自作の煩雑さやトラブルシューティングの手法は軽減!MSI「MAG Z890 TOMAHAWK WIFI」
光らない!ドラゴンなし! Core Ultra 200S世代の硬派なゲーミングPC向けZ890マザーボードは、自作PC初心者にも簡単で分かりやすくておすすめ
8月のRyzen 9000シリーズに続き、IntelからCore Ultra 200Sシリーズがリリースされた。とくにCore Ultra 200SからはソケットがLGA1851に変わり、新チップセット、それを搭載する新マザーボードが続々と登場している。今回はMSIの「MAG Z890 TOMAHAWK WIFI」にフォーカスを当ててみよう。
光らない!ドラゴンなし! Core Ultra世代の硬派なゲーマー向けマザーボード
MAG Z890 TOMAHAWK WIFIは、LGA1851対応、Core Ultra 200Sシリーズ向けのATXマザーボードだ。MAGグレードのターゲットはメインストリームゲーマー。マットブラック塗装されたミリタリーテイストの外観デザインの中に、挿し色のライムイエローがアクセントを効かせている。また、MSIマザーボードのシンボル的なドラゴンエンブレムはない。さらにピカピカLEDイルミネーションも搭載していない。全体的にはハデさを抑えた、しかしゲーミングをイメージさせるマザーボードに仕上がっている。
執筆時点での価格は5万円台前半。一昔前ならハイエンドモデルの価格だが、現在のハイエンドモデルはそれこそ10万円近くするので、そう考えれば5万円台はミドルレンジ、メインストリームと言って差し支えないのかもしれない。とはいえそのミドルレンジ、メインストリームクラス自体のスペックが年々引き上げられている。一昔前より高価にはなっていても、スペックを見ていけば価格相応、価格以上の判断ができるだろう。早速スペック面を見ていきたい。
高性能VRMに4基のM.2。M.2のツールレス機構やx16スロット用リリースボタンも装備
MAG Z890 TOMAHAWK WIFIは90A SPS(Smart Power Stage)、16+1+1+1フェーズの電源回路に3本の拡張スロット、4本のメモリスロット、4基のM.2スロットを備えるマザーボードだ。
16+1+1+1フェーズのVRMは、数的にみれば十分で、たしかにメインストリームクラスがこのあたり。ただ、このあたりが組み合わせるMOSFETの分かれ目になる。定格90Aは、このクラスのマザーボードに用いるものとしてはややゆとりをもったものと言えるだろう。一方、DrMOSを用いるかSPSを用いるかは分かれるところ。定格90AのDrMOSもあるようだが、本製品がSPSを採用したのはひとつ上を目指したからだろう。内蔵センサーによる細やかな制御も可能になる。
VRMの構成を見ると、コントローラーが「MP29005」、MOSFETはメイン16フェーズに「M87692」、残りは「MP87661」で、全面的に米Monolithic Power Systems製で統一されていた。Monolithic Power Systems製チップは昨今目にする機会が多い。アッパーミドル〜メインストリーム向けマザーボードの採用例が増えている印象だ。
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