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秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは?

2024年09月04日 08時00分更新

店舗展開を強化、ゲーミングPCを重視

 3つめが、PCショップ「ドスパラ」の強化である。 

 ドスパラは、同社売上高のなかでも大きな比重を占めるビジネスであるが、これまでの出店数の拡大を急ぐ方針から転換し、地域への密着度を高めることがポイントになる。 

 井田社長兼COOは、「拡大の方向性は維持しながらも、出店のペースは少し緩める。その代わりに、市場性や来店しやすい環境などの立地条件だけでなく、法人向けPCとの親和性も意識していく」と語り、「それぞれの店舗が、地域においてどんな役割や影響を及ぼすことができるのか、どんな店を作りたいかという私たちの思いを込めることを重視した店舗展開を進め、よりよい店舗づくりを重視する」と述べた。 

 ドスパラの一部店舗には、法人窓口を設けているが、今後は、全国48店舗の出店地域の特性を捉えながら、店舗での法人向けPCの取り扱いを増やしたり、店舗の近くに大学や高校があれば、学生や教員に使ってもらえる商品の品揃えも進める。 

 前年度は、年間10店舗の新規出店計画を掲げていたが、今年度以降は、具体的な出店計画は掲げていない。 

 そして、ゲーミングPCも引き続き強化する姿勢は崩さない。 

 デスクトップについては、国内のゲーミングPC市場において、主力となるデスクトップ分野でトップシェアを獲得。このボジションを維持することにこだわる。「安心して使える最高のゲーミングPCや、最新の技術を取り入れた革新性があるゲーミングPCを提供しつづける」との考えを打ち出す。 

 この領域においては、プロのeスポーツ選手やインフルエンサーとの連携を強化するほか、eゲーム施設の運営、全日本高校eスポーツ選手権の支援に加えて、地方のeスポーツ施設への協賛や、eスポーツの部活動の支援も進めるという。 

 「ゲーミングPCは、単に製品を開発し、販売していくだけでは市場成長には限界がある。ゲーミングPCのリーダー企業の責任として、市場を活性化する取り組みが不可欠であり、インテルやNVIDIAなどとの連携を強化しながら、ゲーミングPCを活用してもらえる場を増やし、市場全体を盛り上げていきたい」と、市場活性化に向けた施策にも取り組む考えだ。 

まだまだ伸びしろがある企業 

 サードウェーブでは、「Future Unleashed(未来を解放する)」という新たなメッセージを打ち出した。 

 井田社長兼COOは、「サードウェーブの製品を通じて、ユーザーの未来の可能性や潜在力を解放するという意味と、サードウェーブ自身の未来の可能性を解放するという意味を込めた」と語る。 

 同社では、企業ミッションとして、「人々の創造活動の可能性を最大限にする」ことを掲げており、このミッションを遂行するための姿勢として、「Future Unleashed」を打ち出したとも説明する。 

 「サードウェーブは、まだまだ伸びしろがある企業。新たなことに挑戦する文化をより浸透させたい」と意気込む。そして、「わくわく、ドキドキするPCを提供したい」と語る。 

 井田社長兼COOが目指すのは「日本を代表するPCメーカー」である。新経営体制は、それに向けた一歩を踏み出すものになる。

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