週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

主人公役の藤岡真威人「ヒーローは父の藤岡弘、」、坂本浩一監督「遺伝子を強く受け継いでいる」、宮野真守も出演

明日からのドラマ『ウイングマン』が楽しみすぎる! 原作・総監修は桂正和

2024年10月21日 10時21分更新

文● MOVIEW 清水

現代風にアレンジされたウィングマンが登場

 『ウイングマン』は、特撮ヒーローオタクの広野健太の前に現れた謎の少女アオイが持ってきた、書いたことが現実になる“ドリムノート”に自分が空想したヒーロー“ウイングマン”を描いたことでウイングマンへの変身能力を手に入れるところから物語が始まる。そして健太の元には、ドリムノートを狙う異次元世界から刺客が送り込まれてくる――という物語。

 記者会見では健太が変身するウイングマンがスモークの中から登場。ウイングマンの突然の登場に取材陣からはどよめきが起こった。このウイングマンは、桂さん自ら現代風にデザインし直している。

会場が暗転、そしてスモークの中から登場したウイングマン

リファインされたウイングマンのデザインは従来のデザインを踏襲しつつ現在の技術が投入されている

 そしてウイングマンが退場した後、登壇者が入場して記者会見がスタート。作品や演じたキャラクターへの思い、撮影現場での出来事、作品の魅力などについて登壇者から語られた。

40年の時を経て『ウイングマン』の実写ドラマ化が実現

 漫画「ウイングマン」は桂さんの連載デビュー作で、アニメやゲームといったメディアミックスもされた作品。その実写ドラマ化が発表された際のことを宮野さんはこう振り返る。

宮野真守さん「いやぁ、すごかったです。声優界隈でも話題になっていて、声優の先輩方とのグループチャットがあるのですが、発表時、あの役をやりたいとか、アニメだったら自分がやりたいなど先輩方が大騒ぎしていました。そこで僕が後々、何々を演じますと言ったら話題騒然でした。そのくらいウイングマンというものは、当時の男の子たちの夢の象徴だったんですね」

声優界隈でも大きな話題となっていたという宮野真守さん

 実写ドラマ化について、連載当時の自分だったらたぶん号泣していたと思うという桂さん、そして当時中学生でリアルタイムで読んでいたという坂本監督はドラマ化についての印象を、そしてキャスト陣からは本作へ出演することが決まった際の気持ちなどが語られた。

桂正和さん「実写ドラマ化の話をいただきうれしかったのですが、大切な作品なので、タイミングを待った方がいいかなとも一瞬思ったりはしました。何度かお話しはいただいてはいたのですがスルーはしていたので、今回はじゃあやろうかなと思ったのが、そういうタイミングだったのかなと思います」

坂本浩一監督「ウイングマンの原作が始まった頃、ちょうど中学生でした。今回実写ドラマ化するにあたって、多分僕が1番ワクワクドキドキしたと思います。僕も健太みたいに特撮ヒーローが大好きで、アクションが大好きで、学校でポーズ切ったり、学校でいきなりバク転したりとかしていましたね」

藤岡真威人さん「実写化が発表されて、情報解禁されるたびに、このウイングマンという作品の注目度や、多くの人に愛されているかを実感しました。そのような作品で重要な役どころをいただけて本当に光栄ですし、本気でぶつかろうという思いで撮影に臨みました」

加藤小夏さん「ドラマ『I"s』に続いて桂先生の作品に二度目の出演、その中でものすごく愛されているウイングマンのアオイを演じることができとても幸せに思います」

宮野さん「桂先生の作品にまた出演できること、さらに実写で関われるのが不思議な感じです。普段は声優をしているのですが、坂本監督は僕が主役を演じた特撮作品の監督をされていて、奇妙な縁で繋がっているなと思います。オファーを受けた時に驚きましたが、全力で演じております」

「広野健太を演じる」上で、藤岡さんが大切にしたこと

 続いてキャスト陣から自身が演じたキャラクターとその役作りについての話題に。その中で現場を訪れた桂さんがたくさんの口出しをして「総監修」という肩書きがついたこと、漫画の実写化というテーマにおいて、作品全体をどう調整するかについてコメントした。

藤岡さん「健太を演じる上でいちばん大切にしなければいけないのは、ヒーローに対する憧れや、純粋に特撮ヒーローが好きだという気持ちです。そのせいで周りから変に見られることもあるキャラクターですが、演じる上でどんな時でもブレずにその気持ちを持とうと強く思いました」

主人公・広野健太を演じる藤岡真威人さん

加藤さん「役が決まる前の面接で桂先生から「漫画読んできた?」聞かれたので「もちろん読みました」と答えたら「1回全部忘れてやってくれ」と先生がおっしゃって、「アオイが3次元に来た意味やドリムノートの大切さを意識してアオイを演じてほしい」と言われました。私はその言葉を大切に現場でも過ごさせてもらいました」

宮野さん「僕が演じるのは謎の先生です。今はまだそれしか言えないんですけど、一言で言うなら謎です。謎ということは物語の中でも重要な人物だということです。台本から読み取れる部分でいろいろ試行錯誤して演じましたが、撮影現場に桂先生がいらっしゃったことがあって、その時にお話しできたことが僕の中ですごく大きかったです。ゴールに向かってどのように構築していくかというのを桂先生がいろいろと話してくださいました」

桂さん「頼まれたわけではないのですが、原作者というよりも制作スタッフの1人のつもりで参加して、結局たくさん口出ししてしまい、『総監修』と肩書きをつけられました。作品全体をどう調整しようかなということにすごく頭を使いました。
 宮野さん演じる北倉先生もこういうキャラ立てしたという考えがあったので、本人にはこういうつもりで書いたんだよと伝えられてよかったです。なんか気になることがあって、思いついてしまうと、もうOKだと進行していても、もう全部直してくれと後から口出すという……だいぶ現場で嫌われ者になってるなと(笑)。
 実写と原作がまったく同じにできるかというとそれは無理な話だと思っているので、ある意味、見てる人が原作の匂いを感じながらも、原作の良さをちゃんと伝えるにはどうしたらいいのかなと一生懸命考えました」

原作者・桂正和さん

撮影現場でキャスト同士が話し合いながらブラッシュアップ

 キャストそれぞれの役への取り組み方、撮影現場でのエピソード、キャスト同士で話し合いながら作っていったことなど、実際の現場の様子などについて、キャスト3名がそれぞれ語りました。

藤岡さん「本作に出演することが決まり、今まであまり触れてこなかった特撮作品を見て、ヒーローの所作や、見栄の切り方、技などを自分の中にストックしておきました。健太はヒーローのことばかり考えているから、友達とのたわいもない会話の中でヒーロー好きなんだなとわかる要素が出せたらいいなと思って演じ、撮影の段取りが終わった後にヒーローっぽいことを思いついて、勝手にやって怒られたりとかもしました。わかる人にはわかるものが少し入っているので、実際に映像を見ていただきたいです。わかる人にはきっと届くであろうと信じています」

加藤さん「私は宮野さんとのシーンが全然なくて、1度も同じシーンがないのになぜかご迷惑をおかけしてしまいました。撮影がなくて控え室で待機していたのですが、控え室のすぐ近くの廊下で謎の先生がすごいシーンのお芝居をなさっていて、やっとシーンが終わるぞというタイミングでくしゃみをしてしまい……その説は本当に申し訳ありませんでした」

ポドリムスから少女アオイを演じる加藤小夏さん

宮野さん「真威人くんとのシーンはおもしろかったです。逐一確認しながら、ここどうしようか、ここをこうしたらこういう思いになるかもしれないよね、というような、お芝居について話しながらできたので、シーン的にすごくブラッシュアップできた気がします。勝手にやっているのではなく、お互いにどう感じたかをその場で確認しながらできたのがすごく僕は楽しかったです」。

藤岡さん「2人での芝居だったんですけど、宮野さんの表情筋の芝居がすごすぎて、ピクピクピクとか、もうすべてをコントロールして、感情のせて芝居しているのがすごく伝わってきます」

お芝居について話しながらブラッシュアップできたという宮野さんと藤岡さん

 藤岡さんがもっとも印象に残っているシーンは最終回のとあるシーン。「最終回の話をいましてだいじょうぶ?」という桂さんのつっこみの中、そのシーンの臨場感が伝わるエピソードが披露されます。

藤岡さん「最終回にいちばん大事な戦いのシーンで、僕が這いつくばって前に進もうとする描写があります。その日は天気もすごく恵まれて、地面が熱々のフライパン状態だったんです。普通にやったら本当にやけどしてしまう。でもやらないといけない。なんとか無事にその撮影を乗り越えたのですが、後でマネージャーに「あそこのシーンの寄りの表情、すっごく良かったよ」と言われて、よかったぁと思いました。あれはもう芝居じゃなくて、リアルでやったからそうなったのかなと。その場にいたみんなが厳しい状況の中で、心を1つにして取り組んだシーンなので、すごく素晴らしいシーンになっていると思います。思い出としてもすごく深く刻まれました。このシーン、暑かったんだと思いながら見ていただけたら嬉しいです」

アクション演出には定評のある
坂本監督の『ウイングマン』演出プラン

 特撮ヒーローの物語である『ウイングマン』は、当然のことながらアクションシーンも盛りだくさん。数々の特撮シリーズを監督してきた坂本監督は懐かしさの中に新しさもあり、新しいスタイルができていると感想を述べた。

坂本監督「主人公の健太がヒーローオタクなので、ウイングマンに変身してもそのヒーローオタクは貫くだろうというコンセプトから始めてます。最近ヒーロー番組はわりと斜に構えたり、おしゃれにしたりということがありますが、ウイングマンは堂々とヒーロー行こうという感じで初めからもうそういうプランでした。きちんとウイングマンと名乗ったり、武器の名前を叫んだりとか、懐かしい雰囲気もするし、その中で最新のCG技術、造形技を作ってやってるので、新しさもあったりとかして、本当にいい感じの新しいスタイルができてるかなっていう気はします」

藤岡さん「素の状態だったら少し恥ずかしいような名乗りだったりとか、見栄とか、健太という役を通してたくさん演じさせてもらいました。これまで体験してきたアクションは、どちらかといえば、強いキャラで敵を倒していくようなアクションをやってきましたが、健太はヒーローになれるけど実力が伴ってない。最初はへっぽこヒーローで、序盤はやられることが多くて、台本のトガキを見ても「吹っ飛ばされる」というのばかりでした。でも吹っ飛ばされるいっても飛んでいって終わりなのかなとイメージしたまま現場へ行くと、その吹っ飛ばされるまでの過程がすごくて、その前に蹴られて殴られて、お腹やられて膝に入れられてみたいな、自分の想像を超える量の多さのアクションをやらされました。

そうしたシーンでアクションはこうだとか、カメラマンにいろいろ指示してる時の監督がいちばんイキイキしていて、僕自身もそれが楽しくなりました。本当に自由にアクションをやらさせていただきましたが、振り返ると作品の半分以上、僕は殴られたり吹き飛ばされていたんじゃないかなと思うぐらい、たくさんアクション要素が詰まっていると胸を張って言いたいです」

坂本監督「イキイキとするほど全部楽しかった。真威人くんはいちばん最初、笑う練習をした時からすごいと感じていたのですが、何を言ってもぱっとすぐできちゃうんです。あと、現場のところどころで見せる目力というか存在感。やはりその遺伝子というのはすごく強く受け継いでるんだなと感じましたね」

カメラマンに指示してるときがいちばんイキイキしていたという坂本監督

あなたのヒーローは誰?

 取材陣との質疑応答で飛び出した「ヒーロー的な存在を教えて」という質問。ここは『ウイングマン』を離れた回答が飛び出しますが、それぞれの行動のルーツなどがわかり、非常に興味深い回答が得られる場となった。

藤岡さん「僕の中で一択で、やはり父の存在がもう確固たるものとして、ヒーローといえば父の姿がくっきり浮かび上がるぐらいのヒーローですね。僕にとっても、きっと世界中の人たちにとってもヒーローだなって胸を張って言えます」

加藤さん「私は安室奈美恵さんがすごく好きで、ずっとダンスを習っていて、安室ちゃんの髪型を真似したりだとか、衣装を真似したりしていました。今でも元気がない時とかは安室さんの曲を聴いたり、DVDを見たりとかしています」

宮野さん「僕、ウルトラマンなんです。15周年なんです。僕にとってウルトラマンゼロというのはとても大きな存在です。日本に大きな危機があった時に、エンタメって二の次ということになることがあって、自分では何をしていいのかわからなくなって無力だなと感じることが多ったんですが、そういう時に僕はウルトラマンゼロとしては子供たちに大丈夫だよってメッセージを届けられたんです。ウルトラマンゼロとして声を入れてくださいって言われた時に、ヒーローってこういうことなんだな、みんなが辛い時にそうやって声をかけてあげられるとか、象徴になれるのがヒーローなんだなっていうのを ウルトラマンゼロに教えてもらい、ヒーローの存在っていうのはこの世に必要不可欠なんだと身をもって体感させていただきました」

謎の先生・北倉先生を演じる宮野真守さん

桂さん「『ウイングマン』を描いてるときに、個人的に趣味でプロの業者に頼んでウイングマンの着ぐるみを作ったんです。ある時、母校で、みんなで仮装して町を練り歩くという企画があって、ウイングマンの格好で参加したときに小さな男の子が『ウイングマンだ!』って言ってくれたんです。あの時自分で感動してました。その少年が言ってくれたことによって、子どもたちにヒーローを与えているかも知れない、自分が描いていることは間違ってなかったのかなと思えました。ある意味彼に救われたのかもしれないですね」

メディアからの質問への回答を考える桂さん

坂本監督「僕の中のヒーローはジャッキー・チェンです。子供の頃から特撮ヒーロー番組を見ていて、9歳の頃にジャッキー・チェンの映画が日本で初めて公開されて、それ以来、僕はこの人になりたいと思い、ずっと格闘技や体操やって、スタントマンになって監督になりました。ジャッキー・チェンがやることは全部やろうと思ってきたので。ジャッキー・チェンがスタントマンしたから僕もスタントマンになったし、ジャッキー・チェンが監督やってるから僕も監督になったし。ジャッキーがいなかったら今の僕はなかったって言ってもいいくらいです。そのおかげでこうやっていろんな特撮ヒーローをやることができたと思っています」

最後に視聴者に向けてのメッセージ

 記者会見もいよいよラスト。放送の始まる『ウイングマン』に期待している視聴者に向け、登壇者からそれぞれメッセージが送られた。

藤岡さん「ウイングマンは僕の俳優人生の中でも代表作にと思うぐらい本気でぶつかりました。撮影に入る前も、準備の段階から撮影始まっても、ほんとに毎日毎日へこたれずにがんばろうという思いだけで突っ走って取り組んできました。その撮影の中でも、桂先生をはじめ、監督、共演者、スタッフの皆さんと本当に一丸となって取り組んで、実際、今こうして皆さんの前にお届けできるのもすごく楽しみですし、原作を読んだことがないという方でも、もちろん原作ファンの皆様にも、絶対に届く何かがあると僕は今信じているので、ぜひ楽しみに待っていてくださると、すごくすごく僕は嬉しいです」

加藤さん「個人的には桂先生の作品は人生の大事なポイントです。『I"s』の時は本当に仕事を続けるか迷った時で、実はウイングマンも芸能活動を続けるかというタイミングで、また桂先生の作品がこう巡ってきました。私の女優人生でいつも大切な時に桂先生の作品があるなと思っていますので、個人的には桂先生に感謝の気持ちを伝えたいなと思います。今ここにいないキャストの皆さん、スタッフの皆さんも本当に一丸となって大変な撮影も乗り越えています。先生が脚本にも加わってもらって、みんなの愛がものすごく詰まっている作品になっていますので、ぜひ最後まで見届けてもらえたらなと思います」

宮野さん「ウイングマンがが40年の時を経て、またこうしてたくさんの方に見てもらえるというのは、僕自身も非常にワクワクします。その40年前の少年たちが夢見たものは確かにこの作品には入っていますし、今の少年たちとか、今見る方々にとっても、この令和でやる意味みたいなものがすごい込められていて、人間物語としてもすごく見応えのある作品になっておりますので、それぞれのキャラクター、ストーリーの深いところまで感じてもらえたらなと思っております」

桂さん「最初に皆さんの前にウイングマンが登場しましたが、あの時ちょっと違和感を感じませんでしたか? このドラマは他のヒーロードラマと違って、この現実にああいうやつが現れたら、こんな違和感があるなっていうところを僕は見てもらいたいんです。だから馴染んでてほしくない。なにかそういう世界観の中に変なやつがいる、広野健太という変なやつがいるという感じで際立ってもらえたらすごく嬉しいなと思ってます。だから、その辺を見てもらえたら楽しいんじゃないかなと思います」

坂本監督「桂先生をはじめ、キャストスタッフみんなの愛が詰まった作品になっていて、本当に全話盛りだくさんです。原作のウイングマンにすごく素晴らしいところがたくさんあって、それをこう詰め込んだ形でドラマにしているので全話見どころばかりです。しっかりと全話見届けてほしい、プラス、ウイングマンの続きが見たいという声を聞かせていただけると、桂先生をはじめ僕たちはやる気満々なので、ウイングマン世界観というのを、これを機に今後またいろいろと広げていけたらなと思っております。よろしくお願いします」

 最後は『ウイングマン』の続きについて言及した坂本監督のコメントで終了。全話見届けてほしい、続きが見たいという声が聞きたいという力強いメッセージ記者会見は終了した。

放映情報は次ページで!!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります