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ゲーム内で対戦を視聴するだけでもキャラクターを育成できる新たなプレイ体験

日本のスマホゲームの現状を変えたい――ゲームアプリ『フェスティバトル』から見えてくるコロプラの挑戦【開発者インタビュー】

2024年10月23日 11時00分更新

ゲーム体験をより濃密にする手段として「フェスch」を搭載

――『フェスティバトル』の特徴として、お話のあった「IPのタッグ」が1つ目、2つ目の特徴が「配信」、3つ目が「本格的なスマホのバトル」です。3つの柱の中の2つ目の特徴「配信」についてお聞かせください。

角田:最近のゲームは、プレイするものから視聴するものへと変化しつつあります。ゲーム自体が配信されて実況されることで、ゲームを行う一次エンターテインメントから、ゲームを楽しむ二次エンターテインメントへと昇華しています。実況者やクリエイターが生まれることで、ゲームが非常に面白いコンテンツに変わります。

 対戦ゲームですから、常にプレイに集中することが難しい場合もあります。そんな場合でも、スマホで気軽に開いて、遊べないときには視聴することで楽しむ、そういった形で解決できないかと考え「フェスCh」を導入することにしました。

――プレイから視聴へのトレンドを捉えた選択肢として、オープンなプラットフォームとインナーな配信機能の選択があったと思いますが、今回はインナーな配信機能を選択した理由についてお話をお聞かせください。

角田:インナーな配信機能を選択した理由は、より濃い体験を提供するためです。ゲームシステムと視聴体験を結びつけることで、ゲーム内での一体感が生まれます。外部で配信すると拡散される可能性はありますが、それを目的とするのではなく、エンタメコンテンツとしての重きを置きたかったのです。ゲーム内で視聴すると経験値がもらえるなど、ゲームと結びついたエンタメ体験を作るために、あえてインナーの配信機能を選択しました。

――ゲーム体験をより濃密にするための取り組みですね。

角田:まさにその通りです。スマートフォンでゲームを作った理由もそこにあります。その手段の一つとして「フェスCh」があり、ポケットに入れたスマホで対戦ゲームを視聴することもプレイ感を楽しむ手段ともなります。また、配信機能についてはもうひとつ、視聴することで経験値が得られるという点を重視しました。キャラクターの使い方を学びながら自分のキャラクターを育成するという仕組みです。

 私自身、フロム・ソフトウェアさんのゲームが好きで、遊ぶ際、YouTubeで攻略動画をたくさん見て研究するものの、実際にクリアできないことが多かったので、「視聴することでゲームが上手くなり、強くなる」という仕組みがあればいいのにと思っていました。

 今回、それを経験値としてゲームに組み込みました。今はもらえる経験値(EXP)が少ないため、もう少し実感しやすい形に調整したいと思っています。 いずれも対戦ゲームのマス化(大衆化)に向けたチャレンジでした。

日本のスマホゲームの現状を変えたい――ゲームアプリ『フェスティバトル』から見えてくるコロプラの挑戦【開発者インタビュー】

自分のプレイを披露したり、ほかのプレイヤーの対戦を視聴できる「フェスch」。視聴することでもゲームに参加できる

良いものがあればユーザーは遊んでくれると信じている!

――バトルシステムをスマホに持ち込むことは大きなチャレンジだと思いますが、そこに独自の工夫はありますか。

角田:逆に、今回は余計な発明はしないように注意しました。みんなにわかりやすいルールにすることで、対戦ゲームの大衆化を狙っています。6対6で動く中で難しくならないように配慮し、誰でも楽しめるようにしました。

日本のスマホゲームの現状を変えたい――ゲームアプリ『フェスティバトル』から見えてくるコロプラの挑戦【開発者インタビュー】

ゲームではチュートリアルも完備。また、トレーニングでキャラクターの操作感や性能を確認できる。アクションに慣れていない人にも楽しめるように工夫されている

――今回のIPタッグに関して、広くメンテナンスを行うことで、コアなユーザーだけではない広がりに対する期待感や手応えはいかがですか。

角田:キャラクターのファンや対戦ゲームが好きな方々が楽しんでくれているのを感じています。訪れるユーザーは『白猫プロジェクト』や『モンスターストライク』の濃いファンであり、過去にプレイしていた方が多い印象です。データから見ても過去にプレイしていたユーザーが再び集まり、盛り上げてくれています。現在、それがユーザー層の柱となっています。

 しかし市況は年々厳しくなっており、一筋縄ではいかずゲームをはじめてくれるオーガニックの人を獲得する難易度が上がっています。

――ほとんどの人がスマホを持っています。スマホゲーム市場ももっと伸びるべきです。実際にはユーザーが新しいものを求めているのに、トップメーカーが2本目、3本目を出すのに苦戦しているのは構造的な問題に過ぎないのではないかと感じています。

角田:良いものがあればユーザーは遊んでくれると信じていますが、日本のスマートフォンゲームに関しては、新しいゲームを作っているところが少なくなっているように感じます。逆に言えば、周りが新しいものを作らなくなったのはラッキーかもしれません。

 ただ、リッチなコンテンツを求める層はすでにほかのタイトルに取られているので、そこではない層にしっかりとアプローチするものを考えないと生き残れないでしょう。

日本のスマホゲームの現状を変えたい――ゲームアプリ『フェスティバトル』から見えてくるコロプラの挑戦【開発者インタビュー】

「良いものがあればユーザーは遊んでくれる」と熱く語る角田氏

初のほか作品とのコラボを実施! その手ごたえは……

――最後に今後の展開について、お話できる範囲で教えていただけますか。

角田:『にゃんこ大戦争』が参戦したこともユーザーから非常に好評をいただいています。それぞれのユニークなスキルもあり、ユーザーに喜んでいただけたと思います。フェスティバルという名前には、毎月お祭りのように楽しい体験を届けるという意味があります。

 今回、『白猫プロジェクト』や『モンスターストライク』だけでなく、『にゃんこ大戦争』のキャラクターも参戦しましたが、これを皮切りに、『白猫』と『モンスト』のゲームというよりも、もっと多くのIPが参戦する6対6の対戦ゲームプラットフォームとしての認識をしてもらえるようにコミュニケーションをとっていきます。定期的にさまざまな作品とコラボレーションし、リッチなキャラクター体験を提供していきたいと考えています。

日本のスマホゲームの現状を変えたい――ゲームアプリ『フェスティバトル』から見えてくるコロプラの挑戦【開発者インタビュー】
日本のスマホゲームの現状を変えたい――ゲームアプリ『フェスティバトル』から見えてくるコロプラの挑戦【開発者インタビュー】
日本のスマホゲームの現状を変えたい――ゲームアプリ『フェスティバトル』から見えてくるコロプラの挑戦【開発者インタビュー】

3Dになった『にゃんこ大戦争』のキャラクターたち

――『にゃんこ大戦争』のキャラクターをリッチな体験に落とし込むコロプラの技術力についてもお聞かせください。

角田:スマートフォンにおける3D技術に関して我々は『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』から取り組んでいます。ガンホーさんの『パズル&ドラゴンズ』が出た直後くらいに『黒猫のウィズ』が登場し、その中で3Dを活用していました。そのため、スマートフォンにおける3D技術に関してはかなりの蓄積があると思います。

 また、十数年にわたってノウハウも積み重ねてきましたので、最適化やキャラクターの動かし方など、コロプラならではの3Dキャラクタークリエイトができると思います。

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『にゃんこ大戦争』とのコラボでは、プレイアブルキャラクターの追加だけでなく、オリジナルストーリーも楽しめた

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新たなコラボへの意欲を語る角田氏

フェスティバトルとは?

 『フェスティバトル』は、『白猫プロジェクト NEW WORLD'S』(コロプラ)や『モンスターストライク』(MIXI)をはじめとする作品のキャラクターたちが一堂に会するチームアクションゲーム。1プレイ5分で手軽に遊べるのが特徴で、3Dで表現されたキャラクターを操作し、さまざまなルールでチーム戦を楽しめる。

 本作は「誰もが必ず楽しめる場所があるゲーム」をテーマに、ゲーム配信から視聴までを一貫して楽しめる機能「フェスCh」を搭載。対戦が苦手な人も“観る”ことで一緒にバトルを楽しめるタイトルとなっている。

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必殺技などのド派手な演出も見どころ

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キャラクターの見た目をカスタマイズできる!

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キャラクターの成長要素も多数用意されている

【ゲーム情報】

タイトル:フェスティバトル
ジャンル:チーム対戦アクションバトル
配信:コロプラ
プラットフォーム:iOS/Android
配信日:配信中(2024年8月30日)
価格:基本プレイ無料(アイテム課金制)

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