週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

人気機種AVC-A110と同クラスで最新技術を投入したAVアンプ

これぞ現実的なハイエンド、Aシリーズを冠し、物量とノウハウをつぎ込んだ「AVC-A10H」

2024年09月17日 17時00分更新

人気機種「AVC-A110」と同クラスの価格帯で
AVC-A1Hと比較しうる性能を

 ここで簡単にAVC-A110との違いを見ていこう。まずはプリアンプ。もともと多チャンネルを見越したプリアンプだったが、AVC-A10Hまでの4年間にはAVC-A1Hを挟んでいるので、そのノウハウを投入している

 プリアンプの小型化、最適レイアウト、飛び込みノイズのアンテナになるといった悪影響を持つワイヤーの削減、AVC-A1H譲りのDAC回路などがポイントだ。

プリアンプ回路の解説。D.D.S.C.-HD32は最近デノンが力を入れている設計手法だ。

DACボードの写真。AVC-A1Hと同じ回路構成を踏襲しており、チャンネルが少ない。従来機の写真を見たことがある人には、見覚えがあるかもしれない。2chのDACを9つ搭載しており、一つの超低位相雑音クリスタルで同期する方式だ。

AVCーA110はDAC用の電源を発生させるためにレギュレーターICを使用していたが、AVC-A10HではAVC-A1Hと同様のディスクリート電源回路を使用している。電源ラインのノイズを除去し、DACの性能を極限まで引き出せる。大きな進化ポイントの一つだ。

内部のレイアウトは、真ん中にトランスを置き、左右に各チャンネルのパワーアンプを置く構造。対称性を意識したシンメトリカルパワーアンプだ。

 銅板でプリとパワーを遮っている。リーケージフラックス/オーディオ回路セパレーターは複数素材を組み合わせている。ケイ素銅板、黒色塗装鋼板、プラスチック樹脂だ。

 作動1段のAB級リニアパワー・アンプ回路はこだわり。DSPにはGriffin Lite XPを採用。ここはAVR-X3800Hから最上位まで共通の仕様だ。銅板を積極採用。例えば、ヒートシンクと基板の間に設けている。電源トランスは、内部の銅線を純度の高いOFCにしている。AVC-A1Hと同じだが、AVアンプでOFCの電源トランスを利用しているのはAVC-A1H/A10Hの2機種だけだ。

ヒートシンク部に銅板を挟むなど、銅素材を積極活用している。

OFC銅線を利用した電源トランスは物量投入の証だ。

パワーアンプ部は同一モジュール、同一品質となっている。

 新規に起こしたブロックコンデンサーも大容量化。A1Hと同じ内部構造で、容量のみ最適化している。フィルムコンデンサー、コイルなどの部品を最適化しているほか、Hi-Fiオーディオ機器用に開発したSYコンデンサーも採用している。AVC-A110から3桁もの部品に手を入れ、カスタムパーツも積極採用しているという。AVアンプは部品点数が多いため、単価の高いパーツは使いにくいが、AVC-A10Hではサウンドマスターの強い要望で、大量投入することになったという。

これが サウンドパーツの一例だ。

大容量のブロックコンデンサー

 高剛性シャーシはAVC-A1Hの考えを踏襲したもの。ただし、AVC-A1Hを移植しただけではないという。間にAVR-X4800H/X6800Hのほか、Hi-Fi機器なども手掛けているため、その開発ノウハウを「Vivid & Spaciousサウンド」に注ぎ込んだという。

シャーシ部の解説

これがHEOSなども搭載する。デジタル基板部分だ。

 なお、機能面でのAVC-A1Hとの違いは、内蔵アンプが2ch少ない13chになることだが、アンプとスピーカーのアサインは、カスタムからフリーアサインできるという。

訂正とお詫び:機能についての説明が発表時から更新されたため本文を修正しました。カスタムのメニューを利用することで、AVC-A1Hと同等のスピーカーのフリーアサインは可能とのことです(2024年9月18日)

背面。スピーカー端子は接続しやすいよう水平に並んでいる。

 最後に「MADE IN SHIRAKAWA」の利点について。白川工場は、設計、生産技術、製造、品質保証、調達の5つの部署が一箇所に集中している、世界的に見ても稀な環境である。製造効率なども含めた、トータルの完成度を高められる

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります