系のブランドが増えたとのこと。
もしあなたが怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告することをおすすめします。
※これらの数値はあくまでも「報告」件数ですので、実際の動向を完璧に反映しているとは限りません。フィッシング詐欺被害の報道が増加し、その脅威が明らかになればなるほど、同協議会に一報する人も増えていると考えるのが自然です。とは言え、現状の傾向を見るには最も適した数字でしょう。
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