Amazonは9月18日、「eero」(イーロ)の国内展開を開始すると発表。後述する製品を本日から順次出荷する。
eeroは2014年創業のベンチャー企業で、Amazonが2019年に買収。家庭用のメッシュWi-Fiルーターを提供するブランドとして展開してきた。メッシュWi-Fiとは複数のWi-Fiルーター(アクセスポイント)を連携させて、広範囲かつ高速の通信をする技術。決まった接続先からのデータを再送信する中継機とは異なり、メッシュ内の機器が協調して最適な動作(接続先の変更)をするため、環境が変化しても最適なスループットが得られると言われている。
多数の機器が混在する環境やスマートホームの実現のために
eeroの製品はシステムとしての性能、機能(安定した高速・多数同時接続やセキュリティ対策など)に加え、eeroアプリによる簡単なセットアップ、ネットワーク管理、そして部屋の雰囲気を損なわない洗練されたデザインなどを特徴としている。
設計思想は「ultra-simple, reliable wireless Internet for the home」(超シンプルで信頼性の高い家庭用ワイヤレスインターネット)。箱からeeroを取り出して数分でセットアップが完了し、さまざまなネット対応機器を接続・管理できる。また、eeroのTrueMeshテクノロジーは、ネットワーク上のトラフィックを能動的に管理し、各デバイスを、その都度、最適なネットワーク経路に誘導することで、ネットワークの切断を減らせる。
今後提供予定のeeroビルトイン機能を使えば、対応するAmazon EchoデバイスがWi-Fiエクステンダーとなり、無線の到達範囲を拡張。デッドスポットの発生やバッファリングに要する時間の軽減が可能となっている。現時点で対応しているのは「Echo Pop」「Echo Dot(第4・第5世代)」「Echo Dot with clock、Echo(第4世代)」。通信は5GHz帯のみで、最大範囲92m2、最大速度100Mbps、約10台のデバイスの同時接続をサポートするという。Alexaホームシアターとの同時使用はできないという。
スマートホームへの対応では、Zigbee、Matter、Threadなどに対応した機器は、eero内蔵スマートホームハブでAlexaとペアリングできる。ただし、eeroデバイス自体にAlexaは搭載されていないため、スマートホーム製品のコントロール用に別途、AlexaアプリやEchoなどAlexa対応デバイスが必要だ。
通常のセキュリティアップデートに加え、有料のサブスクリプションサービス「eero Plus」に契約することで、高度なオンラインセキュリティ機能やペアレンタルコントロール(コンテンツフィルターや特定のアプリへのアクセスのブロックなど)、パスワード管理の「1Password」、マルウェア保護の「Malwarebytes」、DNSFilter社が提供するVPN機能「Guardian」、ウェブサイト閲覧時に出てくるポップアップなど一部の広告をブロックする機能などが利用可能となる。また、日本のユーザーに対しては、国内のカスタマーサポートが担当する。
ミドルクラスの「eero 6+」からハイエンドの「eero Max 7」まで
投入製品のうち「eero 6+」は最大1Gbosの通信を手頃な価格で提供するWi-Fi 6対応の中級モデル。1ユニットで140m2、2ユニットで280m2、3ユニットで420m2の範囲をカバー。2.4/5GHz帯(160MHzチャネルをサポート)のデュアルバンド対応で、約75台のデバイスとの同時接続が可能。対象はワンルームで多くの機器を利用する人や、1LDK/2LDKに住む2~3人のご家族などだという。
「eero Pro 6E」は、さらに6GHz帯の通信にも対応したWi-Fi 6E対応モデル。1ユニットで190m2、2ユニットで380m2、3ユニットで560m2の範囲をカバーする。3種類の周波数帯が選べることにより、多数のデバイスで通信する際の干渉を減らせるため、仮にWi-Fi 6Eに対応していない機器でも遅延なくネット接続ができるようになる。約100台のデバイスと同時接続が可能。戸建てや居住スペースの広い方、より早く、安定したWi-FiでAR(拡張現実)やVR(仮想現実)、4~8K動画を楽しみたい人に向いているという。
「eero Max 7」はWi-Fi 7に対応。Wi-Fi 7は、Wi-Fi 6の約2倍のスピードを持ち、1ユニットで230m2、2ユニットで460m2。2.4GHz、5GHz、6GHz帯に対応し、10Gbps対応のEthernet端子を2基装備。有線で最大9.4Gbps、無線で最大4.3Gbpsの通信が可能となっている。約200台のデバイスと同時接続でき、ゲーマーやストリーマー、コンテンツ・クリエーターなど高負荷なネットワーク接続を求めるユーザーのほか、お客様向けにwifiサービスを提供する小規模なカフェやショップの経営者、SOHO事業者、さらに今後の接続機器の増大やWi-Fi 7対応への備えとして上位機種を求めるユーザーに向いているという。
価格は「eero 6+」が1万9980円から。2ユニットで2万8980円、3ユニットで4万2480円。「eero Pro 6E」は3万6980円から。2ユニットで6万480円、3ユニットで8万2980円。「eero Max 7」は9万5980円で、この機種のみ発売時期が10月23日(水)となる。
訂正:発表内容に変更がありました。有料サブスクリプションサービス「eero Plus」は近日提供予定とのことです。(2024年9月18日)
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります