NVIDIAジェンスンCEO、経営スタイルは変えない
NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが、11月12〜13日開催の「NVIDIA AI Summit Japan 2024」で、記者向けに質疑応答のセッションを実施した。
近年、世界的にAI技術やゲーム、さらには仮想現実、自動運転技術など、高い計算能力が求められる分野は急激な成長を遂げている。
それに伴ってGPUの需要も急増していることから、同社への注目度は増すばかりだ。
実際、同社の社員数はこの7年で、およそ1万人からおよそ3万人へと、急増している。だが、ジェンスン・フアンCEOは「経営スタイルは一貫して変わっていない」と話す。彼がそう語る理由とは?
会議は全員で。CEOオフィスは持たない。目的は知識、経験、判断の共有
「私の経営スタイルは、一貫して変わっていません。(社内で)1対1のミーティングは行ないません。その理由は、特定の人だけに伝えるべき情報がないからなのです。
問題解決や戦略を考える機会は、皆の前で開くようにし、全員が学べるようにしています。失敗があった場合でも、関係者全員が学べるように共有します。知識や経験、判断力を全体に伝えるためであり、次世代のリーダーを育てるためです。
組織構造については、情報の損失を最小化するために階層を減らして、フラットにしています。トップ層は大きく、その下の階層を減らすことで情報伝達の効率を高めています。私のマネジメントチームには60人から、直接の報告があります。皆がプロフェッショナルで、指導を必要としません。
CEO専用のオフィスは設けず、共有の会議室で仕事をします。孤立を防ぎ、日々の問題解決をチームとともに行うことで、知識や経験を共有するためです」(ジェンスン・フアンCEO/質疑応答セッションより)
「情報の損失を最小化する」という言い回しに現れている通り、ジェンスン・フアンCEOは、知識、経験、判断力といった認知的なリソースが漏れなくチーム全体に伝わる構造にこだわっている。60人ものメンバーが彼のチームに直接つながっているという点は、さすが並列的な演算に秀でたGPUを作る企業と言うべきか。
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