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物語の先も気になる!

兵装破壊にや・み・つ・き!『Breachway』戦略性の高いSFデッキ構築ローグライク【Steamゲームレビュー】

2024年09月24日 23時00分更新

レーザーで敵の艦を焼き払おう!ターン制で進行するSFバトルが奥深く楽しい

 Edgeflow Studioが開発し、Hooded HorseよりPC(Steam/GOG/Epic Games Store)にて早期アクセス版を2024年9月26日より配信予定の『Breachway』(ブリーチウェイ)。

 本作は、カードという形で新たな兵装やアビリティを獲得しながら銀河系を冒険するSFデッキ構築ローグライクゲームだ。

 過日のSteam Nextフェス期間中には、参加する1000タイトル以上の中から「最も遊ばれた体験版トップ50」にもランクインを果たしている期待作。今回は早期アクセス版のコード提供を受けたので、そのプレイレビューをお届けしよう。

●ジャンク漁りが重要な情報を手にしてしまい……?

 プレイを開始すると、主要人物たちの会話が始まる。どうやら「ソラリー」という大勢力の研究ステーションが爆発したので、主人公はジャンク漁りの新米艦長となり、その研究データを奪取する任務を請け負っているようだ。

登場人物の会話画面。翻訳はそこそこ自然で、物語の内容も理解できる

チュートリアルは一本道。画面左から青い線をたどって進む

 艦船を進めるとイベントが発生。戦闘が始まったり、クレジット(お金)をもらえたりとその内容はさまざまだ。特定のポイントに到達すると物語が進行する。

なかには選択肢が表示されるイベントも。ここでは海賊に襲われた輸送船をどう助けるか選べる。海賊を引き付けるか、輸送船を囮にして先制攻撃するか、そもそも助けないという選択も可能

状況的に正しそうな「海賊を引き付ける」を選択。戦闘は不利になるが、乗組員の士気が上昇した

 探索で研究データのブラックボックスを見つけ、海賊を退けながら宇宙ステーションへ到達するとチュートリアルが終了。そのブラックボックスを解析すると、「出所不明のシグナル」を発見。それは宙域勢力のパワーバランスを崩しかねない何かであるらしい。

 主人公たちはそのデータを持って宙域の離脱を命じられる。大勢力は宙域を封鎖し、通る艦船を片っ端から襲っている状況のようで、なかなかの無法地帯だなぁと思った。いや、悪いのは事故現場からデータを奪ったこちらなのだが。

 こうして、「シグナル」の持つ意味を探すための長い航海が始まった……というのが、本作のプロローグとなる。

●戦闘は3つのリソースを管理するカードバトル

自機が左画面で、敵機が右画面

 本作の戦闘では「パワー」「エネルギー」「マス」という3つのリソースが毎ターン補充される。その補充する数値は、枠内なら自分の好きなバランスを組めるのがポイント。攻めるためのパワー重視か、守るためのエネルギー重視か。任意に調整できるのが面白い。

リソース部分。色のついた数値は現在値で、+とバーが次のターン補充されるリソースを示している。この数値は、バーの数を上限としていつでも調整可能

 ミサイル、レーザーなど宇宙戦にはおなじみの兵装を使用するには、カードの下部に書かれたリソースを消費する。基本的には兵装を駆使して敵の耐久力(キューブ型アイコンの値)を削り切れば勝ちだ。

自機の兵装。不要なカードは右クリックで捨て札にもできる。空いたスペースにデッキから新たなカードをドローする仕組みだ

敵の兵装と耐久力など。戦闘はこちらと敵が交互に行動するターンベース形式で進行し、敵はリソースではなく、ターンごとにバーが溜まると各種兵装を使用する

 この戦闘で一番面白いのは、敵の兵装を集中攻撃するとそれを一定ターン封じられること。脅威度の高い兵装を高火力で焼き尽くし、手も足も出ない間にフルボッコにするのは、なんだか「ふはははは!」と、悪い笑いがこみあげてくる快感を覚えた。

敵の兵装を破壊し、手数を封じる。カードの下が赤くなっているものが破壊状態の兵装となる

 また、画面右下にあるアイコンで乗組員によるアビリティも発動可能。「士気」を消費するため一度の戦闘で使える回数には限りがあるものの、リソースを無条件に獲得したり、1ターンだけ攻撃力を+50%したりと強力なものが多い。

乗組員ごとに異なるアビリティを使える。使わないと損なので、積極的に使おう(12/12が士気の値)

バリアを張っていれば、相手の攻撃をのノーダメージで防げる。ただしバリアはターン経過で半減するので、敵の攻撃タイミングをよく見定めるのが重要だ

 戦闘に勝利するとクレジットと新たな兵装を獲得できる。これが一番ワクワクする瞬間だ。攻撃寄りの兵装を積むのが基本だが、守りの兵装とのバランスも考えなければならない。

新たに獲得可能な兵装を見られる。バランスよくデッキを構成しないと、手札がすべて攻撃兵装となって敵の攻撃を無防備に受けるなんて事態になりかねない(実体験)

●広い銀河をどう旅するか

 チュートリアルを終えると、分岐の多い銀河ステージが始まる。どう進んでもいいが、最終的には左下から右上のゴールを目指して旅していく。

青いラインは一方通行で進むことしかできないが、燃料を消費しない。黄色いラインは行ったり来たりできるので多くのイベントをこなせるが、そのぶん余計に燃料を消費する

 各ノード(丸い点)に止まると、さまざまなイベントが発生。各勢力(派閥)との関係値によって敵対的なイベントか友好的なイベントかが決まるようだ。

画面の右上に関係値が表示されている。バーが多いほど友好的な勢力だ

 旅では多くの敵と戦い、艦船が傷つくことも。そんなときは「宇宙ステーション」にドッキングしよう。クレジットを消費して船体を修理したり、燃料や新たな兵装を購入したりできる。

格納庫の画面。艦ステータスが左に、購入できる兵装や修理ボタンが右に表示されている

 また、宇宙ステーションなどの格納庫では、艦船をぐりぐり動かして眺めることも可能。細かいディティールにまでこだわったマイ艦船を眺めて楽しもう。

艦船のタイプは複数用意されている。それぞれ乗組員や初期兵装、艦船の耐久力に各派閥との関係値などが異なるのが面白い

●今後のアップデートに期待の1作

 ファンタジー系のローグライク作品は多いが、SF系のものは初めて触ってみた筆者。休日を一日潰すくらいにはじっくりと遊ばせてもらった。ただこちらは早期アクセスということもあり、いくつかの粗も目立った印象だ。

 旅のなかで発生するランダムイベントのなかでも、戦闘の発生率が高い。それ自体は悪いことではないのだが、頭を使うので戦闘にかかる時間が結構長めになる傾向にあり、少々疲れやすいと感じた。個人的にはもう少しサクサクと進むタイプが好み。

戦闘システム自体は面白いので、あくまでも好みの問題

 また、物語については1ステージ目のラスボスに到達する段階で未翻訳になっており、先が気になるが十分に楽しめる段階ではなかった。

苦労してボスを倒したら、突如として英語の会話が始まった。まぁ早期アクセス版だしね

 ボスを倒すと次の銀河系へと進むことになったが、1つの銀河を突破するのにかかった時間は3時間程度(リトライ含む)。見た目はさして変わらず、会話の内容も飛ばすようになったのでプレイはここまでとさせてもらった。

2つ目の銀河系。新たなイベントに新たな兵装などさまざまな出会いが待っている!

 総評としては宇宙を舞台としたローグライク作品に興味があればプレイする価値あり。戦闘は頭を使ってじっくりと戦略を練るので所要プレイ時間は長め。日本語訳は1ステージ目まで対応済み、といったところだろうか。

 今後のアップデートでは新マップや乗組員の成長要素、新たな艦船タイプが実装されるとのこと。乗組員が成長するようになったら、かなり面白さが増しそうだ。

 2024年9月26日から開始予定の早期アクセス時点で2ステージ目以降も遊べるので、本記事で興味が湧いたなら購入してプレイしてみてはいかがだろうか。

周回プレイをすることで新たな艦船タイプも解放される。そのほか、ボーナス効果も付与されてより有利な状態で次周をプレイできる特典も(ここでは「貯蓄」を獲得)

 

【ゲーム情報】

タイトル:Breachway(ブリーチウェイ)
ジャンル:SFデッキ構築ローグライク
配信:Hooded Horse
開発:Edgeflow Studio
プラットフォーム:PC(Steam/GOG/Epic Games Store)
早期アクセス配信日:2024年9月26日
価格:未定
IARC:7+(7歳以上対象)

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