VESAマウントによって机の上をスッキリと、本体の存在を隠すことができる一方で、電源スイッチの操作がしづらくなる場合もある。「電源スイッチ延長ケーブル」はこのためのものだ。45cm程度あるケーブルによって、ディスプレイ台座やスタンド部など手が届きやすいところに電源スイッチを移設できる。実際のところ、延長ケーブルの2ピンはマザーボードにある電源スイッチ用ピンヘッダと同じ。試しに自作PC用の汎用スイッチを接続しても操作できた。そのため、「電源スイッチ延長用の端子」を備えていることのほうがより重要かもしれない。もし45cmでは足らないという場合はお試しいただきたい。
このように、Cubi NUC 1Mは一見するとよくあるNUCに見えて、電源スイッチを取り出せるというユニークな特徴ある製品に仕上がっている。ディスプレイ裏にマウントするという例を挙げたが、たとえば机の天板裏にDIYで取り付けるといった運用でも手元に電源スイッチを移設できる。考えようでいろいろと使えるのでアイデアを捻っていただきたい。まあ、ボタンそのものよりも、電源スイッチを取り出す端子を設けていることがとくに重要なところだろう。
ハイエンドCore 7採用&拡張性も十分
Cubi NUC 1MのCPUはCore 7 150U。Core 7 150Uは「Core Processor Series 1」と分類されるが、コードネームは第13、14世代Coreと同じRaptor Lakeだ。スリム・モバイル向けの「U」SKUであり、ベースパワーは15W、最大ターボパワーは55Wとされている。Pコア2基、Eコア8基でトータル10コア12スレッドといったスペックになる。
グラフィックス機能はCPUに統合されているものを利用する。「Intel Graphics」と呼ばれるもので、EU数は96基。Core 7なのでCore 5以下のグレードの統合GPUよりはEU数が多い。とはいえ3Dゲームを楽しむためのものではなく、デスクトップアプリケーション向けの性格だ。
ここからは底面カバーを開けて内部を見ていこう。ただし、ネジ部分には封印シールが貼ってある。自分でシールを剥がして開封し、メモリやストレージを換装、増設した場合はサポート対象外になるので注意。Cubi NUC 1Mの内部への増設は「MSIサポートセンター」へ相談や依頼をする。対応後は再度封印シールを貼ってから返却されるため、増設や補償に関しては安心だ。
メモリは16GBで、DDR5-5200を採用している。実装方法としてはノートブックやほかのNUC同様SODIMMで、2スロットあることから最大64GBがスペック上の最大となっている。
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