詐欺メールのURLをタップしてしまう前にできること!
フィッシングメール対策として有効なのは、前述した通り徹底的な無視なのですが、場合によってはうっかりメール本文から怪しいWebサイトへのリンクをタップしてしまう可能性もゼロではありません。
そんな「万が一」の事態に頼りになるのが、セキュリティ対策製品です。たとえばマカフィー「ウェブアドバイザー」を導入していれば、フィッシングサイトへ飛ぶリンクをタップしてしまった場合でも、リンク先が危険ならば警告ページが挟まれるため、被害を未然に防ぐことが可能です。
ちなみに、「よく本文を読めば、日本語が変だったり、明らかに日本とは異なる商習慣による言い回しが入ってくるから、判別はできる!」と考えている人がいらっしゃるかもしれませんが、正直その自信は早めに取り下げるべきです。
なぜなら、こうした手口の欠点をすべて埋め合わせる“生成AI”が猛威を振るっているからです。
他国向けの詐欺メールを適当に日本語訳してバラ撒くだけの稚拙なメールは過去のものとなりつつあります。生成AIによって、日本人を騙せる文章が作れるようになっているのです。
不自然な日本語を使った詐欺メールが減ったのは……
生成AI技術の進展によって詐欺メールの判別が難しくなる理由について、マカフィー 日本・アジア地域チャネルマーケティング 執行役員 本部長 兼 セキュリティ エヴァンジェリストの青木大知氏におうかがいしました。
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生成AI技術を使って作られた動画や画像をニュースで見る機会が増えました。私自身も仕事で使う機会が増え、また私の中学生の子どもも学校から読書感想文に生成AI禁止と言われるぐらい、ものすごいスピードで私たちの生活にAIが浸透しています。
詐欺メール、詐欺ショートメッセージ、詐欺ショッピング、詐欺電話と色々ありますが、それらの行為にも生成AIが利用され、攻撃の精度や効率を上げる道具になっているとの報告があります。
以前よく見られた、不自然な日本語や間違ったフォントなどを最近あまり見られなくなったのは、生成AIが1つの原因だと考えます。正式やコンテンツをAIに触れさせることにより、本物と偽物の違いのギャップがなくなってきている状況にあることを知っておいていただきたいです。
フィッシング対策協議会のデータを見てもわかる通り、急激にフィッシングメールが増えたと感じている人は多いと思われます。漏えいした理由がはっきりしないことにモヤモヤするかもしれませんが、実際に増加傾向がある以上はなんとか自分で対応しなければなりません。
フィッシング詐欺に騙されることなく、この暑い夏を乗り切っていこうではありませんか。
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