配送系を騙るフィッシングが前月比26倍!
フィッシング報告件数が減りません。
フィッシング対策協議会がまとめた2024年6月の「フィッシング報告状況」によれば「報告件数」は前月より480件増えて14万4160件でした。前月は集計開始以来3番目の報告件数でしたが、わずか1ヵ月で更新されてしまいました。
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2024年6月は、Amazonを騙るフィッシング報告が報告数全体の約26.3%、およそ3万7000件にまで減少しました。代わりに、三井住友カードおよびヤマト運輸を騙るフィッシング報告がそれぞれ2万件を超え、東京電力とイオンカードも合わせた上位5ブランドで全体の約82.1%を占めた模様です。
分野別では、ヤマト運輸を含む配送系以外はおおむね減少しています。それぞれ、クレジット・信販系約38.4%、EC系約27.2%、配送系約15.7%、電力・ガス・水道系約11.4%、金融系約2.4%でした。
SMSを使ったフィッシング詐欺、スミッシングは相変わらず宅配便の不在通知を装ってAppleを騙る偽Webサイトに誘導する手口が流行しています。また、「Google メッセージ」で利用できるRCSチャット経由のフィッシングメッセージが報告されました。
フィッシング対策協議会曰く、「正規サービス事業者がグループチャットで契約者へ請求等に関するお知らせを送るケースは無いと思われる」ため、遭遇した場合は同協議会およびGoogleへ報告すると良いでしょう。
大量配信・大量報告がトレンド?
フィッシングメール/メッセージなどからの誘導先(偽Webサイト)にあたる「URL件数」は、前月から1万6902件増えて5万4991件。もともと春以降、高止まりしていましたが、ここに来て過去最多を記録してしまいました。
なおフィッシング詐欺に悪用された「ブランド件数」は、前月から20ブランド減少して71件に留まりました。ここ数ヵ月は増加傾向にありましたが、6月はある程度ブランドを絞って送信されています。
前月に続き、「(フィッシングメールの)大量配信・(同協議会への)大量報告」の流れが続いているようです。同協議会によれば、「件名から迷惑メールフィルターで検知されたと判断できる報告メールは全体の約2割」に過ぎず、判別は困難になっているとのこと。過去に報告された、飾り文字などを使って検知を回避する試みも続いているようです。
もしあなたが怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告することをおすすめします。
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