ストレージを見ていこう。まずM.2 2280スロットが1基で標準のNVMe SSDが搭載済み。ヒートシンク付きで熱対策も万全だ。もう1基はM.2 2242スロットでこちらは空き状態。M.2 2242はどちらかと言うと産業向けSSDが主流で調べてみると意外と製品・容量選択肢が少ない。一方、MSI ClawのようなポータブルゲーミングPCの登場により、もうひとつ小さなM.2 2230のほうで大容量のコンシューマー向けSSDが増えている。M.2 2230にアダプタを介して活用するのが現実的だろうか。
ほか、2.5インチベイ1基もある。付属のSerial ATA変換ケーブルをM.2 2280スロット横の端子に挿し、2.5インチSSD/HDDは底面カバー部(標準ではキャップでネジ穴が保護されている)に固定する。
なお、筆者が過去に触ったことのある「7」グレードCPUを搭載するミニPCと比べても動作音が小さく静かに感じた。アイドル時だけでなくベンチマークを実行し高負荷状態でもだ。Intel NUCと比べて若干大きな筐体なので内部空間も広く、広くなった空間に対してムリに機能を詰め込みすぎていないことも要因だろう。
このサイズにして十分なホーム&ビジネスパフォーマンス
パフォーマンスを見ておこう。アプリケーションベンチマークのPCMark 10 Extendedでは、Overallが5377ポイントと、統合GPUモデルで考えればまずまずの値だ。
シナリオ別に見ると、ホーム用途のEssentialsで10662ポイント、ビジネス用途のProductivityで8108ポイントだった。ミニPCのおもな用途はまさにこの2つ。十分に快適ラインを上回っている。次のDigital Content Creationは6587ポイントでややスコアが低くなるが、Photo Editingテストは10651ポイントと高スコアで、写真補正用途は問題なく快適だ。Video Editingテストも6744ポイントなので実用の範囲内のパフォーマンスが得られるだろう。Gamingについては統合GPUを利用するモデルでは難しく、3969ポイントにとどまった。
CPUパフォーマンスをCINEBENCH R23で見てみよう。スコアはMulti Coreが7475ポイント、Single Coreが1771ポイントだった。本来モバイルノートPC向けのU SKU CPUなのでおおよそ妥当なスコアと言える。明るいのはSingle Coreがまずまず高いスコアだった点で、まだまだシングルスレッド性能が求められるホーム&ビジネス用途では快適なレスポンスが得られるだろう。
Cubi NUC 1Mの想定用途外ではあるが、3D性能も確認しておこう。まず3DMarkについては、Fire Strikeが4691ポイント、Steel Nomad Lightが1193ポイントと低い。具体的にどの程度のゲームが楽しめるのか、ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークを使って60fpsを満たせる設定を探ったところ、解像度1280×720ドット、画質設定が標準品質(ノートPC)というこのベンチマークの最軽量設定で8106ポイント(60.50637fps)を満たせた。ファイナルファンタジーXIVも黄金のレガシーからややGPU負荷が高くなっているのでもっと軽量のタイトルならフルHDでも60fpsを満たせそうではあるが、メイン用途ではなく息抜きと考えたほうがよいだろう。
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