デル・テクノロジーズ編
AI PCはいずれ生活の一部に 「いまはインターネット黎明期と似ている」
2024年6月のCopilot+PC発売、そしてWindows 10のEOS(サポート終了)など、大きな変化を迎えつつあるノートPC市場。
ノートPCの新時代ともいえる今、AI PCを取り扱う大手メーカーに取材・インタビューしていく本連載。第2弾はデル・テクノロジーズへ訪問。パソコンや周辺機器のほか、サーバー、ストレージ、ネットワークなどのITインフラ、サービスや保守に至るまで、さまざまなITソリューションを自社で提供しているのが特徴だ。
ノートPC事業においては、「XPS」「Latitude」「Inspiron」ブランドで、クアルコムのSnapdragon Xシリーズを搭載したCopilot+ PCを3機種発売している。
Copilot+ PCは、クラウドに問い合わせることなく、パソコンの中で生成AIの複雑な処理をこなせる新たなPCのカテゴリーとなっている。そのために必要な高性能をマイクロソフトは定義し、その仕様を満たすパソコンの開発を各社に働きかけているが、デルもその働きかけに応じた最初のメーカーのひとつだ。
Copilot+ PCを含むAI PCについて、前向きな印象がある同社に、2024年以降のノートPC戦略、そしてAI PCがもたらす生活の変化について聞いてきた。
インタビューに応じてくれたのは、コンシューマー向けPCのプロダクト マーケティングディレクター 文 英梅氏だ。
計5機種を投入 AI PCを積極的に推していく
――本日はよろしくお願いします。早速ですが、今年はCopilot+ PCが発表され、来年にはWindows 10のEOSがあります。ここからノートPC市場が大きく動いていくと思いますが、御社の戦略からお聞きしたいです。
PC業界としては、コロナ禍の特需以降、数年間市場の停滞が続いています。ただCopilot+ PCが発売されたということでお客様からの関心は高くなっています。
2025年にはEOSもあるので、私どもとしては来年の需要をキャッチするために、AI PC(Copilot+ PC)に注力していきます。今年はすでに3機種発売していますが、9月には2機種追加し、年末~2025年にむけてさらに増やしていく予定です。
――新型コロナ対策の行動制限によってPCの需要が一時的に上がったけれど、その反動があったわけですね。
最初の1年~2年は高い需要がありました。おそらく過去最高だったかと。ただコンシューマーは(買い替える)サイクルが約7年と言われており、そのサイクルはさらに伸びています。
コロナ禍の最初の年から、4年目に入ったいま本当に必要に迫られた人たちは買い替え始めていますが、一般的にはその波がきていないですね。Copilot+ PCの登場は買い替えを加速してくれそうですが。
――現在の販売チャネルとしてはどこがボリューム層になりますか?
国内のコンシューマーの場合、半分以上がダイレクトビジネスで販売しています。
ユーザー層としては30代後半から50代前半の男性の比率が高いですが、傾向が変化して、学生などの若い層も増えてきていますね。(若い層は)昔は1割未満でしたが、いまは2割以上となっている状況です。
――御社の方針としては、Copilot+ PCをどんどん推していく形でしょうか?
Copilot+ PCは新しいもので、関心も高いですが、まだ様子見のお客様が多いです。我々としてはCopilot+PCは積極的に宣伝していく方針ですが、従来型PCも継続して販売する予定です。
AI PC(Copilot+ PC)はスマホではカバーできないこともできますから、お客様にもいろいろなメリットがあると思います。
お客様の反応として「これでなにができるの?」という声が多いので、タッチ&トライイベントなどを企画して、実際、触ってみてどういうことができるかを知って購入してもらえればと。
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