「黒神話:悟空」でDLSSの効果を見てみよう
先ほどは負荷が軽すぎてふるわなかったDLSSだが、より重たいベンチマークとして「黒神話:悟空 ベンチマークツール」(以下、黒神話ベンチマーク)も試してみた。これはアクションRPGの「黒神話:悟空」用のベンチマークソフトだ。細かく画質設定などが変更でき、その効果を画面で確認できるものだ。
まずは重たくなるよう、解像度を4Kに変更。また、グラフィック設定は「最高」とし、フルレイトレーシングを「ON、超高」、DLSSはサンプリング解像度を「100」にして試してみた。
かなり重たい設定ということもあり、平均フレームレートは26fps。95パーセンタイルでは22fpsとさらに低く、快適にプレイするのは厳しいだろう。では、DLSSのサンプリング解像度を下げるとどうなるだろうか。「80」にした場合の結果がこれだ。
平均フレームレートが45fps、95パーセンタイルで40fpsと大きく上がった。シーンによって多少ガタツキを感じる可能性はあるものの、十分プレイできる範囲と言える。しかし、快適に遊びたければ60fps以上を目指したい。なので、さらにサンプリング解像度を下げ、「50」にしてみた。
平均フレームレートは66fps、95パーセンタイルでも58fpsとほぼ60fpsを達成。ここまで落とせば、4Kでも不満なく遊べるレベルとなる。DLSSの効果は高いが、シーンによっては細部のディテールが落ちてしまう可能性もある。画質にこだわるのであれば、DLSSばかりに頼るのではなく、画質設定や解像度まで見直し、納得できる設定を見つけてほしい。
PCIe 5.0対応の超高速SSDまで選択できる
動画編集など、多くのファイルに頻繁にアクセスする用途が多ければ、ストレージの速度も重要なポイントだ。G-Master Spear Z890では、コストパフォーマンスに優れたPCIe 4.0対応SSDだけではなく、さらに高速なPCIe 5.0対応SSDも選択できる。試用機はCrucialのPCIe 5.0対応SSD「T700」(1TB)を搭載していた。定番のストレージベンチマークソフト「CrystalDiskMark 8.0.5」を用い、その実力を調べてみた。
シーケンシャルのリードもライトも10000MB/sオーバーという超高速度をたたき出した。PCIe 4.0対応SSDだと速いものでもシーケンシャルリードで8000MB/sくらいなので、いかにT700が高速なのかがわかりやすい。最強のPCを目指したいというのであれば、SSDの速度にもこだわっておきたいところだ。
まとめ:最新の高性能CPUでも空冷で運用できるバランスの良さが光る
新世代CPUということもあり、しっかり性能は向上しているし、発熱も抑えられているということがわかった。とはいえ、それでもPCパーツ構成がいけてないと、空冷の安定運用は難しいもの。そういった意味では、G-Master Spear Z890はサイコムの妥当なPCパーツ選びと絶妙な電力制限設定が光るゲーミングPCと言える。
ただし、Core Ultra 200Sシリーズは「本来の性能」が発揮できるまで、もう少々時を要する。すでにわかっている問題として、一部のゲームが遅くなることや、OSのバージョンによっては性能が発揮できないといったことが報告されている。
この問題をインテルは11月末から12月初旬にかけて、OSやBIOSアップデートで対策するとしている。ゆえに、既知の問題で食指が動かない人も今後の動向に注目してほしい。もちろん、購入後に自分でアップデートしてその性能向上の模様を見守るのもオツなもの。新世代CPU搭載ゲーミングPCの有力候補として、オススメしたい。
なお、サイコムは2024年11月15日から2025年1月20日まで、「サイコム 冬の特大キャンペーン2024」を開催している。G-Master Spear Z890なら標準構成でも今回の試用機構成でも、1万9920円引きとなる。気になっている方は積極的に利用してほしい。
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