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性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍!

2024年11月06日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●北村/ASCII

AI推論処理速度は7800X3Dのおよそ2倍

 最後にUL ProcyonでAIによる推論処理速度(回数)を比較する“AI Computer Vision Benchmark”を使用する。MobileNetやInception、Real-ESRGANといった画像処理系の処理が中心となる。ここで推論エンジンはCPU、精度はFP32を指定。APIはWindows MLを選択した。

UL Procyon:AI Computer Vision Benchmarkのスコアー

UL Procyon:AI Computer Vision Benchmarkのテスト別推論回数その1

UL Procyon:AI Computer Vision Benchmarkのテスト別推論回数その2

 ここでも傾向は変わらない。総合スコアーでも各テストの推論回数においても、Ryzen 7 9800X3Dは7800X3Dに比べ下手をすると2倍のパフォーマンスが期待できる。PCゲーム特化のCPUと思われがちなX3Dシリーズだが、Zen 5世代のX3Dシリーズは一般的な用途でも見劣りせずにつかっていけるCPUに仕上がったといえる。

だが本命はゲームにおけるパフォーマンス

 以上で前編は終了だ。後編は56本ものゲームでフレームレートを検証していくが、予告編がわりに「ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー」公式ベンチマークによるテスト結果を紹介しよう。解像度はフルHDのみ、画質は“標準品質(ノートPC用)”に設定。アップスケーラーはFSRとしたがFPSに連動する動的な調整機能は使用せず、レンダースケールは100%(RS=100%)とした。ベンチマーク終了後に出るスコアーのほかに、レポートで出力されるフレームレートも比較する。

ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマーク:1920×1080ドット時のスコアー

ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマーク:1920×1080ドット時のフレームレート

 これまでパッとしなかったRyzen 7 7800X3DがCore i9-14900Kをも上回るスコアーやフレームレートを出しているが、Ryzen 7 9800X3Dはさらにその上をいく。平均フレームレートも約10%伸びているが、Ryzen 7 9800X3Dの最低フレームレートは既存のCPUよりも2段以上高い位置にあり、よりカクつきの少ない描画が楽しめるだろう。FF14以外のゲームについては、後編で検証結果を紹介するとしよう。おたのしみに。

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