ストレージ性能はCrystalDiskMarkで計測した。シーケンシャルリード(Q8T1)では5GB/s、同ライトは2.82GB/s付近の転送速度で、PCI Express Gen4 x4世代で7GB/sクラスをハイエンドとすれば5GB/sクラスはメインストリームSSDといった印象だ。ランダムリードの76.8MB/s、同ライトの247.46MB/sといった速度もおおむね平均的なところである。このあたり、十分な転送速度を得られつつコスト的にもメリットのあるSSDを選んでいる。
さて、Cubi NUC 1Mの本来のビジネスニーズからすると、省電力運用も求められる。Windowsの省電力機能もあるが、Cubi NUC 1Mでは統合ユーティリティのMSI Centerにもいくつか便利な機能がある。「AI Engine」はAIを活用し、システム設定を切り換える機能だ。これをOnにしておけば、基本的にユーザーがとくに操作することもなく、とくに意識することもなしに状況に応じて最適な設定へと切り換わる。AI Engineの設定を行なえば特定のアプリケーションで最大のパフォーマンスを適用するといった指定も可能だ。ほか、「Power Meter」では電力ログを確認することができる。現在の消費電力や平均消費電力等々……、実際にどのくらいの電力を消費しているのか把握ができるのでビジネス用途では活用できるだろう。また、Power Meterの設定からは、「CPU使用制限」も可能だ。0〜100までのスライダーが用意されており、上限を設定できる。
実用面で個性を打ち出したMSIのNUC
NUCという似たり寄ったり、価格勝負色の強いフォームファクタの中にあって、Cubi NUC 1MはMSIカラーを打ち出してきた製品と言える。
紹介してきた「電源スイッチ延長ケーブル」や、M.2 SSDにヒートシンクが標準装着されているところなどはMSIがPCパーツの総合メーカーであるところを強く感じる。ディスプレイ裏にマウントすることは省スペースだが、電源Onの操作がわずらわしかった。Cubi NUC 1Mはここにひとつの解決策を提示してくれる。後者はマザーボードのM.2ヒートシンク、自社SSDにもヒートシンクを付けているMSIらしさを感じる。それに静かさも好印象だった。NUCは小さいゆえに負荷をかけるとうるさいPCでもあったが、Cubi NUC 1Mはそこまでうるさくはない。
NUCをより快適に使える解決策を示してきたのがCubi NUC 1Mと言えるだろう。
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