ガソリンエンジンとCVTの組み合わせで燃費もいい
グレードの違いは装備のみ
パワートレインは、1.5L 直列4気筒DOHCエンジンとCVTの組み合わせ。最高出力87kW(118PS)/6600rpm、最大トルク142Nm/4300rpmを発揮する。燃費はWLTCモードで16.4km/Lで、レギュラーガソリン仕様。駆動方式は前輪駆動車(FF)のみで、サイドブレーキもアナログなハンドタイプだった。
グレード構成はシンプルでエントリーの「X」、充実装備の「Z」、そこにメッキ加飾を追加した「Z+」の3つ。大まかな違いを挙げると、Xは樹脂カバー付き16インチタイヤ、ファブリックシート、ウレタン製のステアリング及びシフトレバーなどが特徴。
一方でZとZ+は外観上の装飾が異なるだけで、装備はほぼ同様。17インチアルミホイール、コンビシート、本革巻きのステアリング&シフトレバーが標準となる。
グレードXとZ+を比較した!
少し高いがZ以上をオススメしたい
都心の市街地と首都高速などを中心に走ったが、想像よりもずっと良い走りに驚かされ、好感を持った。実用スペックの1.5Lエンジンの性能を、CVTのセッティングでしっかりと引き出している。
走行音は、トンネルなどの音が反響しやすい場所でこそ少しノイジーに感じたが、それ以外では気にならない。むしろ、積極的にエンジン音を聞かせることで、不快にならないリズミカルなサウンドを奏でてくれる。
「曲がる」と「止まる」もしっかり作り込んだというだけあって、「これで十分」と思わせる基本がしっかりしたクルマに仕上げられていた。
今回は、ラッキーなことにXとZ+を比較試乗できた。価格面では有利なXだが、実際に乗ってみるとZ系とは大きな差があることを感じた。
まずはタイヤだ。いずれも日本ブランドのタイヤを装着するが、違いはサイズだけでなくグレードも異なり、Z系の方が上級仕様なのだ。このため、静粛性やハンドリングはZ系の方が良かった。
もうひとつはシート。Xは通常のファブリックだが、Z系はプライムスムース(合成皮革)とファブリックのコンビシートとなる。見た目だけの差だけでなく、着座時のホールド性は、コンビシートの方が良かった。また常に触れるステアリングは、やはり本革性の方が心地よい。XとZの価格差は25万円あるが、それでもZ以上がオススメだ。
以上のようにホンダのWR-Vはお手頃SUVだが、日本で求められるSUVのニーズは十分にカバーできる。今や選びきれないほどの車種があるSUVカテゴリーだが、お手頃なクルマは限られている。筆者は、車両自体がお財布に優しいことで、浮いたお金を出かけた先のアクティビティーに回せるのもSUVの性能のひとつではないか、と思っている。
WR-Vは、シンプルだが味のある1台だ。
ホンダ「WR-V X」の主なスペック | |
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サイズ | 全長4325×全幅1790×全高1650mm |
ホイールベース | 2650mm |
車重 | 1210kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン | 1.5L 直列4気筒 |
最大出力 | 87kW(118PS)/6600rpm |
最大トルク | 142Nm(14.5kgm・f)/4300rpm |
燃費 | 16.4km(WLTCモード) |
駆動方式 | FF |
タイヤサイズ | 215/60R16(前後) |
車両価格 | 209万8800円 |
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