一方、親はパソコンを「学習の機器」と思っている
スマホを「遊びの機器」と回答した小中学生は長時間利用しがちな傾向
スマホ=遊び、パソコン=学習?
スマホを持つ子が増え、学校では一人一台タブレットを貸与されるようになっている。それでは、親は子どもがスマホやパソコンを利用することに対し、どのように考えているのだろうか。NTTドコモ モバイル社会研究所の「2023年親と子の調査」(2023年11月)を見てみよう。
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親は子どものIT機器利用についてどう考えているのか、「学習」「遊び」「人とのつながりを豊かにする」という3つの項目について調査した。その結果、スマホは「遊び」や「人とのつながりを豊かにする」ための機器と考える親が多いのに対し、パソコンは主に「学習」を目的とした機器と考える親が多いことがわかった。
「学習」と「遊び」のどちら寄りと考えているのかについて聞いたところ、スマホは多くの親が「遊び」と考えているのに対し、パソコンは「学習」ととらえている親が多かった。
スマホは学習などにも使えるものの、ゲームやSNS、動画など娯楽に使われることが多い。一方パソコンは、GIGAスクール構想など学習のために使われることが多く、それが印象を左右している可能性もありそうだ。
遊びととらえる子はスマホ利用時間が長い
子どもがスマホを使うことを「遊び」と考えているかどうか、そして子どもと親のスマホ利用時間の平均も調べている。その結果、スマホを遊びだと思っている子どもは、利用時間が長い傾向があった。また、その親のスマホ利用時間も長くなっていた。
同じく、親が子どもがスマホを使うことを「学習」と考えているかどうか、そして子どもと親のスマホの利用時間の平均も調べている。その結果、子どもが「学習」と思っている場合はスマホの利用時間が短くなったが、親のスマホ利用時間は長くなっていた。
スマホを使うことを遊びととらえている場合は、実際に娯楽に使っている可能性が高いと考えられる。その結果、子どもは遊びととらえている場合は長時間利用し、学習ととらえている場合は利用時間が短くなっているのだ。親は遊びでも学習でもどちらでも長く利用するようだ。
子どもがスマホ依存となるのは、スマホを遊びととらえ、娯楽関係のアプリが多く入っていることが影響していそうだ。遊びに使うのが悪いわけではないが、スマホの娯楽以外での活用も教えることで視野が広がるうえ、スマホの利用時間を抑える効果も期待できるかもしれない。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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