ASCII.jp読者のみなさん、こんにちは! XCRスプリントカップ北海道第3戦「2024 ARK ラリー・カムイ」と第4戦「2024 RALLY HOKKAIDO」のXC-2クラスに、CUSCO RACINGから参戦してきました! コ・ドライバーをしています、元SKE48の梅本まどかです。
XCRスプリントカップって何?
みなさん、XCRスプリントカップはご存じですか? この大会は2022年に新しくできた大会で、北海道を舞台に全6戦が行なわれます。ランドクルーザーやパジェロ、ハイラックスなどのクロスカントリー車両やRAV4・ライズ・CX-5などのSUV車両で戦う競技なんです。
このXCRスプリントカップ北海道の6戦中2戦は全日本ラリーと併催ということで、併催される2戦に初めて参戦させていただきました。
オフィシャルのダイジェスト動画もありますので、見ていただくのが一番かと思います。私たちの走りは6分16秒付近です。
相棒のドライバーは番場選手!
英語のペースノートに苦戦
今回、私が乗ったマシンはハイラックス。ドライバーは2022年から2連覇を果たし、今年3連覇に向け戦っている番場 彬(ばんば あきら)選手でした! ASCII.jpでSUPER GTの記事に出ていた番場 琢選手の弟なんです。
番場選手は、全日本ラリーでオフィシャルのドローン撮影を担当しているので、全日本ラリーでリタイアしたときに少しお話しした事はあったのですが、ちゃんとお話しするのは今回が初めて。
最初はドキドキしていましたが、インカムを繋ぐと陽気な感じで「HELLO♪」と毎回挨拶をしてくださり、番場選手とのSSは毎回走りからの学びも多く、挑戦させていただけることもたくさんあったので、毎SSが始まる前から楽しみでした。
ちなみに、海外ラリー経験が豊富な番場選手のノートは英語。私が2024年はグラベルに挑戦したい! とCUSCOの長瀬社長にお願いしたときに「梅本は英語のノート経験ある?」と聞かれました。正直、学生の時から英語は聴き取りがすごく苦手で、苦戦していたのですが「練習ではやったことがあるので頑張ってやってみたいです」と答え、参戦させてもらえることになったのです。
昨年の動画や実際に使ったノートなどを見せてもらい、7月の第3戦カムイに向けて5月頃からスキマ時間で英語ノートの練習をしていました。
英語のイントネーションはどれが正解なのかいまいち分かりづらかったのですが、番場選手から「早口にはならないで! 1つ1つをしっかり教えてほしい。イントネーションは何でもOKだよ」と練習日にアドバイスしてもらい、グラベル(未舗装路)はターマック(舗装路)よりも車速は遅く、でも気をつけるポイントがたくさんあるので“しっかり、正確に、確実に”をより意識して挑みました。
あとは実際のラリー中、リエゾン区間で番場選手の過去のラリーのお話しをした時に「ドライバーは走っている時にコ・ドライバーの声を聞いているから、語尾が上がっている方が元気がもらえた」という事も教えてもらいました。
日本語だとなかなか語尾を上げずらいけど英語だとやりやすく、そういう点でも英語の方が読みやすいのかな? なんて感じた瞬間もありました。すぐにはできませんでしたが、そういうタイミングや言い方をいろいろトライしながら、毎SSで戦えてとても楽しかったです。
またノートも昨年のコ・ドライバーさんが書いたものを見せてもらうと、どのコーナーにどの言葉を入れたいか、簡単な表現の仕方、読みやすさなどがわかりやすく、カムイ→ラリー北海道と少しずつその要素を交えながら進化させることもできました!
独学だと難しいですが、いろんな方のノートや書き方を見るとホントに勉強になることばかり。いきなり全部を取り入れるのは難しいので、7月のカムイから9月のラリー北海道というこのタイミングでいろいろ試すことができたのは幸いでした。
今まで経験したことがない大所帯
そのぶん賑やかで楽しいラリー
今回のチームはCUSCO Racingで全日本ラリーと同じですが、このカムイ・ラリー北海道では「K.Z.F SERVICE」さんと共同ということで、大所帯での参戦でした。カムイは5台、ラリー北海道は4台が同じサービスということで、メカニックさんは大忙し。
1~2台が同じチームという経験はあったのですが、これだけの台数が一緒なのは初めてで、サービスパークに戻るといつも賑やかで、そんな雰囲気も楽しかったです。
チームのスケジュールによって、夜ご飯をみんなで食べたり、個々で食べたりと異なるのですが、番場選手から「せっかくなら美味しいもの食べたいよね」と、この2戦では北海道の美味しいお店をいろいろ教えてもらいました。
北海道といったら美味しいご飯!
ラリー以外も堪能しました
ラリー北海道の初日は移動のみで、翌日のレッキスタートも10時30分からとかなりゆっくりだったので、番場選手オススメのスープカレー屋さんへ。野菜がゴロゴロはいっているのですが、柔らかく、そして甘くて美味しかったです。
夜ご飯はゆっくり食べることが多かったのですが、もちろん時間のない日はコンビニ。お昼ご飯もダッシュでセイコーマート(北海道のコンビニ)に駆け込むこともありました。このラリー中、セイコーマートに何度も行きましたが、番場選手はりんごとみかんのジュースを必ず1本ずつ買って「このセコマのジュースはどっちも美味しいんだよね」と教えてくれました。
レッキ終わりに寄ったセイコーマートではトマトジュースを買って「やっぱり美味しい」とご満悦でした。
さらに、ラリー終わりには2戦ともソフトクリーム屋さんに寄ってご褒美アイスをごちそうになったのですが「時間ギリギリでもアイスは食べたいよね」と笑顔で話す番場選手はおちゃめで、ラリー中とのギャップが面白かったです。
グラベルラリーは雨と晴れの路面を経験
想像以上にリタイヤが多くて衝撃!
XCRスプリントカップ北海道はグラベルでの戦い。カムイは雨、ラリー北海道は晴れだったのでウェットとドライの路面を両方経験できたのですが、どちらもリタイアは15台以上いたのです。
出走順も全日本のトップクラスJN-1から始まり、オープンクラス、そのあとにXCRスプリントカップに参戦している車両が走ります。なので、わだちもそうですが、いたるところにリタイア車両がいて「こんなに多いの!?」というのがグラベルラリーの印象です。
レッキの時も車両の間隔をあけないと土埃で前が見えないので、必要な情報を見逃さないようにターマックの時よりも間をあけて走行したり、路面状況もかなり変わるので、経験値の差や予想する力が相当試される、というのが今回参戦してわかりました。
2戦とも優勝! 学びの多い北海道戦だった
番場選手は今シーズン6戦中4戦しか参戦できない中で、全戦優勝して3連覇を狙っていました。その2戦ということで大きなミスは許されない状況でしたが、カムイでは1つのSS以外は全部トップタイム、ラリホは半分のSSでトップをとり、危なげなポイントもなくどちらも優勝できました!
実は今年から新しいハイラックスということで、いろいろテストなどをして煮詰めていたのですが、レッキも本番車を使ってデータをとったり、いろいろ試していたのです。
ラリー北海道のレッキ中に車両トラブルが2度起こり、走れるのかドキドキした場面もありましたが、メカニックさんがかけつけてくれて、番場選手のマシンへの優しいアプローチで無事完走できたのです。
ハイラックスという初めての車両、グラベル、初めて経験することばかりのXCRスプリントカップ北海道でしたが、毎日学びもあり、いろんな経験をつめてとても楽しかったです。
さて、次戦は全日本ラリー最終戦。10月19~20日に岐阜で開催の「ハイランドマスターズ」です。全日本ラリーでの相棒、星選手とも笑顔でラリーを終えられるように頑張ります! そして11月にはラリージャパンですね。
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