週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

「サーバーはプールに沈めるのが当たり前」時代も近いか 液冷技術がデータセンターで主流に

2024年10月21日 17時30分更新

NTTコミュニケーションズの液冷サーバー

 エクイニクスのデータセンターに行ってきた(関連記事:エクイニクスのTY15は低遅延も電力密度も液冷も全部入り 安定の横綱相撲だった)。久しぶりの見学会だったので、面白いトピックはいろいろあったが、驚いたのはサーバーを液体で冷却する液冷技術がすっかりメジャーになっていたことだ。

 想像に難くないと思うが、電気機器のある場所に水は御法度である。大量のIT機器を収容するデータセンターであれば、ましてそう。サーバールームの前には、「水分の持ち込みはご遠慮ください」の注意書きが書かれているのが普通だ。しかし、現在ではそのサーバーの冷却にもはや水を使わないと、AIの計算処理で用いられるサーバーはすでに十分に冷却できない。サーバー自体をプールに沈めてしまう「液浸」という技術もあるが、最初にその写真を見たときは、こんなことして大丈夫なのかと、不安になるくらいだった。

 液体は気体に比べて熱伝導率が3000倍も高いと言われている。液冷が当たり前になると、効率の悪い空冷はもはやナンセンスなものに見えてくる。もちろん漏水のリスクもあるし、技術的にも未成熟な部分はあるが、データセンターにとっても省エネと冷却は収益に直結する喫緊の課題。冷却効率は高いが、運用が大変と言われる液浸も、この先ワンチャンあるかもしれない。5年後くらいにはマトリックスのようにサーバーが巨大なプールに並んでいるのが当たり前の風景になるかもしれない。

文:大谷イビサ

ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります