「動画配信サービスは全部SNS」と考えているわけではない
10代の77%が「YouTubeはSNS」と答えた理由はおそらく……
対して30代はわずか25.8%
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と言えばどんなサービスを思い浮かべるだろうか。10~40代の推し活をしているユーザーを対象とした、推し活アプリ「オシバナ」による「年代別SNSの意識調査のレポート」(2024年7月)を見てみよう。
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全世代で顕著に認識の違いが出たのがYouTubeだ。YouTubeをSNSだと思っているのは30代が25.8%、40代は32.3%、20代は31.3%だったが、10代は77.1%に上った。世代間で大きく差が生まれているのだ。
SNSとはインターネット上でコミュニケーションがとれるサービスを指す。つまり、YouTubeはSNSととらえて良いだろう。
10代の多くはYouTubeをSNSととらえているが、20代以上の多くはSNSではないと認識していることになる。20代以上にとってYouTubeは動画共有サービスだが、10代にとっては交流もできるサービスという認識と考えられる。
10代はさまざまなサービスを通じてコミュニケーションしている。それゆえ、ほかの年代よりも多様なサービスをSNSと認識する傾向にあるというわけだ。
別の目的で利用するサービスはSNSではない?
サービスによってSNSと認識するかどうかは異なるようだ。Xは97.8%、Instagramは97.6%、Facebookは95.0%など、それぞれほとんどの人がSNSととらえているのに対して、TikTokは79.1%、LINEは75.9%、Blueskyは74.9%に留まった。
動画配信・共有サービスもサービスによって認識は異なり、動画ライブコミュニケーションアプリPococha Liveは40.4%、ライブストリーミング配信プラットフォームTwitchは61.6%に留まった。
リアルタイムの生配信がメインとなるサービスはSNSという認識が薄れがちになるようだ。このようなサービスは、交流ではなく配信を求めて利用していると考えられる。
同じサービスでも世代が違うと利用の仕方も異なっている。今後も引き続き追っていきたいと思う。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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