すでにSNSよりVR・AR上でコミュニケーションしている層も
意外! 10代は他世代の5倍もVR・ARを体験済
10代は他世代の5倍もVR・ARを体験している
最新のメタバースの利用実態はどうなっているのか。電通の「イマーシブメディアに関する調査2024」(2024年10月)を見てみよう。
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なおイマーシブメディアとは、没入感を重視した臨場感ある体験を提供する、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)体験などができるメディアのこと。この調査では、3DCG技術を用いたゲーム・メタバース・拡張型広告をイマーシブメディアと定義、海外・国内で主なゲーム型・交流型などの8つのイマーシブメディアについて聞いている。
主なイマーシブメディアサービスの認知度を年代別に聞いたところ、いずれか1つでも知っている人は55.5%と過半数に上った。年代別では10代が約9割(89.8%)と最も高く、年齢が上がるにつれて認知度が低くなった。
続いてイマーシブメディアサービスの利用率について聞いたところ、経験者は全体では20.8%だった。10代(65.3%)は、そのほかの世代(12.6%)のなんと約5倍利用している。AR・VRなどのイマーシブメディアの利用は、10代・20代の若者を中心に広がっているというわけだ。
若者はSNSよりイマーシブメディア上でやり取りか
1サービスあたりの1日の平均利用時間は、イマーシブメディア(59.8分/日)はSNS(46.6分/日)より約13分長かった。若者はSNSの利用時間が長いと言われるが、それよりもイマーシブメディアの利用時間のほうが長いのだ。
上の世代が現実世界の友人知人とSNSやメッセージサービスでコミュニケーションするように、若者世代はイマーシブメディアでのやり取りがメインとなりつつある可能性がある。ゲーム内でのボイスチャットなどが当たり前の世代であり、大人世代とはコミュニケーションの方法が変わってきているというわけだ。
イマーシブメディアの楽しみ方は、上位3つはいずれも現実世界での友人知人と一緒に楽しむことが占めた。「ゲームをするための場として楽しむ」(78.9%)、「チャットや通話をしながら楽しむ」(73.7%)、「同じ場所に集まって一緒に楽しむ」(72.0%)などであり、年代別ではいずれも10代が高かった。
若者世代は、メタバースのような新しいメディアも柔軟に使いこなし、日常にうまく取り入れている。興味がある方は、ぜひこれからでも体験してみてはいかがだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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