週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ノートPCを月間40万台生産、良品率99.8%はどのように実現されるのか

MSI中国工場、極めて高度に自動化されたPC製造技術。人間の仕事の行方は?

2024年10月15日 11時00分更新

文● 貝塚/ASCII
提供: エムエスアイコンピュータージャパン株式会社

キヤノンマーケティングジャパン IT本部の東浦慎氏(左)と、同部チーフの中村英裕氏(右)

ビジネス向けとしても支持を集め始めているMSIノート

 ちなみに今回の見学は、キヤノンマーケティングジャパンがMSI製ノートPCを業務用PCの一部として導入したことを機に開かれた工場見学に相乗りさせてもらう格好で実現したものだ。これから業務で使うマシンの生産の現場を目の当たりにした彼らにも、話を聞いてみよう。

 今回の導入を担当するIT本部・チーフの中村英裕氏はMSIのノートPCについて「半導体不足、部材の高騰などによってPCの調達コストが上がっている中で、よりハイスペックなPCを採用できた」と話す。

 同社は、MSIのノートPCを、ハイスペックを求めるSEメンバーや業務の自動化に向けたRPA(Robotic Process Automation=ロボティクス技術による業務過程の自動化)での活用を目的に導入を進める予定である。将来的には動画編集やAI活用なども視野に入れつつ、活用範囲を拡大していく予定だとしている。

 見学を終え、導入を指揮するプロジェクトマネージャーのIT本部・東浦慎氏は、「MSIの品質へのこだわりは、使用者の満足度につながるのでは」と期待を持った様子で語っていた。

 MSI製品の仕入れを担当する同社ニュープロダクト企画第二課 課長の門前英輔氏に「どこが印象に残りましたか?」とたずねたところ、「自身が想像する生産工場とは全く異なっていた。ここまで自動化が進んでいることに驚いており、さらに“はんだ”などの素材から出荷方法に至るまで、徹底的に品質を求める姿勢にも感動を覚えた。一番印象的だったのは、製品に関わる一人ひとりの製品への情熱。我々はこの想いに寄り添い、これまで以上の関係を築いていきたい」と話した。

MSI コンピューター(深セン)のヴァイスプレジデントであり、昆山、深センの2拠点の工場長でもあるEthan Yang氏

 2006年に工場長に就き、本稿で紹介した自動化にも大きくかかわったEthan Yang氏は、MSIの工場が持っている基本的な姿勢は「おもてなしの精神」だと語る。

 「この工場はMSIというブランドを支える存在。すべてのプロセスは『エンドユーザーが欲しがっているものをどのように作るか』という発想から出発している。『いかに効率的に生産するか』だけを追い求めるのではなく『どうすればエンドユーザーの求めに応じた生産プロセスが作れるのか』に目を向けており、この工場のメインのマインドセットとしている。その時々の市場からの需要に応じてリソースを再配置し、柔軟に生産体制を変化できるのも、この工場の特徴だ」(Ethan Yang氏)

 「洗練された自動化プロセスに感銘を受けましたし、すばらしい工場だと思いました」とEthan Yang氏に今回の感想を伝えたところ「そう感じてもらえて嬉しいです。そして、私たちはいまも毎日進化していきます」と言葉を返してくれた。

 ゲーミングやクリエイター向けの用途で着実にシェアを伸ばし続け、ビジネス領域にも拡大しつつあるMSI。今後のさらなる発展を予感せずにはいられない。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう