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高価格にも納得できるサウンド

7万円の高額ワイヤレスイヤホン「B&W Pi8」の音が、泣けるほど良かった

2024年11月28日 11時00分更新

文● 貝塚/ASCII
提供: ディーアンドエムホールディングス

7万円のワイヤレスイヤホン、Pi8が編集部で話題になっていた。写真は手前が「Pi8(ミッドナイト・ブルー)で、奥の左側がPi8(アンスラサイト・ブラック)、右側がPi6(ストーム・グレー)

7万円のワイヤレスイヤホンが編集部で話題に

 最近、物価が上がっていて「○○を買おうと思ったら、以前より○○円くらい高くなっていて驚いた」という会話をよく耳にしている気がします。オーディオも、ここ数年で割と値上がりしています。元々、高価な製品が多いジャンルではありますけどね。

 さておき、最近「7万円くらいするイヤホンがある」と、編集部で話題になりました。すごいワイヤレスイヤホンらしいです。どう思われますか? 物価が高くて困る、みたいな話をしている人が多い時代に、なんと7万円です。

 「まー、お金持ちの人が買うんでしょうね」と、思う人もけっこう多いかもしれませんが、アスキーの読者はもしかすると、こんな風に思うかもしれません。

へえ! イヤホンとしてはまあまあ高いんじゃないかな! で、どんな音がするのかな!
7万円? 俺のイヤホンも6万円しますけど?

  その7万円のイヤホンというのが、B&Wの「Pi8」です。

Bowers & Wilkinsとは、どのようなブランドか

 B&W(Bowers & Wilkins)というブランド、最近では量販店などでコーナーができていることもあるので、ご存じの方も多いかもしれません。設立は1966年(前身となるB&W Electronics)。イギリスの高級オーディオメーカーです。

 ブランドとしては、オーディオの最大のテーマのひとつである原音再生を追求しており、先進的な技術や構造を積極的に取り入れている点や、品質に由来する実用的なディティールを、ヨーロッパらしい上品なデザインに落とし込んでいる点などが挙げられると思います。

B&WとAbbey Road Studiosの関係は、80年代に始まった(Bowers & Wilkins公式サイトより)

 The BeatlesがレコーディングしていたAbbey Road Studiosに納入があり、パートナーシップを結んでいることでも知られていて、どちらかというと、プロ機材としても評価される先進的なテクノロジーを持つメーカーとして、ハイエンド指向のユーザーからの人気を集めてきたブランドです。

現在も、ハイエンドモデル「800 Series Diamond」が使用されている(Bowers & Wilkins公式サイトより)

 ですが、ここ10年ほどはポータブルオーディオにもかなり力を入れていて、“持ち運べるB&Wサウンド”の虜になる新規ファンも増加傾向にあります。とある世界的な著名人が、首元にかけている様子を写真に撮られていたこともあります。

 B&Wというブランドの解説はこのあたりで十分でしょうか。この記事で紹介する「Pi8」は、そんな高級オーディオメーカーの哲学が詰まった最新ワイヤレスイヤホンです。

理由のある7万円だから、ただ高いわけじゃない!

 それでは、ここから製品自体の紹介をしたいと思いますが、その前に、しばらく試聴させてもらった感想を手短に述べます。

 これは、一度聴くと手放せなくなる音です。極めてクリアで、ソースがそのまま正確に再現された音をワイヤレスで実現できていることに、本気で驚愕しました。

Pi8。価格にも納得できる素晴らしいサウンドだ

 空がどんより曇っていても快晴の青空の下にいるような気分になる音です。なぜなら耳元で音が澄み切っていて、晴れ渡っているから。あるいは、イヤホンのドライバーと有毛細胞のあいだに、音の伝搬を邪魔する要素がひとつもなく、脳に音が直接入ってくるかのように澄んでいる音です。

 いつもならここで帯域のバランスや音場の具合に触れるのですが、帯域のバランスや音場の具合は完璧で、言うべきことは何もありません。聴くと、間違いなくこのように感じるはずです。「この曲、こんな音が入っていたんだな」と。

 そのままスマートフォンやPCと接続しても十分にハイエンドなサウンドが楽しめるPi8ですが、さすが高級機で、ワイヤレスで最高の音を実現させるための工夫がいくつか盛り込まれています。

 そのうちのひとつがスマート充電ケースです。このスマート充電ケースはイヤホンを充電するケースであると同時に、オーディオの再送信機能がついていて、Pi8を任意のソースに接続することができます。

 どういうことかというと、USBデジタルかアナログ(3.5mmミニジャック)経由でスマート充電ケースにオーディオを入力すると、Pi8にaptX Adaptive(96kHz/24bit)規格で送信するトランスミッターとしても機能するのです。

スマート充電ケースを使ったオーディオ再送信のイメージ

 もちろん、USB Type-C経由のオーディオ出力に対応するiPhoneやAndroidスマートフォンでも、この機能は使用できます。

 つまりは、Pi8を持ち歩いていれば、手持ちのプレーヤーや飛行機の出力端子、外出先のオーディオ機器やスマートデバイスなどから、aptX Adaptive(96kHz/24bit)品質で送信されたオーディオを楽しめるということになりますね。

 具体的な使用シーンを考えてみると、例えば飛行機のオーディオは3.5mmジャックの有線端子を持つイヤホンやヘッドホンしか接続できないことが多いですが、Pi8なら、いつでもお気に入りのPi8サウンドをBluetoothで楽しめます。

 オーディオの再送信機能を使う場合、ケーブルを別のデバイスに差し換えることでソースを切り替えられます。フライト中も機内オーディオ、スマートフォン、ゲーム機など複数のデバイスを自由自在に切り替えて、出力は常にPi8の音、という理想的な環境が実現できますね。

 Androidスマートフォンにおいては、近づけるだけでスマートフォン側にペアリング用のUIがポップアップして、簡単に接続できる「Google Fast Pair」にも対応しています。

 オーディオの再送信機能の採用によって、使用シーンが格段に拡がっていると思います。高級ワイヤレスイヤホンと、aptX Adaptive規格に対応するトランスミッターがセットになっていると考えると、7万円という価格の意味合いも変わってくるのではないでしょうか。

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