今回は、ちょっと毛色が違ったカメラの登場だ。ドローンである。
私がはじめてドローンを買ったのは2010年。「AR.Drone」という、最初のホビードローンといって過言じゃない製品だ。スマホでコントロールできて、カメラも搭載したドローンというのが画期的で、使ってみたかったのである。
その後、ドローンの性能向上と普及に伴って法律も整備され、素人が気軽に遊べるのは機体の登録が不要な100g未満の製品となり、じゃあこれならどうかなと買ったのがRYZEの「Tello」。2018年だ。ちょっとうちの猫で遊んでみた。
そのときのスクリーンショットが出てきたのである。80gという超軽量のトイドローンで、室内で遊ぶのがメインという代物だったが、面白くはあったけど映像を撮るにはちょっと心許なかった。
そして2024年、99gと超小型・軽量ながら、すごく安定して飛ばせて高画質という面白い製品が出たのである。
それが「HOVERAir X1 Smart」だ。これを1台提供していただいたので、さっそく遊んでみたのだけど、手のひらサイズだし、全体がフレームに収まっていて持ち運びしやすいし(プロペラをぶつける心配がない)、多少ぶつけても壊れなくて安全なのがいい。
99gとはいえ、どこででも飛ばせるわけじゃないし、猫を怖がらせてもいけないので、いつもの「保護猫シェルター QUEUE」でほかのお客さんがいないときに許可をいただいて飛ばせてもらったのだ。それが冒頭写真。空中に浮いております。
小さいとはいえ、4つのプロペラがぶんぶん回るので、猫たちが怖がって隠れたり逃げたりするようだったら止めようとこわごわ飛ばしてみると、未知のものに対する怖さと好奇心のせめぎあいって感じで、皆が一斉に注目! こいついったい何だ? って顔でじっと見てる。
そして、そのまま上昇。上昇しながらカメラを下に向ける。ケージの上にいた猫はびっくり。
ちょっとびっくりさせてしまったようだ。すまぬ。
そういうときは、追いかけずにそっと後退させるべし。そうじゃない猫は、逃げずにじーっと見てる。
中には、気になって近寄ってくるヤツも。
やがて、慣れてきたようで、多少近づいても逃げずにじっと観察するようになってきた。さすが猫だ。
そして、着地した途端にこれである。皆それぞれに集まってきた。
そして、くんくんとチェック。
そもそもこのHOVERAir X1 Smartは、AIを使って自動的に人を撮る「自撮り用ドローン」というユニークな製品で、動画は2.7K、静止画は1200万画素で撮れる。画質としては、普及価格のスマホくらいだ。今回は静止画と、動画からの切り出しの両方を使っている。
こうやって猫と遊ぶのは本来の使い方ではないのだけど、昔から超小型のドローンで猫と遊んだら楽しいんじゃなかろうかと思っていたところに、それができそうな製品が登場したので挑戦してみたのだった。
ただまあ、猫によってはストレスになりそうなのでほどほどに。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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