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硬度計は高いからツボサンの硬度チェックを使おう

材料の"硬さ"を手軽に調べられるツールがあるって知ってた?

2024年11月04日 18時00分更新

●工具や文具の硬さを測ってみた

 せっかく大まかな硬度がわかるのですから、色々試してみましょう。

 まずは手元にあった工具、モンキーレンチから。工具の表面がメッキされてる気もしますが、気にせず試してみましょう。

黄緑で傷つかず、緑で傷ついたので、HRC 50~55の間

 思っていたよりも硬く、HRC 50~55。柔らかいと、力をかけた時に負けて凹んじゃいますからね。

 続いて、文具のハサミ

緑で傷つかず、青で傷ついたので、HRC 55~60の間

 HRC 55~60。一般的な包丁がHRC 56~58くらいのようなので、ほぼ同じですね。切る対象が不明なので硬くはできず、かといって、気持ちよく切るには硬さが必要となるため、そのバランスをとった硬さがこれなのでしょう。

 ちょっと検索してみたところ、理美容ハサミのような単用途でプロ向けのものだと、HRC 60以上もあるみたいです。(参考:ハヤシシザース

●スマホのガラスフィルムの硬さを測ってみた

 実はこの硬度チェックを試したかった理由のひとつに、ガラスの硬さを確認する方法がないかというのがありました。具体的にはスマホのガラスフィルムです。パッケージに「9H」とかあるのを、どこまで信じていいのか気になっていたのです。

よく売られてるスマホのフィルム。硬さがHで表記されてます

 この「H」の値は引っかき硬度で、鉛筆法によるもの。その名の通り、BとかFとか3Hとかの鉛筆の芯で引っかき、傷が付くかで硬さを調べる方法です。

 専用の硬度試験機とかもあるのですが、もっと手軽にツボサンの硬度チェックで確認できないかな、と思ったわけです。とはいえ、硬度の測定範囲が範囲外だと調べようがありません。

 そこで、ガラスのビッカース硬さを探してみたところ、種類によってだいぶ変わりますが、だいたいHV 540~780くらいのようです。HRCだと50~60くらいですから、3段階くらいなら、この硬度チェックでも測れなくもなさそう。

 ってことで、先の写真にある3HのPETフィルム、9Hと10Hのガラスフィルムの3種類で試してみたところ、H3のPETフィルムはさすがに柔らかく、HRC 40の赤でも簡単に傷が付きました。

 9Hと10Hのガラスフィルムはかなり硬いようで、HCR 65の黒でもツルツル滑って傷が付きません。悔しいので、テスター先端のとがったところでゴリゴリやってみたのですが、やはり傷が付きません。すごいな。

先端でゴリゴリ擦っても、傷が付きませんでした。すごい!

 これはもしや、ガラスには傷が付かないのでは?と思い、柔らかそうなフォトフレームに使われていたガラスでテスト。すると、HRC 55の緑では傷が付きませんでしたが、HRC 60の青で傷が付きました。

硬度不明、フォトフレームのガラス

 ガラスへのテスト方法として正しいかはわかりませんが、スマホ用PETフィルムより普通のガラスが硬く、普通のガラスよりスマホ用ガラスフィルムが断然硬い、というのは間違いなさそうです。

 なお、人工的に作られた宝石で非常に硬度が高い「合成ルビー」(HV 2000程度)で引っかいてみたところ、10Hでも簡単に傷が付きました。ガラスフィルムは硬いとはいえ、過信してはダメですね。

●硬さを調べるのはかなり楽しい

 硬さを調べる用途は限られてしまいますが、軽くこするだけで大まかな硬さがわかるという点で、ツボサンの「硬度チェック」(MA00600)は便利。

 価格も手が出せる範囲なので、とくに金属の硬さを調べたい場合に頼りになるでしょう。

●お気に入りポイント●

・こするだけで大まかな硬さがわかる

・6本セットで測れる範囲が広め

・先が曲がっていて使いやすい

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この記事を書いた人──宮里圭介

 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。

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