デル・テクノロジーズ編
AI PCはいずれ生活の一部に 「いまはインターネット黎明期と似ている」
Z世代にCopilot+ PC「XPS 13 」は打ってつけ
同社は、ワークステーション以外のすべてのノートPCブランドでCopilot+ PCをラインアップする。既出の製品としては「XPS 13 」「Latitude 7455」「Inspiron 14 Plus 」(2024年7月30日取材時点)が展開されている。
共通仕様としては、Snapdragon Xシリーズを搭載し、40TOPSを超えているため、スピードとパフォーマンス性能は非常に高い。省エネ性能のほか、バッテリー持ちもいいので、ビデオ会議が長くできるなどハイブリットワークで使えるところがメリットだ。
ちなみに、Copilot+ PCと従来型のPCでブランドは分けず、各シリーズの上位・下位モデルとして展開する予定だそう。注意点は今年2月以降のモデルは、Copilot+ PCであるかどうかにかかわらず、キーボードにCopliotキーが搭載されていること。つまり、CopilotキーがあってもすべてがCopilot+ PCではない。少し判別が難しいところではある。
XPS 13は、シリーズを通して「デザイン」「サステナビリティ」「ハイパフォーマンス」が特徴のプレミアム感にこだわった製品となる。
同製品は、Z世代・ミレニアム世代など、新しい世代のユーザーをターゲットに据えている。開発段階で、Z世代が製品にシンプルさを求めており、余分なものを取り除いたデザインになったという。
注目なのは、タッチファンクションメディアキー。普通のキーボードだと、それぞれファンクションキーが配置されているが、XPS 13の場合、利用できる機能だけ点灯するため、インターフェースがシンプルとなっている。
またタッチパッドは段差をなくし、パームレストとシームレスに一体化させていることで、窪みがない分すっきりとした見た目となのも特徴だ。
主なスペックとして、CPUにSnapdragon X Elite、グラフィックスにQualcomm Adreno GPU、16GBメモリーと512GBのストレージを搭載。ディスプレーは13.4型FHD+(1920×1200)、インターフェースにはUSB Type-C×2を装備する。
製品サイズは幅295.30×高さ14.80~15.30×奥行199.10mmで重さが1.17~1.19kgで、価格は24万9980円~。周りと差別化したい、スタイリッシュなCopilot+ PCを探しているユーザーにとってはおすすめなモデルではないだろうか。
Inspiron 14 Plusは、プレミアム感よりはユーザビリティーの高さを意識した製品となっている。
ユーザーのコスパを重視した製品で、XPS 13と比較すると、いい意味で従来のPCデザインを踏襲しているので、癖のない使用感となっている。個人向けとして非常に使い勝手がよさそうだ。
タッチディスプレーを採用しているほか、最大21時間(ローカルに保存したビデオを再生した場合)とバッテリー性能もなかなかにいい。
主なスペックとして、CPUがSnapdragon X Plus/Elite(選択可能)、グラフィックスにQualcomm Adreno GPU、16GBメモリーと512GB/1TB(選択可能)のストレージを搭載。ディスプレーは14型QHD+(2560×1600)、インターフェースにUSB 3.2 Gen 1 Type-A、USB Type-C×2、オーディオジャック×1を装備する。
製品サイズは幅314.00×高さ14.69(最薄)~16.90(最大)×奥行223.75mmで重さが1.44kg(最小構成時)。Copilot+ PCながら、価格は17万3552円~と安く抑えられているので、はじめてAI PCをつかってみたいユーザーは一考の価値ありだ。
インタビュー中にはPC本体の大きさについても興味深い言及があった。デルでは現在、15型ノートPCを主流としつつ、13、14型が伸びており、半分くらいを占めるという。
また、文氏によると市場のトレンドは15インチから16インチなどワンサイズ上の画面サイズに移行しているという。これは液晶ディスプレーのベゼルが狭くなっているためで、本体の大きさはほぼ同じとなる。ベゼルのぶんだけ画面が広くなるわけだ。
実際に今年は、13型から14型、15型から16型などノートPCをワンサイズ大きくしている人が多いので、業界的にもこの流れが進んでいくだろう。
いまは大きなチャンスの時期
同社への取材を一言で表すと“AI PCを積極的に投入していく”、ということだった。
XPS、Latitude、InspironとノートPCのすべてのブランドでCopilot+ PCを発売していたり、タッチ&トライイベントを何度も実施してCopilot+ PCの魅力をしっかり訴求していくというのも、その強い現れではないだろうか。
文氏の「生成AIの今の状況は、インターネットの黎明期に近い」という言葉も印象的だった。
ある大学では、プログラミングの講義をする際、ChatGPTを利用可能にしているそうだ。結果、学生が主体的になり、講義中に寝てしまう学生が減ったり、出席率が上がったりする効果が得られたという。
ChatGPTを使うことで手軽にプロンプトエンジニアリングなどを学べるので、当然、それに触れていない学生との差も広がってくる。新しいものをいち早く使うことで、周りと差がつく現象は昔からあることだが、Z世代の間で今後生成AIが普及して、インターネットと同様のインパクトを社会にもたらすのであれば、そこには大きなチャンスが待っているだろう。
あえてZ世代という言葉をつかったが、世代を問わず、多くの人々がAI PCに触れ、インターネットの一般化、ブロードバンドによる常時接続に続く、新しい波を作って行くのであれば面白い。
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