あなたもヒヤリ? 国際ワン切り詐欺の手口
ASCII.jpのYouTubeチャンネル特番からスピンアウトした「思わずヒヤッと/ホッとした、ネットにまつわる怖い話」を紹介する連載第44回。「国際電話のワン切りがウザくてヒヤリ、どころかムカッ!」というお話をお届けします。
「+」から始まる番号にヒヤリかつイライラ!
数週間に一度くらいの割合で、自宅の電話に国際電話のワン切りがかかってきます。番号を調べてみるとアメリカ、イギリス、トルコ、そして聞いたことない国も……。ニュースで見たので詐欺だとわかっているのですが、しつこい営業電話のように着信拒否もできず、ひたすらウザいです!
今回のヒヤリ案件は、いわゆる「国際ワン切り詐欺」。投稿者さんのように自宅の電話やスマホに、見慣れない番号から始まる電話がかかってくるのですが、ワンコールするかしないかで切れてしまう、「ワン切り」手法を使った詐欺です。
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もちろんワン切りだけでは詐欺になりません。しかし、着信履歴に残ったその番号に折り返してかけ直してしまうことでまんまと詐欺に引っかかることになります。
多くの場合、その電話番号は「プレミアム課金番号」になっていて、電話をかけた側に通話料金の支払いが発生するとともに、その一部が番号登録者、つまり詐欺師に支払われる契約となっているのです。
見知らぬワン切りにかけ直すと、自動音声ガイダンスで「Webサービス利用に関する未納の料金がある」と言われたり、そもそも理解できない外国語を聞かされたりすることになります。
長ければ長いほど料金が多く発生することになるので、詐欺師は通話を長引かせる算段でそれらの自動音声ガイダンスを作っています。つまり、真面目に対応しているほどに通話は長引きます。
しばらくすると、電話会社から国際電話通話料が請求されますが、そこには詐欺師の懐に入るプレミアム料金が含まれているのです。
そもそも、かけ直したときに「未納料金がある」「口座をロックした」「クレジットカードに不正アクセスがあった」などと言われるのは、「ビッシング」で間違いありません。電話内容を信じてクレジットカード情報や口座情報、暗証番号などを伝えてしまうことで、最終的に金銭を奪われたり、クレジットカードを不正利用されたりしてしまうことになります。
自動音声ガイダンスが外国語ならば、「意味わからん」とすぐに通話を終了するかもしれませんが、なまじ日本語音声だったりすると聞き入ってしまうかもしれません。その結果、料金がかさむとともにビッシングに引っかかってしまう可能性も高まるので迷惑極まりない詐欺と言えるでしょう。
さらに言うなら、ワン切りに応じてしまうことで、自分の電話番号が認識されてしまい、詐欺師に「カモ」とみなされる可能性もあります。結果、何度も詐欺電話がかかってくる事態に陥る可能性もあります。
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