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勝利とはリスクと等価交換で手にするもの……ッ!

【激安ドバイ旅】天国か地獄か、飛行機の「席ガチャ」は振り幅がすごい

2024年12月25日 07時30分更新

文● 中山智 編集●こーのス/ASCII

 前回(記事)から間があいてしまいましたが、ドバイまで片道2万1320円の激安チケットをみつけ、「往復の交通費と宿泊で5万円以下」が可能か試そうというシリーズの続きです。極力滞在費用を節約して2泊のドバイ観光を楽しみましたが、今回はいよいよ日本へ向かう復路のレポートです。

●日本へ帰国するための激安便を探してみた

 予算5万円のうち、往路のフライトと2泊の宿代を引くと、残りの予算は2万5720円。復路も往路と同じく中国東方航空でも予算内に収まる航空券はありましたが、それではちょっとおもしろくないので、別ルートを探してみることにしました。

 するとフィリピンのセブパシフィック航空とフィリピン・エアアジア、2つのLCCを乗り継いで、フィリピンのマニラ経由で日本(関西国際空港)へアクセスするチケットが見つかりました。料金は2万3910円なので、これなら合計4万8190円と予算内です。しかも往路で搭乗した中国東方航空はFSCなのに対して、復路の2キャリアはLCC。その違いを体験できるのもおもしろそう!……と気軽に選んだのですが、結果として、これがかなりキツいフライトとなりました。

気軽にLCCでの長距離フライトを予約してしまいました

●シートが狭くリクライニングできない席で約10時間

 1レグ目(最初のフライト)となるセブパシフィック航空、ドバイ国際空港→ニノイ・アキノ国際空港(5J015便)は、22時10分発。2時間半程前に空港についてチェックインしようとしたら、カウンターにはかなりの人数が並んでいました。自分のあとには数人しか並ばなかったので、ちょっと出遅れた感じです。

ドバイ国際空港ターミナル1のセブパシフィック航空チェックインカウンター

 そのためか、指定された座席は3列並びの真ん中席。LCCの場合、座席指定は有料となるケースがほとんどなので、旅費を節約するため最近は座席指定しません。ただ経験上、座席指定をしなくても窓側や通路側、さらには空いていた足下の広い席や前方席などがアサインされることが多いんです。

 これは自分の勝手な推測ですが、LCCの座席指定は良席が料金高めに設定されているため、結局敬遠されてしまい最後まで空いていて、座席未指定者に割り当てることが多いのかも。

 その経験があったため、座席指定をしなかったのですが、今回は大失敗。5J015便はエアバス A330-900で通路がふたつあるワイドボディーの大型機ではあるものの、シートピッチは膝元にこぶし1個ほどの余裕しかない、いかにもLCCの座席な感じ。

座席ポケットに荷物を入れてはいるものの、ヒザ回りのスペースが全然ない!(筆者の身長は176cmです)

搭乗口付近では、荷物の大きな人の計量が行われていました。機内持ち込みは7kgまでです

 さらに座席にはリクライニング機能がありません。ほぼ満席で左右を見知らぬ人に挟まれた状態で狭く倒れない座席に9時間45分と、かなりのロングフライト。10時間近い長距離フライトの経験としてはトップクラスで辛い体験でした。

見渡すと空席はほとんどなかったので、満席に近い状態

シートなどは新しめでキレイでした

ネックピローをつけていましたが、リクライニングしないので首が前に倒れてしまうだけで、あまり意味がなかった

 やはり長時間のフライトは座席指定をしたほうが、もうちょっと快適にすごせたかもしれないな……と反省しました。

 ちなみに2〜3時間くらいのフライトなら、リクライニング機能は逆にない方が、前の席が(前の人の頭も)倒れてくることもないので快適です。ただ深夜便ですとカラダを少しでも後ろに倒して寝たいので、あったほうがありがたいですね。

充電はUSB端子のみで、Type-AとType-C両方あり

テーブルにタブレットやスマホを立てかけられる溝があったので、これはありがたかった

 機内は暗くはなるものの寝付けず、狭いシートでひたすら耐ながらカラダがバキバキになったところで、ニノイ・アキノ国際空港へは現地時刻で翌日の11時55分に到着。そのまま乗り継いで日本へ……とはいかず、次の便は約20時間後、翌日の8時10分発なのです。

●日本便が欠航に…!幸せの無料宿泊券で1回休み

 実は当初の予約では、2時間後の便で関西国際空港に向かうスケジュールでしたが、チケット購入後にその便が欠航に。その結果、翌日のニノイ・アキノ国際空港発8時10分の、フィリピン・エアアジア Z2188便となったわけです。

予約した便が早々に欠航となり、スケジュールが変更になりました

 航空会社都合の変更なので、特にフライト変更の出費はありませんが、さすがに20時間もあるので宿に泊まりたいところ。幸い以前フィリピン取材をしたときに、ジャンケン大会のイベントでマニラのホテル1泊宿泊券をゲットしていたので、それをありがたく使わせていただくことに。

宿泊した「The B Hotel Alabang」は、ニノイ・アキノ国際空港からクルマで30分ほどの立地

無料宿泊券をありがたく使わせていただきました!

 もし無料宿泊券がなかったら、5万円の予算に収めるため空港のベンチで眠るか、近くの激安ドミトリー(風呂トイレ共同、8人部屋)も考えていたのでラッキーです。

●日本行きの座席ガチャ、果たして地獄の席か極楽の席か

 ホテルでしっかりとカラダを休めたあと、ふたたびニノイ・アキノ国際空港へ移動。ニノイ・アキノ国際空港→関西国際空港のフィリピン・エアアジア Z2188便も座席指定はせずに賭けに出ます。

ニノイ・アキノ国際空港ターミナル3のフィリピン・エアアジアチェックインカウンター

 するとチェックインカウンターでアサインされたのは窓側。しかも非常口席で足下も広い席です。さらに搭乗してみると、隣どころから通路側も搭乗者はおらず、ひとりで3席が使える状態に。これはラッキーです。これがあるから、LCCでは座席指定せずに「座席ガチャ」にチャレンジしたくなっちゃうんですよ。1レグ目みたいに、完全にハズレを引くこともありますが……それも旅の醍醐味だと思って楽しんでます。

マニラから関空までに搭乗した機材(飛行機)

やった! 課金してないのに、足下の広い非常口座席に案内されました

シートポケットに荷物を入れても、まだヒザ回りに余裕がある

3席使えてめっちゃご機嫌の筆者です

 Z2188便は約4時間のフライトで、13時15分に関西国際空港に到着。移動と宿泊の予算5万円以内で、無事、ドバイ旅行ができました!

 こういったバーゲン価格のチケットは、こまめにチェックしていると出てくるので、高いからと諦めず、唯一無二の海外旅行を計画して楽しんでみてください!

■移動予算5万円(日本から往復のフライト+宿代)
 飛行機代(中国東方航空:中部国際空港→上海浦東空港→ドバイ国際空港):2万1320円
 宿代(ドミトリー2泊):2960円
 飛行機代(セブパシフィック航空:ドバイ国際空港→ニノイ・アキノ国際空港/フィリピン・エアアジア:ニノイ・アキノ国際空港→関西国際空港):2万3910円
 残金:4万8190円

※そのほか滞在費など(予算に含めず)
 ハンバーガーほか:2063円
 水(大):160円
 Grab(クルマ):1783円
 カップ麺・惣菜・ビール×2:1619円
 Grab(クルマ):1924円
 水・スナック:652円
 前回まで:1万6950円
 合計:2万5151円

この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

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