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アップル、空間ビデオ編集機能が加わった「Final Cut Pro 11」をリリース

2024年11月15日 18時30分更新

 Appleはアメリカで動画編集ソフトウェア「Final Cut Pro 11」を発表。新しく、Apple Vision Proで再生可能な空間ビデオの編集に対応した。Apple Vision Proに直接インポート、編集、配信する機能が加わったのが最大の特徴。

 また、iPad版やFinal Cut Camera、Logic Proといったアプリもアップデートされた。

 Final Cut Pro 11では、「Magnetic Mask」と「Transcribe to Captions」というAI搭載ツールが活用できるようになった。Magnetic Maskでは、グリーンスクリーンやロトスコープを使うことなく、人物やオブジェクトを簡単に分離できる。AIによる強力で正確な自動分析により、背景や環境をカスタマイズする柔軟性が高まるという。また、Magnetic Maskを色補正やビデオエフェクトと組み合わせることもできる。

 Transcribe to Captionsはは、Appleがトレーニングした音声を書き起こす大規模言語モデルを利用して、タイムラインでクローズドキャプションを自動的に生成できる。この2つがアップルのニューラルエンジンによって実現する既存のAI機能に加わる。

 そして、前述のとおりApple Vision Pro向けの空間ビデオ編集に対応した。映像をインポートしてエフェクトを追加したり、色補正をしたり、タイトルでプロジェクトを強化したり、タイトルと撮影した映像の奥行き位置を編集プロセス中に調整といったことが可能に。空間ビデオクリップは、Apple Vision Proで直接撮影するか、iPhone 15 Pro、iPhone 16、iPhone 16 Pro、Canonの新しい「RF-S7.8mm F4 STM DUALレンズ」と「EOS R7」を組み合わせて撮影できる。

 そのほか、Macディスプレイで左目と右目の角度をプレビューするための、さまざまな表示モードを選択でき、またMac Virtual Display 8を使用すると、編集内容をApple Vision Proに取り込んで、巨大でプライベートなポータブルディスプレイを作成可能。

 今年後半には、Mac Virtual Displayを新しいパノラマサイズに拡張して、5Kモニターに2台ぶんに相当する、巨大な32:9の超ワイド曲面ディスプレイを作成できるようになる。空間ビデオは写真ライブラリーに直接エクスポートしたり、Vision Proで表示したり、ネイティブのvisionOS Vimeoアプリにアップロードして他人と共有もできる。

iPad版も進化! カラーバランスなど調整できる
「Final Cut Pro for iPad 2.1」

 Final Cut Pro for iPad 2.1では、タッチファーストの編集体験に人気の機能が追加された。Appleシリコンを搭載した「Enhance Light and Color」は、ビデオや静止画の色、カラーバランス、コントラスト、明るさを簡単な手順で調整できる。Apple Pencil ProとMagic Keyboardの触覚フィードバックにより、クリップのトリミング、メディアの移動、タイムラインのナビゲート、スナップポイントへのビューアクリップのサイズ変更をするときに、軽い振動を感じるようになる。

 そのほか、タイムラインでクリップの高さを拡大または最小化できる新しい垂直ピンチジェスチャ、ピクチャーインピクチャーモードでビューアーのサイズと位置を動的に調整する機能、iPhone 16 Proでの90 fps、100 fps、120fpsでの録画に対応するタイムラインサポートなどがある。

 iPadのライブ描画機能の新しいインクにより、新しい水彩、クレヨン、万年筆、モノラインペンのオプションを使って、ビデオにさらに多くのアニメーションを追加できる。

 コンテンツライブラリーでは、新しいモジュール式トランジション、カラーグレーディングプリセット、ダイナミックサウンドトラックで拡張され、ピクチャーインピクチャーや吹き出し効果で、ビジュアルを簡単にハイライトしたりオーバーレイしたりする機能も追加された。

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