山根博士のグロスマレビュー
1型センサーで世界一カメラのファーウェイスマホ「Pura 70 Ultra」はデジカメとして使いたくなる
スマートフォン市場で低迷が続いていたファーウェイが2024年4月に発売したPシリーズ改め「Pura 70」シリーズの販売が中国や海外で好調だ。今回は最上位モデル「Pura 70 Ultra」を使ったので使用感をレビューする。
自社SoCと業界1位のカメラ性能
Androidに頼らずとも完成度が高い端末に
Pura 70 UltraはチップセットにKirin 9010を搭載する、ハイスペックなスマートフォンだ。アメリカ政府の制裁の関係からチップセットはメーカー非公開だが、調査会社テックインサイツのレポートで判明している。
また、カメラは1インチセンサーの5000万画素2つと4000万画素を搭載し、自社開発のイメージング技術「XMAGE」を採用。フロントカメラは1300万画素だ。高性能カメラフォンとして大手メーカーのフラッグシップモデルを上回る性能を有している。DXOMARKのスコアは163で、1位(9月現在)の座を維持している。
ディスプレーは6.8型(2844×1260ドット)で最大120Hz駆動、輝度は2500ニト。ディスプレー表面は自社開発した高剛性ガラス「Kunlun Glass」でカバーされている。バッテリーは5200mAhで100Wの急速充電に対応。ワイヤレスでも80Wと、こちらもかなりの高速充電が可能だ。さらに20Wのワイヤレス逆充電にも対応、本体背面にワイヤレス充電対応のイヤホンなどをおいて充電できる。
本体サイズは約75.1×162.6×8.4mmで重量は226g。カラバリは4色あるがすべてがヴィーガンレザーによる革風の背面仕上げになっている。
ディスプレーは角を丸めたエッジ形状で、背面側も同じ曲面で仕上げている。そのため本体を手に持つと握りやすく、本体サイズよりも若干小型に感じられる。カメラ部分の出っ張りは若干あるが、ケースをつければ気にならないだろう。
背面仕上げはクロス状に模様を入れており、高性能カメラとはまた異なる印象の高級感を出している。カラバリはブラック、ブラウン、ホワイト、グリーンの4色でいずれもシックな仕上がりだ。
グリーンモデルを代表カラーとしているようで、海外の家電量販店やキャリアショップではこの色のモデルを使った広告が目立っている。カメラ部分は3つのレンズを異なる形状仕上げとし、さらにバンプ部分は2段階とすることで特徴的なデザインとなっている。このカメラデザインはほかのPura 70でも同等のイメージにまとめている。
今回テストしたモデルはグローバル版であり、OSは中国モデルの「HarmonyOS」ではなく従来からの「EMUI 14」を搭載している。ホーム画面のフォルダーの使い勝手やアプリアイコンを長押ししてそのままウィジェット化できるなど、UIに関しては両者はほぼ同等の使い勝手だ。
AnTuTuのスコアは890477、最新モデルとしては物足りなく、Snapdragon 8 Gen 1よりも低い値だった。Kirin 9010は2021年発表のKirin 9000をベースとしたチップセットであり、7nmプロセスということもあり、パフォーマンスとしてはこの程度なのだろう。
とはいえ、実際に操作した感じでは操作性は悪くなく、全体的な動きは快適だ。ゲームは簡単にしか試していなかったが、一部のハイエンドゲームでも動作が最適化されているようで、スペック以上の動きを見せてくれる。Snapdragon 8 Gen 1程度の性能はあるように感じられた。そして何よりもカメラ性能は満足度が高く、Pura 70 Ultraの評価を大きく高めてくれる。
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