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キヤノン「EOS R5 Mark II」の進化したAFと電子シャッターのおかげで猫に集中して撮影できた

2024年08月28日 12時00分更新

それなりに冷房が効いた室内だけど、窓が大きくてなかなか冷え切らず、猫もこうして“にゃつバテ”ポーズで床に張り付いてたのだった。2024年8月 キヤノン EOS R5 Mark II

 毎日暑いですな。なんかそればっか言ってるうちに夏が終わってしまいそうな2024年。猛暑かゲリラ豪雨か台風か……毎日この3つのどれかで形容できるんじゃないかというくらいで、酷使しすぎてエアコンが壊れて大変な目に遭ったお宅もあるんじゃないかというくらいだけど、猫も大変。

 室内の猫ですら、暑くてかなわんと言っております(冒頭写真)。

 さて、夏の新製品シリーズのラストを飾るのはキヤノンの大物、「EOS R5 Mark II」。見た目は前モデルとあまり変わらないけど、中身は4年分プラスαって感じですごく進化してるのだ。電子シャッターがデフォルトになっちゃったほどの進化だ。

 猫撮り的には、そもそも高性能で猫AFもしっかり持っていたのだけど、AFと連写がより強化されたのがポイントってくらいかも。サーボAF+動物優先AF+電子シャッターで気持ちよく撮れる。

キヤノンの「EOS R5 Mark II」。見た目は前モデルと変わらないけど、「Mark II」とあっさり呼ぶのがもったいないくらい中身は進化してるのだった。4500万画素のフルサイズセンサー機だ。

 猫を撮るって、カメラを手に猫とコミュニケーションを取りながらってのが一番楽しいわけで、そのときカメラが賢く振る舞ってくれると、撮るほうとしては、そのぶん猫に集中できるからありがたい。

 キジトラハチワレの子猫が、やたら魚のおもちゃに執着しており、遊んでいたらパクっと咥えて走って行ってしまった。行先はカゴ。このカゴの中にしまおうとしたのである。

 いや正確に言うと、カゴの中に落とそうとして失敗して、カゴの向こう側に落ちちゃったのだけど(口を開けたとき、歯に引っ掛かったようだ)、まあそれはささいなことだ。

口に咥えてる魚は、もちろんおもちゃ。咥えてどこへ行くのかと思ったら、この丸カゴへ。中に隠そうとしてるのか。2024年8月 キヤノン EOS R5 Mark II

いま、まさに魚をカゴに落とそうとしているの図。でも実際は、犬歯に引っ掛かって真下に落ちず、カゴの奥に行っちゃったのだった。ありがち。2024年8月 キヤノン EOS R5 Mark II

 場所はいつもの「保護猫シェルター QUEUE」だけど、この日は、猫が昼寝から起きるくらいの時間を狙って、ちょっと遅めに顔を出したのである。すると、子猫たちが元気に飛んだり跳ねたりと、かまびすしくて楽しいのだ。

 床に座ってカメラを手に観察していると、別のキジトラハチワレの子猫が床に座ってワゴンテーブルをじっと見上げている。これは飛び乗ろうとしてるな、とにらんでそっとカメラを構える。でも、子猫にとって一気に飛び乗れる高さではないらしい。飛ぼうとしたりあきらめたりで、なかなか動いてくれない。そのたびに、こっちは息を止めてシャッターに指をかけてるのである。

 そしたらなんと、ジャンプをあきらめてクライミングを始めたではないか。なんかめっちゃ賢くてかわいいぞ。というわけで、前足を掛けて登ろうとする姿を。

わずかな手がかりを求めてクライミングを始める真剣な顔がかわいい。特に、ひょこっと上がった左後ろ足に注目。2024年8月 キヤノン EOS R5 Mark II

 無事にこのまま登れたか……、まあ難しいってのはわかるよね。結局、ここから登るのはあきらめて、隣に少し見えてる白い椅子を経由して、カウンターの上に乗ったのだった。賢いですな。

 子猫たちが起きて元気に遊んでいる頃、のんびりしたい大人の猫は、子猫には登れないレンジフードの上で下界のことは知らんわ、って顔でくつろいでたのだった。

バリアングルモニタを使い、腕を上に伸ばして、レンジフードから部屋全体を見下ろす感じで撮ってみた。無理な姿勢で撮るとき、猫AFが正確だと助かるのだ。2024年8月 キヤノン EOS R5 Mark II

 後半は、ちょろっと屋外編。近所の猫がいるお寺なのだが、どこにもいない。

 夏の午後という普通の猫なら日陰で昼寝してる時間に参拝客や観光客が大勢いる場所に出てきてるわけないよな、暑いしな、一応呼んでみても出てきたりはしない。あきらめつつ、あれこれ撮影をしていると、庫裡の裏あたり、関係者しか入れない場所からのっそりとやってくるではないか。こっちがびっくりしたわ。

突然やってきた人懐こいハチワレ。いきなり現れたのであまりいい姿勢で撮れなかったけど、まあしょうがない。2024年8月 キヤノン EOS R5 Mark II

 そして、カメラを持ってしゃがんでる私のすぐ近くに腰を下ろしたのだった(猫に「腰を下ろす」って言うかどうかは知らんけど)。

何か期待してるような顔でこっちに向かって腰を下ろしたハチワレ。2024年8月 キヤノン EOS R5 Mark II

 すまんな、何もおやつとか持ってないんだと言うと、しょうがないなって感じで、日陰のコンクリートの上に移動してごろんと転がったので、撫でてあげたのだった。気持ちよさそうに撫でさせてくれるいい猫である。

左手で撫でながら、右手で撮影するの図。2024年8月 キヤノン EOS R5 Mark II

 暑くても顔を出してくれる猫は偉大だ。暑い中、カメラを持って参拝に行ったかいがあったというものである。

 そうそう、カメラの話。EOS R5 Mark IIはそれなりのお値段がするハイエンド機だけど、まだまだカメラの進化は止まらないなと感じさせてくれる1台なのだった。

 撮るときって、露出と構図を決めて、瞳にピシッとフォーカスを合わせて、あとはここぞというときにシャッターを押すんだけど、フォーカスをカメラ任せにできると、そのぶん猫に集中できるわけで、その世界が近づいてきた感じだな。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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