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AI悪用した動画で釣るSNS型投資詐欺は被害拡大中

半年で506億円被害の「有名人なりすまし詐欺広告」 両親祖父母への警告を

2024年08月07日 17時30分更新

SNS広告で釣り、メッセージングツールなどの閉鎖空間内で判断力を低下させ、金銭を騙し取る手口

AI悪用の偽動画が使われることも

Q:「有名人なりすまし詐欺広告」ってなに?

A:FacebookをはじめとするSNSで見られる詐欺広告。

 特に多いのは投資詐欺で、警察庁などの発表では「SNS型投資詐欺」と表記されることも。

 有名人の名前や顔写真を勝手に使って、その有名人が特定の商品やサービスを推奨しているように装う。場合によっては、なりすますためにAIで生成されたフェイク画像/動画が用いられることもある。

 そういったなりすましに気づかず、それを本人発信のものと信じたユーザーが、SNSの投稿を経由したり、広告バナーをクリックしたりすることで特定のサイトやメッセージングツールへ誘導され、投資金やセミナーへの参加料金と称して金銭を騙し取られるような詐欺行為に遭う。

 また、SNSの投稿に反応(「いいね!」や友だち登録、DM返信など)することで、有名人になりすました人物や有名人の関係者と称した人物から直接連絡が来ることもある。この場合も、直接持ちかけられた話に応じることで詐欺に遭うこととなる。

 なりすましに利用されている有名人がSNSの運営企業や警察へ相談していることから、徐々になりすまし広告は減っているとされているものの、それでも警察庁によると、2024年5月の1ヵ月間でSNS型投資詐欺の被害は541件、被害額は約96億円だった。

 2023年5月と比較すると、件数は約5倍、被害額は約10倍以上に増えており、2024年に入ってからの被害は3500件以上、被害額は約506億に上っているという。

 SNSなどで有名人を使った広告を見かけたら、まずは「詐欺では?」と疑う心構えが必要であると言えるだろう。

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