RTX 4070 SUPERでゲーミング性能もイイ感じ
ゲーミングPCで最も重要な3Dグラフィックス性能。キーマンはGPUだが、CPUの性能が低いとその足を引っ張ることもある。まずは定番ベンチマークソフトの「3DMark」でチェックしよう。
3DMarkには多くのテストがあるが、ここでは「Speed Way」の結果を見ていく。DirectX 12 Ultimateに対応し、リアルタイムのグローバルイルミネーションやレイトレーシングといった効果が多く、かなり重たいテストになる。
スコアーは5179と高めで、GeForce RTX 4070 SUPERなら妥当な値だ。Ryzen 7 9700Xも相応の仕事をしたと言っていい。動作クロックはCPUもGPUも安定しており、本来の性能が出せているようだ。なお、3DMarkのほかのテスト結果は以下にまとめたので、ほかのPCとの性能比較の参考にしてほしい。
実際のゲームに近いテストで、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」(以下、FF14ベンチマーク)も試してみよう。比較的軽めのMMORPGのため、画質設定は重くなるように「最高品質」を選択。また、GPUの素の性能を確認するために、解像度は4K(3840×2160ドット)、アップスケーラーはFSRで、3Dグラフィックス解像度スケールは「100」にした。
スコアーは10362で、評価は「快適」。正直、もう少し低いかと思っていただけに、4Kで1万超えのスコアーはいい意味で予想外だった。ただし、レポート出力機能でフレームレートを見てみると、平均で約73fps、最低で44fpsと少々物足りない。DLSS設定でアップスケールしてもいいかもしれない。
ちなみに、解像度を下げてWQHD(2560×1440ドット)にすると、スコアーは19725、評価は「非常に快適」に跳ね上がる。最低フレームレートは69fpsまで底上げされるため、違和感のない滑らかな動きでゲームが楽しめるだろう。
さらに、フルHD(1920×1080ドット)まで下げると、スコアーは25805で評価が「非常に快適」となるが、快適なプレイを求めるだけなら、ここまで下げる必要はなさそうだ。
まとめ:性能の高さはもちろん電力効率の高さが魅力
従来、デスクトップPC向けのCPU性能競争においては、ピーク性能の高さに注目が集まっていた。これは最高速度を競う車と同じで、ロマンあふれる見方と言える。
その一方で、燃費や操作性など、普段乗りの乗用車としての利便性は軽視されがちだった。いくら加速性が優秀で、最高速度が高くても、移動手段という本来の役割から目をそらせば、その本質は見えてこない。
PCも同じで、いくらCPUのピーク性能が高くても、その性能が維持できなければ意味がない。たとえ維持できたとしても、巨大な水冷クーラーが必要となれば、扱いにくいCPUとなってしまう。
その点、TDPが低くてもある程度の性能が発揮できるのであれば、小型で安価な空冷CPUクーラーでも運用できるようになる。つまり、より多くのPCに搭載しやすく、扱いやすいCPUとなるのだ。TDP 65WのRyzen 7 9700Xは、まさにその実用的なポジションを狙ったCPUと言えるだろう。
特に電力効率の高いCPUは、G-Master Spear X670Aのような空冷ゲーミングPCにピッタリだ。安定した性能を備え、多くのゲームが快適に遊べるアッパーミドルクラスのゲーミングPCが欲しいというのであれば、ぜひチェックしてみてほしい。
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