定番ベンチマークで実力チェック
リードが約40%、ライトが約54%の性能アップ
990 EVO Plusが実際どのくらいの速度となるのか、実機で試してみよう。ハイエンドモデルではないため、既存PCの容量不足を補う増設用途を想定し、ミニPCに挿して使ってみた。
このミニPCのスペックは、Core i5-1340P、メモリー16GB、SSD 1TBというもの。ここに、2TBモデルの990 EVO Plusを増設。比較対象として、前モデルとなる990 EVO(2TB)も用意している。
速度比較には、定番ベンチマークとなる「CrystalDiskMark 8.0.5」を使用。設定は「NVMe SSD」モードで、テストサイズは「1GiB」、テスト回数は「5回」とした。さっそく結果を見てみよう。
シーケンシャル速度を見てみると、990 EVOがリード約5084MB/s、ライト約3757MB/sであったのに対し、990 EVO Plusはリード約7090MB/s、ライト約5720MB/sと大きく性能を伸ばしていることが確認できた。性能比で見ると、リードが約40%、ライトが約52%の性能アップだ。
公称のリード最大7250MB/s、ライト最大6300MB/sまでは届いていないとはいえ、それに迫る性能となっているのは間違いない。
また、ランダムもシーケンシャルほどではないが、速度が伸びている。体感速度ではシーケンシャル以上にランダムの影響が強くなるため、これはうれしいポイントといえるだろう。
ただし、気になる部分もある。それは、連続してシーケンシャルテストを実行すると、SSDの温度がかなり上昇してしまう……という点だ。CrystalDiskMarkのデフォルト設定で、間髪入れずに3連続シーケンシャルテストを実行すると、温度が76度にまで到達してしまっていた。
とはいえ、速度への影響はないようで、ベンチマークのシーケンシャル速度は変わっていなかった。
実は、この熱問題は前モデルの990 EVOからあるもので、こちらも3連続シーケンシャルテストを実行すると、温度は76度になってしまう。しかも、シーケンシャルリードが約4202MB/sにまで落ちてしまうため、性能面でも不利になっていた。
990 EVO Plusは速度性能が大幅にアップしているにも関わらず、温度は同じ。しかも速度低下が起こらないため、電力効率が大きく改善されているというのは間違いないだろう。
もうひとつのベンチマークテストとして、「PCMark 10」の「DATA DRIVE BENCHMARK」も試してみたので、この結果を掲載しておこう。
結果は、前モデルの990 EVOのスコアが6511(970.5MB/s)に対し、990 EVO Plusは7288(1046.3MB/s)。より実環境に近いベンチマークテストでも、明らかに性能差がわかる結果となっていた。
なお、別のマシン構成でも検証してみた。Core i9-13900K、ASUS製マザーボードZ790 HERO、メモリー64GBで構成した自作PCに、1TBモデルの990 EVO Plusを増設している。
シーケンシャルリードは、やや公称値から下がる(1TBモデルは7150MB/s、2TBと4TBは7250MB/s)、シーケンシャルライトはしっかり公称値の6300MB/sが出ていた。異なる環境では、これぐらいのパフォーマンスを発揮できることがわかった。
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