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内閣官房「イチBizアワード」協力協賛企業レポート

日系企業のASEAN・台湾進出を空間情報で支援する商圏分析ツール「N-Deals」

2024年12月23日 10時00分更新

文● ASCII
提供: 株式会社パスコ

この記事は、内閣官房による地理空間情報を活用したビジネスアイデアコンテスト「イチBizアワード」に掲載されている記事の転載です。

ASEAN・台湾への出店を成功に導く
商圏分析ツールを提供

 株式会社パスコは1953年に創業した空間情報の総合企業として、空間情報の収集・解析サービスを提供している。現在は国内に加えてタイ、フィリピン、インドネシアなど海外にも拠点を展開している。

 今回紹介する『N-Deals(エヌ・ディールズ)』は、ASEAN主要国・台湾への出店を進める日系の小売、流通、飲食といった企業に対し、現地の情報をもとにした商圏分析と店舗出店進捗管理が行えるクラウド型の商圏分析ツール。本ツールを用いることで、出店を検討している地域の性年代別人口や経済活動、交通環境などを考慮した商圏分析ができる。

タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム、カンボジア、ラオス(ASEAN主要国)と台湾の出店検討と店舗管理を支援する商圏分析ツール『N-Deals』

 パスコは国内の小売、流通、飲食など多種多様な業態の企業に対して、出店検討や店舗管理を目的として、運転時間や徒歩圏内の人口など様々な情報を集約し分析できる業界トップクラスの商圏分析ツール『MarketPlanner(マーケットプランナー)』シリーズを、これまで累計1500社以上に提供してきた。

国内大手企業など累計1500社以上が利用してきた商圏分析ツール『MarketPlanner』シリーズ

 『N-Deals』は、『MarketPlanner』シリーズのユーザー企業から長らく要望を受けていた背景をもとに、今後成長が見込めるASEAN・台湾地域に対応したサービスだ。

 『N-Deals』を担当する、株式会社パスコ 価値創造本部 クリエーション企画二部 企画課 係長の藤井康平氏は「企業が海外へ出店する際、これまでは出店エリアや出店可否を決めるのに現地スタッフの知見や経験のみに頼らざるを得なかったが、利用できるデータの整備や分析技術の向上によって、海外でも商圏分析可能なツールを提供できるようになった」と語る。

株式会社パスコ 価値創造本部 クリエーション企画二部 企画課 係長の藤井康平氏(画像左)と、経営戦略本部 事業戦略室 主任技師の河野誠忠氏(画像右)に話を伺った

出店検討を効率化する
『N-Deals』ならではの3大メリット

 『N-Deals』の特徴について、藤井氏は「9の国や地域によって利用できるデータの精度や更新頻度は大きく異なるなか、パスコ独自のノウハウにより正確かつ標準化したデータを提供できること」と語る。

 分析には国や地域が提供するデータのほか、衛星写真など外部のデータを組み合わせた分析手法を採用することで1kmメッシュのデータを提供し、更新。成長の早いASEAN各国の都市についても、最新の情報をすぐに活用できる。分析ノウハウを充実させることで、『N-Deals』は商圏分析ツールとして大きな3つのメリットをもつに至った。

パスコのノウハウにより、同じ基準で整備された商圏分析機能とデータを使用し、複数国での分析や比較が実施できる

 1つ目のメリットは、最初から商圏分析に利用できるデータが揃っていること。競合の分析サービスには統計情報などのデータをユーザー側が用意する必要があるなか、『N-Deals』は自社と競合店の店舗情報があれば、即座に商圏分析をスタートできる。

 2つ目のメリットは、『N-Deals』の利用金額内で9の国や地域の商圏分析が可能なうえ、異なる国や地域の間でも同じ基準でデータを整備していること。このため、たとえば「タイのバンコクとベトナムのホーチミンの、どちらに先に出店すべきか」といった比較がスムーズに行える。

 3つ目のメリットは、日本国内向けに提供している『MarketPlanner』シリーズなどの出店・店舗管理支援のノウハウを用いてツールを構築していること。

 海外出店には『N-Deals』を活用することで、日本の関係者との出店進捗などの認識やエリア戦略の共有、海外でのスピーディーな出店、現地スタッフの知見や経験といった暗黙知だけに頼らない、商圏内人口などの数値に基づいた出店基準の策定、出店ノウハウの蓄積が可能になる。藤井氏は「今後は売上予測支援ツールなども展開し、ASEAN主要国や台湾における出店支援のラインアップを広げていきたい」と展望を語る。

 想定するメインユーザー企業は小売業、流通業、飲食業だが、不動産デベロッパーが展開するショッピングモールの商圏などの魅力アピール、広告の効果測定、交通政策の検討といった、これまでにない活用方法にも期待しているとのこと。

イチBizアワードを通じて
ASEAN地域でのコラボや連携を模索

『N-Deals』はインドネシアの子会社で開発を行っている。パスコは国内外を問わない企業や人材を活用した、多様性に基づく新たな価値の共創を進めている。

 内閣官房は地理空間情報を活用したビジネスアイデアコンテスト『イチBizアワード』を開催(募集は終了済)しており、2025年1月29日~31日に東京ビッグサイト南ホールで開催される『G空間EXPO2025』にて発表・表彰される。

 協力協賛企業として参加する、株式会社パスコ 経営戦略本部 事業戦略室 主任技師の河野誠忠氏は「パスコも海外拠点でのデータ解析業務や『N-Deals』などインドネシアの子会社と連携して提供を行っている。ASEAN地域の事業やスタートアップとのコラボや連携にも関心があるので、ぜひ接点を得る機会として活用していきたい」と期待を寄せる。

 地理空間情報の老舗であるパスコの目にかなう、既存分野にとらわれない斬新なアイデアが登場するのかに注目したい。

(提供:株式会社パスコ)

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