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忘れると飛行機に乗れなくなるもの、なーんだ?(※パスポートでもチケットでもありません)

2024年09月25日 07時30分更新

文● 中山智 編集●こーのス/ASCII

■申請必要な国は米国以外にも広がっている

 このようなアメリカへ旅行する際にESTAの申請を忘れて大失敗というのは、旅行業界ではあるあるともいえるトラブルです。

 そのうえ、ここ最近はアメリカと同じような電子渡航認証システムを採用する国が増えてきており、同じような出発時のトラブルが増えるのでは……とみられています。

 同様のシステムを採用している国としては、オーストラリアの「ETA(イータ)」があります。こちらもビザ免除でオーストラリアに入国する際は必須で、事前の申請が必要。有効期限はアメリカより短い1年で、パスポートを更新すると再申請が必要なのは同じです。

オーストラリアのETAは原則スマートフォンアプリからの申請となっています

 また、ヨーロッパもシェンゲン圏に旅する日本人に対して、ビザ免除で入国する際は「ETIAS(エティアス)」の申請が必要となります。こちらは2025年に導入予定なので、現時点では必要ありませんが、フランスやスペイン、イタリアなど29のシェンゲン協定加盟国とキプロスの30ヵ国が対象となります。またモナコ、バチカン市国、サンマリノはシェンゲン協定加盟国を経由してアクセスとなるため、実質的にはETIASが必須となります。有効期限は3年で、パスポート更新で再申請は同じです。

ETIAS対象の30ヵ国

用語解説 シェンゲン協定
 ヨーロッパの国家間移動時に入国審査などなしで国境越えを許可する協定。主にEU加盟国が対象となるが、EU非加盟国のスイス、ノルウェー、アイスランドも協定に参加しており入国審査は不要となっています。ただし、2024年3月31日に締結国となったブルガリアとルーマニアに関しては陸路での出入国審査は継続しており、入国審査廃止は空路と海路のみです。


 同じヨーロッパでもイギリスはシェンゲン協定非加盟ですが、こちらも独自の電子渡航認証システム「UK ETA(エタ)」の対象国籍を2025年1月8日から拡大予定で、日本もその対象となっています。こちらの有効期限は2年間で、パスポート更新時の再申請は同じです。

イギリスのETAも原則スマートフォンアプリからの申請

 つまり、来年からは電子渡航認証の事前申請が必要な国が一気に約30ヵ国も増えるわけで、「申請を忘れていて飛行機に乗れなかった」というトラブルが増える要因となりそうです。

 ちなみに日本人には関係ありませんが、日本も電子渡航認証システム「JESTA(仮称)」を導入予定。現状は2030年までに導入予定とのことで、海外での導入スピードに比べると日本らしいのんびりとした対応だなと思ったりします。

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