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Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証

2024年10月26日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

「Core Ultra 200Sシリーズ」のゲーミング性能を検証

 2024年10月25日0時より販売が解禁されたインテル「Core Ultra 200Sシリーズ」。TSMC製造によるタイルを組み合わせた新しい構造のCPU設計、PコアからSMT(Hyper-Threading)の排除、AI処理に特化したNPU搭載など、インテルが長年堅守してきたものを捨てつつも新要素を採り入れ、心機一転スタートと言うべき新CPUである。

 Core Ultra 200Sシリーズのファーストレビュー(https://ascii.jp/elem/000/004/230/4230516/)では、すでに「CINEBENCH 2024」をはじめとして消費電力やOffice/Adobe系アプリでの性能、(NPUを利用しない)AI処理における検証を実施した。

 今回投入されたフラッグシップ「Core Ultra 9 285K」は歴代最速のシングルスレッド性能を叩き出しつつ、論理コア数で上回るCore i9-14900Kよりマルチスレッド性能で上回り、消費電力も50W程度下げるなど、印象的な結果を残した。しかし、Core Ultra 200Sシリーズは常に強いというわけではなく、アプリによってはライバルのRyzen 9000シリーズどころか前世代の同格モデルにも負けるシーンも観測された。

 そこで本稿では、前回触れることのできなかったゲームにおけるパフォーマンスを検証する。インテルはCore Ultra 200Sシリーズを“低発熱でより効率のよいゲーミングCPU”と定義しているが、実際のところはどうなのだろうか?

インテルのプレス向けブリーフィング資料には、低発熱でより効率のよいゲーミングCPUと大見出しが踊っている。「最高のマルチスレッド性能」という記述は前回確認できているので、今回はこの大テーマについて斬り込んでみたい

検証環境は?

 今回の検証環境は前回のものとまったく同じだ。Core Ultra 9 285Kを筆頭にCore Ultra 7 265K、Core Ultra 5 245Kを準備。比較対照としてCoreプロセッサー(第14世代)、Ryzen 9000シリーズ、さらにゲームキングであるRyzen 7000X3Dシリーズの同格モデルを準備した。

 また、前回同様Core Ultra 200Sシリーズ環境のみ、条件が微妙に異なる点は予めお詫びしたい。具体的にはCore Ultra 200Sシリーズ環境のみメモリーモジュールがDDR5-6400対応のものを使っていることと、OSの電源プランが「高パフォーマンス」に設定されているという点だ。Core Ultra 200Sシリーズがキチンと動いているか検証するにあたり高パフォーマンスモードでの確認が必要、かつ“バランス”でないとパフォーマンスが想定外に落ち込むというインテルの報告を受けたためである。

 また、Thread Directorで適切なスケジューリングができない一部ゲームに対し、ソフトウェア的介入で解決する「Intel APO」はZ890マザーボードでは基本的に有効になっているが、筆者の確認不足で有効化していないと前回解説した。この件について少し調査したところ、筆者が使用したASUS製マザーボードと検証用BIOSでは、APOの動作に必要なDTT(Dynamic Tuning Technology)設定すらない、という事がわかった。

 APOの設定アプリでも有効にならないため、DTTそのものの存在が(一時的だとは思うが)消えている環境でテストしていた。しかしながらAPOが効くゲームは古めのタイトルが主で数も多くないため、筆者の検証にはインパクトは小さいだろう。

今回の検証に使用したマザーボードでは、本来DTTの設定があるはずのメニュー(Thermal Configuration)内にDTTの項目そのものが存在していない

Microsoft Store経由で入手できるAPOのオン・オフができるアプリを導入しても、肝心のDTTを有効にできていないため、エラーが出てしまう

インテルが公開しているAPOで恩恵を得られるゲームのリスト。本稿でテストしているゲームは1本も含まれていない。強いていえばFF14が影響を受けそうだが、このリストにあるものは検証したものより1つバージョンが古い“暁月のフィナーレ”だ

 検証にあたり、Secure Boot/Resizable BAR、メモリー整合性やHDRといった設定は一通り有効とした。Core Ultra 200Sシリーズを含むインテル製CPUの電力制限については、どれもマザーボードデフォルトのPerformance Profileを選択、GPUドライバーはGameReady 561.09を使用している。

検証環境:新インテル
CPU インテル Core Ultra 9 285K(24C/24T、最大5.7GHz)
インテル Core Ultra 7 265K(20C/20T、最大5.5GHz)
インテル Core Ultra 5 245K(14C/14T、最大5.2GHz)
CPUクーラー NZXT「Kraken Elite 360」(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「ROG MAXIMUS Z890 EXTREME」
(インテル Z890、BIOS 0805)
メモリー ADATA「AX5U6400C3216G」
(16GB×2、DDR5-6400)
ビデオカード NVIDIA GeForce RTX 4080 Founders Edition
ストレージ Micron「CT2000T700SSD3」
(2TB、NVMe M.2 SSD、PCI Express Gen5)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2)
検証環境:旧インテル
CPU インテル Core i9-14900K(24C/32T、最大6GHz)
インテル Core i7-14700K(20C/28T、最大5.6GHz)
インテル Core i5-14600K(14C/20T、最大5.3GHz)
CPUクーラー NZXT「Kraken Elite 360」(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO
(インテル Z790、BIOS 2703)
メモリー Micron「CP2K16G56C46U5」
(16GB×2、DDR5-5600)
ビデオカード NVIDIA GeForce RTX 4080 Founders Edition
ストレージ Micron「CT2000T700SSD3」
(2TB、NVMe M.2 SSD、PCI Express Gen5)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2)
検証環境:AMD
CPU AMD Ryzen 9 9950X(16C/32T、最大5.7GHz)
AMD Ryzen 9 9900X(12C/24T、最大5.6GHz)
AMD Ryzen 7 9700X(8C/16T、最大5.5GHz)
AMD Ryzen 5 9600X(6C/12T、最大5.4GHz)
AMD Ryzen 9 7950X3D(16C/32T、最大5.7GHz)
AMD Ryzen 9 7900X3D(12C/24T、最大5.6GHz)
AMD Ryzen 7 7800X3D(8C/16T、最大5GHz)
CPUクーラー NZXT「Kraken Elite 360」(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「X870E Taichi」
(AMD X670E、BIOS 3.08)
メモリー Micron「CP2K16G56C46U5」
(16GB×2、DDR5-5200/DDR5-5600)
ビデオカード NVIDIA GeForce RTX 4080 Founders Edition
ストレージ Micron「CT2000T700SSD3」
(2TB、NVMe M.2 SSD、PCI Express Gen5)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2)
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