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【対談中編】マカフィー栗山憲子社長×ITジャーナリスト高橋暁子氏

日本の安全神話がサイバー犯罪だとまったく通用しない単純な理由

2024年12月19日 11時00分更新

文● せきゅラボ
提供: マカフィー株式会社

投資詐欺は一層増える。なぜなら……

―― セキュリティ対策と言えば、ひと昔前までは「アンチウイルス」でした。それがいつの間にか個人情報保護や漏えい後の対応、最近では「AIを使った詐欺への対応」がクローズアップされています。

栗山 とは言え、実は10年以上前からマカフィー製品ではAIが背後で動いておりまして、それこそアンチウイルス全盛の頃からウイルス検知・解析はAIでこなしています。ですから、うちにとってAIは目新しいものではないのです。

 ただこれまでは、後ろで支えるのがセキュリティ会社だという自負もあり、表立って宣伝もしなければ、「AIを使っているので大丈夫ですよ」ともわざわざ言わないスタイルでしたが、そこを変えていきたいと思っています。

 「危ないですよ」と声に出して、今そこにある危険を認識していただくことが重要だと感じています。そういった意味でも「前に出る」ということを今後2~3年で学んでいきたいですね。

 ……変な話ですが、最近では競合他社のみなさんともちょっと仲良くしているんです。「そこが危ないよ」という積極的な警告を、うちだけではなくみんなで一緒に声掛けできればと思っています。

高橋 前述の通り、政府の注意喚起もなかなか届きづらい以上、自分たちの生活は自分たちで守っていかざるを得ない時代なのかもしれませんね。年金も心細いですし(笑)

―― 老後に必要な資金は2000万円だと言われていたのが、いつの間にか4000万円なんて数字まで飛び出しました。

高橋 普通、「資金を倍にしましょう!」と言われたら詐欺確定ですよね……。

栗山 と言うことは、これから投資詐欺も一層増えると考えられます。やはり国にばかり頼っていても万全とはならないので、民間企業のレベルでも考えていくべきではないか、と。ですから啓蒙活動に関しても他社さんと話しているところです。

高橋 当然、学校でもセキュリティ啓蒙がより重要になるでしょう。

―― 次回は学校にまつわるAI話や、学生が巻き込まれる詐欺の実際などについて高橋さんにお聞きするところから始めたいと思います。

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