●工具や文具の硬さを測ってみた
せっかく大まかな硬度がわかるのですから、色々試してみましょう。
まずは手元にあった工具、モンキーレンチから。工具の表面がメッキされてる気もしますが、気にせず試してみましょう。
思っていたよりも硬く、HRC 50~55。柔らかいと、力をかけた時に負けて凹んじゃいますからね。
続いて、文具のハサミ。
HRC 55~60。一般的な包丁がHRC 56~58くらいのようなので、ほぼ同じですね。切る対象が不明なので硬くはできず、かといって、気持ちよく切るには硬さが必要となるため、そのバランスをとった硬さがこれなのでしょう。
ちょっと検索してみたところ、理美容ハサミのような単用途でプロ向けのものだと、HRC 60以上もあるみたいです。(参考:ハヤシシザース)
●スマホのガラスフィルムの硬さを測ってみた
実はこの硬度チェックを試したかった理由のひとつに、ガラスの硬さを確認する方法がないかというのがありました。具体的にはスマホのガラスフィルムです。パッケージに「9H」とかあるのを、どこまで信じていいのか気になっていたのです。
この「H」の値は引っかき硬度で、鉛筆法によるもの。その名の通り、BとかFとか3Hとかの鉛筆の芯で引っかき、傷が付くかで硬さを調べる方法です。
専用の硬度試験機とかもあるのですが、もっと手軽にツボサンの硬度チェックで確認できないかな、と思ったわけです。とはいえ、硬度の測定範囲が範囲外だと調べようがありません。
そこで、ガラスのビッカース硬さを探してみたところ、種類によってだいぶ変わりますが、だいたいHV 540~780くらいのようです。HRCだと50~60くらいですから、3段階くらいなら、この硬度チェックでも測れなくもなさそう。
ってことで、先の写真にある3HのPETフィルム、9Hと10Hのガラスフィルムの3種類で試してみたところ、H3のPETフィルムはさすがに柔らかく、HRC 40の赤でも簡単に傷が付きました。
9Hと10Hのガラスフィルムはかなり硬いようで、HCR 65の黒でもツルツル滑って傷が付きません。悔しいので、テスター先端のとがったところでゴリゴリやってみたのですが、やはり傷が付きません。すごいな。
これはもしや、ガラスには傷が付かないのでは?と思い、柔らかそうなフォトフレームに使われていたガラスでテスト。すると、HRC 55の緑では傷が付きませんでしたが、HRC 60の青で傷が付きました。
ガラスへのテスト方法として正しいかはわかりませんが、スマホ用PETフィルムより普通のガラスが硬く、普通のガラスよりスマホ用ガラスフィルムが断然硬い、というのは間違いなさそうです。
なお、人工的に作られた宝石で非常に硬度が高い「合成ルビー」(HV 2000程度)で引っかいてみたところ、10Hでも簡単に傷が付きました。ガラスフィルムは硬いとはいえ、過信してはダメですね。
●硬さを調べるのはかなり楽しい
硬さを調べる用途は限られてしまいますが、軽くこするだけで大まかな硬さがわかるという点で、ツボサンの「硬度チェック」(MA00600)は便利。
価格も手が出せる範囲なので、とくに金属の硬さを調べたい場合に頼りになるでしょう。
●お気に入りポイント●
・こするだけで大まかな硬さがわかる
・6本セットで測れる範囲が広め
・先が曲がっていて使いやすい
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