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今回はECサイト用のバーチャルアシスタント パワーアップしたお題に8社が挑む!

RAG、マルチモーダル、AIエージェント AI Challenge Dayで生成AIの高みを目指せ

2024年12月20日 09時00分更新

さて、ハイレベルだった戦いの勝者は? 

 いよいよ審査の発表。1つ目のアスキー賞は2回目の参加となったリコージャパンが獲得した。ASCIIの大谷は「前回できなかったと言っていたCopilot連携やPower BIの連携まで実現し、ユーザーインターフェイスとしてすばらしかった。チャレンジする若手のチームと言うことで、アスキー賞をお渡ししたい」とコメントした。

アスキー賞はリコージャパンが獲得

 2つ目のアスキー賞はJBCCが受賞した。花ケ﨑氏は、「フロントでさまざまなチャネルに対応させ、いろいろなユーザーが使えるようにしたのが面白かった。ツールを8つに分割して、Structured Outputをかなり対応し、精度を高めて実行させる。技術的にエラーが出ないように工夫をしていた点が取り組みとしてがんばっていただいたんだと思いました。さらなる挑戦を期待しています」と講評した。

同じくアスキー賞にJBCCが選ばれた

 準グランプリはSkyとなった。森戸氏は、「生成AIの開発がどのように変わっていくのかをSkyさんは体現している。メンバーが生成AIであるという点も斬新だし、マエストロやショッピングメイトなど開発コンセプトもよかった。なにより疲れていそうだけど、楽しそうだった。楽しく提案しないと、お客様にも伝わりにくい。次世代の開発スタイルをイメージしていた点を評価しました」と語る。

準グランプリはSkyと森戸氏

 そしてグランプリは、システムサポートが受賞した。内藤氏は、「おめでとうございます。今回レベルが高くて、審査員の中でいろいろな話があったが、まずRAGの精度が高かったこと、Well-Architected Frameworkに準拠してもらったのは、マイクロソフトとして評価が高かった。カスタマーストーリーも優れており、次世代のECサイトの姿を描いていた。どの内容もレベルが高く、今回グランプリにさせてもらった」とコメントした。

グランプリはシステムサポートがゲット!

 最後、イベントを締める挨拶に立った内藤氏は、「これまでの反省から、今回は1週間にしたが、やはりご負担をかけてしまってすいません。今回はレベルが高かったが、発表のレベルも高くて、大変びっくりしている。業務の時間を割いてやってもらって感謝しているし、日本の生成AIもここまで来たかと感慨深い。若い方もいっぱい来てもらったので、これからの日本のAIを支えてくれると思えると思う。今日はゆっくり休んでいただいて、知見を持ち帰ってほしい。本当におつかれさまでした」とコメント。翌週に控えたMicrosoft Igniteの案内をして、イベントは終了した。

日本マイクロソフト 内藤稔氏

恐ろしいスピードで進化する生成AI そんな中、あえて「手を動かす尊さ」とは?

 3回目となった今回も、非常に濃い内容だった。完走できなかったチーム、2度目の出場で爪痕を残したチーム、短時間でハイレベルの成果物を実装したチームなど、さまざまだったが、共通しているのはやはりチャレンジ。普段の業務ではなかなか利用できない技術やツールを積極的に試し、成果物に結びつけ、他社と競った経験は、参加者の自信につながったはずだ。

 もう1つ感じたのは、現地でも私がコメントした「自ら手を動かす尊さ」だ。現在、生成AIのテクノロジーは恐ろしいスピードで進化しており、今回試行錯誤した難題も数ヶ月後にサービスで解決されてしまうかもしれない。わざわざ手を動かさなくとも、済んでしまう可能性も高いのだ。しかし、将来的にブラックボックスとなってしまうかもしれない技術を、自ら触るのと、画面上でなめるのでは、大きな差があると私は思っている。ロジックを知り、コードを書き、パラメーター調整に試行錯誤した経験は、トラブルシューティングや競争力の高いシステム構築に必ず役立つはず。そんな気づきをエンジニアに与えられていたら、イベント主催側としてこれ以上の喜びはない。



 
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