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怪しいお金が暗号資産に流れる理由

暗号資産の利点を悪用する「マネーロンダリング」の現在

2024年12月06日 07時00分更新

資金洗浄の舞台はネット空間へ

暗号資産が流行る理由の1つ……?

Q:「マネーロンダリング」ってなに?

A:詐欺や横領、薬物の取引など、犯罪や不正行為によって得た資金を合法的な収入に見せかけるための手法。

 最近は特に暗号資産を利用した手口が増えている。

 不正に得た資金を、暗号資産取引所で暗号資産に交換してほかの取引所に送金したり、異なる暗号資産にスワップ(交換)したりすることでその資金のトランザクション(取引)と追跡を困難にする手法が存在する。

 また「プライバシーコイン」の別名を持つ一部の暗号資産については、もともと送信先や受取先の詳細を匿名化する特徴があり、さらなるトランザクション履歴の隠蔽を可能とする。

 さらに、複数の暗号資産のトランザクションを混ぜ合わせることで資金保有者の匿名性を高める「ミキシングサービス」が悪用されることもある。

 ほかにも、分散型取引所(DEX)を利用して匿名で取引したり、分散型金融(DeFi)プロトコルを利用することで資金を分散しながら交換したりすることでトランザクションを複雑化する手法もある。場合によっては、高額のNFTを購入・取引することで資金が洗浄されることも。

 このように、暗号資産の大きな特徴である匿名性を悪用したマネーロンダリングが横行しており、不正な取引を規制・監視する対策が求められている。

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