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AMD X870チップセットが持つアドバンテージを余すことなく発揮するマザーボード「X870 Steel Legend WiFi」は納得の完成度だった

2024年09月30日 12時00分更新

Type-Cは最新規格のUSB 4
Type-Aは低遅延を実現したライトニングゲーミングポートを装備

 背面のI/O部にはType-CのUSB 4を2基搭載。USB 4の転送速度は理論値で最大40Gbpsとなっており、これは最大10GbpsのUSB 3.2 Gen.2の4倍だ。また、X870 Steel Legend WiFiでは、この2基のUSB 4はDisplayPortとして動作するDP Alt Modeにも対応し、ほかに1基のHDMIも装備しているので、計3系統の映像出力が可能となっている。

背面のI/O部にはUSB 4に対応したType-Cが2基実装されている

 そのほか、背面にはUSB 3.2 Gen.2(Type-A)を2基、USB 3.2 Gen.1を3基、それにUSB 2.0が4基と先のUSB 4を含めるとUSBは11基と充実したスペック。このうち、Type-AのUSB 3.2は、安定した電源供給を可能にしてノイズを低減するUltra USB Powerと、低遅延を実現したライトニングゲーミングポートとされており、ゲーミングデバイスを接続するために特化している。

 さらに、フロントパネル用としてUSB 3.2 Gen.2x2(Type-C)が1基とUSB 3.2 Gen.1が4基、それにUSB 2.0が4基のヘッダーピンも設けられているので、USBが足りなくなることはほとんどないはずだ。

I/Oパネルのほぼ中央に配置された紺色のUSBがUltra USB Powerで、黄色がライトニングゲーミングポートとなっている

フロントパネル用のUSB 3.2 Gen.2x2(Type-C)のコネクター

こちらは左から順にUSB 2.0のヘッダーピンと電源LEDとスピーカー端子、それにフロントパネル用の各種ヘッダーピンが並ぶ

 また、ASRock製マザーボードではおなじみと言える、USBメモリーからBIOSの更新が可能な「BIOS Flashbackボタン」も搭載。BIOSからもアップデートは可能だが、BIOS FlashbackボタンであればPCを起動する必要がないため、より手軽になっている。

BIOSアップデートが手軽に行えるBIOS Flashbackボタン。写真左は無線LAN用のアンテナ端子、右はUSB 2.0×4だ

 製品名からも分かるとおり、X870 Steel Legend WiFiは無線LANが標準搭載されているが、Wi-Fi 7に対応している点もトピックとして挙げられよう。Wi-Fi 7(IEEE802.11be)は、2.4GHz、5GHz、6GHzのすべての周波数帯が使用でき、新たに320MHzの帯域幅が追加された。

 日本では2023年12月22日に電波法施行規則が一部改正され、Wi-Fi 7が利用可能となり、対応ルーターも登場してきている。Wi-Fi 7の理論値での最大転送速度は46Gbpsを誇り、これはWi-Fi 6やWi-Fi 6Eの最大9.6Gbpsの約4.8倍にも達している。対応ルーターが必要になるとはいえ、これだけ高速な無線LANが標準で利用できる点は、X870 Steel Legend WiFiの大きなメリットと言えるだろう。

 一方、有線LANはRealtek製コントローラーを搭載し2.5GbEに対応する。なお、有線LANのコネクターは、ASRockが特許を出願した「5G LANコネクター」と呼ばれるもので、電磁干渉耐性を備え、高速で安定した動作を実現するという。

 ASRockは2.5GbE LAN搭載マザーボードでは、設定アプリケーションの「Dragon 2.5G LAN Utility」を用意している。X870 Steel Legend WiFiでも同アプリケーションが用意されるかどうかは、ASRockから説明されていないのだが、実機に導入してみたところ、Dragon 2.5G LAN Utilityは問題なく動作した。

 Dragon 2.5G LAN Utilityを使用すると、アプリケーションごとに重みづけを行なえる。例えばゲームしながらYoutubeの動画をながら見する場合などで、ゲームに帯域を優先的に割り振るといった使い方も可能だ。

アプリケーションごとに重みづけを行ない、帯域幅の優先度が設定できるDragon 2.5G LAN Utilityは、X870 Steel Legend WiFiでも利用可能だ

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